作家の池澤夏樹さんが、しんぶん赤旗日刊紙の「3.11から日本を問う」のインタビューでこう述べています。
「最近になって僕は考えるですけれど、放射性物質は薄められない。ガスなら薄められますが、放射性物質は、粒子ですから薄まらない。日常生活の範囲にある毒のほとんどは燃やせば消えます。燃やしても消えないのはカドミウムのような元素毒ですが、体内にいれなければまず問題はない。放射性物質は周囲に放射線を出すし、希釈もされない。つまり始末のしようがない。今回の福島の事故はこのどうしようもないことが、歴然と証明されてしまった。しかし、なんとか糊塗して、まだ続けようとしています。その欺瞞の深さには驚きます。」
池澤さんは、このような見地から再生可能エネルギーへの転換を訴えます。
「僕は今ひたすら被災地に通って人をみています。3.11をどう受け止めるのか、今はそれに必死です。それが自分の書くものに、この先長い目でみてどう影響してくるかはよくわからない。ともかく僕は、考えられる限りを考えていこうと。今はそれしかない。」
池澤さんの今後の作品に学びたいと思います。
その前に、この夏、池澤作品に学びたいと思い、今、文庫で600ページを越える大作である「静かな大地」を読んでいます。
由良の父ら家族が淡路島から北海道静内に入植してからの波乱の歴史を綴った大河小説です。
この小説にはモデルがあり、池澤さんの先祖の物語でもあるようです。
この夏は、「静かな大地」を中心に池澤作品と向き合う夏になりそうです。
池澤ファンの皆さん。推薦する作品をご紹介下さい。
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