議員日誌

映画「おとうと」

 山田洋次監督の映画「おとうと」を観ました。

 この映画を観て、最近、よく聴いている斎藤和義の「ジレンマ」という歌詞を思い出しました。

 「誰かと自分をくらべっこして 結局最後は虚しくなった 分かっちゃいるのに今日も よせばいいのに今日も」

 私自身も人と比較して虚しくなることがたまにあります。

 また、子どもが4人おりますが、「この子は出来て、この子は出来ない」と子どもを比較することがよくあります。

 比較するのは良くないと思いながら、数日たつとまた、比較している自分が居ます。

 映画は、おとうとに散々、悩まされた姉が最後は弟を許す物語です。

 社会通念では許されない弟の日常です。それを許す行為は、崇高です。許す行為の先に、真の自由や平等があるのだとも思わされました。

 この映画を観て、自分の未熟さを痛感させられました。少しでも自由に考え、人々を平等に見ることが出来る人間でありたいと考えさせられました。

 このように、日常から離れて、自分や社会を見つめ直す機会を作ってくれることも映画のすばらしさでもあると思います。

 今日は、山田監督に感謝する一日です。

 それにしても弟を演じた鶴瓶の演技は、圧巻で、他に代わる俳優が今はいないのではないかと思わされるものでした。

 そして、映画に出てくるドヤ街のホスピスに興味を抱きました。

 映画では、大阪にある「みどりのいえ」という設定でしたが、モデルは、東京にある(山谷)「きぼうのいえ」だそうです。

 ホームレスや日雇い労働者の方々の最期の看取りをしている施設が実際にあることをこの映画で知りました。

 私は、大学3年生の年末年始を大阪の釜ケ崎で過ごしました。ホームレスや日雇い労働者の方々が集まる通称「三角公園」と呼ばれる場所で正月を迎えました。

 公園にはステージがあってカラオケ大会も行われていました。私は飛び込みで参加して「兄弟船」だったか何かの演歌を歌ったことを思い出します。

 カウンターだけの居酒屋で、「自分は、朝鮮戦争で亡くなった人たちの遺体を処理する仕事をしていた」とか「原発の原子炉を作る仕事をしていた」とか話してくれる日雇い労働者の方々とお話したことを昨日のように思い出します。

 今日の不況で、日雇い労働者の方々の生活は大変な状況であることは安易に想像がつきます。それを支える仕事をされている方々に敬意を表します。

 ぜひ、ホスピスを見学してみたいと思いました。公的な援助も当然必要だと思いました。

 このような事実を知ったことに対しても、山田監督に感謝する一日です。

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