1月10日付けのしんぶん赤旗日曜版で参議院議員の小池あきらさんと作家の重松清さんの対談が掲載されていました。
重松清さんは私の大好きな作家の一人です。彼の作品の中では「定年ゴジラ」に泣かされました。
急に彼の作品を読みたくなり、「くちぶえ番長」を読み始めました。
ツヨシが小学校の頃を思い出す作品です。ツヨシが4年生の時、クラスにマコトが転入して再び転校していくまでの物語です。
私は、小規模校だったので、転校生は少なかったのですが、思い出はあります。
私の転校生の思い出はT君のことです。
T君は小学校2年生の時に私たちの学校から転出していきました。T君のお父さんが農作業中の事故で亡くなられたことが転出の理由だったと記憶しています。
T君とは、幼稚園1年と小学校1年の2年間だけの繋がりですが、様々な思いでがあります。
T君は背が高く、声が高い子どもでした。どちらかと言うといじめられっこに属していたのかも知れません。
冬に雪が降って雪合戦になった時、T君はいつも標的になっていたように思います。
幼稚園の時に、冬は、弁当を保温機に入れていました。ある日、その機械が壊れて、みんなの弁当が食べられなくなりました。
T君が戸を開けた時に、機械がボンと音を立てて壊れました。機械が壊れたのはT君のせいだとT君は責められました。
今でもT君の小学校1年生の頃の顔を思い浮かべます。そして、T君が責められている姿を思い浮かべます。
私は、T君が可哀そうだと思いながら、責める側には付かなかったけれど、守る側にも付かなかったように思います。
そして、45歳になったT君はどこで何をしているのだろうと思います。
そうそう、大学生の時に、私がT君の思い出を詞にして、先輩が曲をつけて一つの作品が出来たことを思いだしました。
「ひょうろりとした体に 不似合いの高い声」こんな書き出しでした。
これも懐かしい思い出です。
重松清さんの「くちぶえ番長」は、誰もが通過した小学生の時代に、皆さんを連れ戻してくれる名著です。
心がキュンとして暖かくなる作品です。今年は少し、重松清さんの作品も少しづつ読んでいきたいと思いました。
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