18日のしんぶん赤旗日刊紙は、自治体学校での中山徹理事長の講演の内容を次のように報じました。
「第67回自治体学校が7月26~27日、東京都で開かれ、中山徹自治体問題研究所理事長が、『地方自治と地域、この1年から考える』と題して基調講演し、『戦争できる国づくり』の実態や、平和・共存に向けた自治体の役割を強調しました。その趣旨を紹介します。日本は2015年の安保法制以降、急速に『戦争できる国』へと進んでいます。従来、日本政府の公式見解では憲法9条があるから集団的自衛権の行使はできないとされてきましたが、安保法制により一定の条件でこれが認められると解釈され、戦後の日本にとって大きな転換点となりました。安保法制の実質化が図られたのは、22年の安保3文書改定です。一つは敵基地攻撃能力の保有。敵基地の定義はあいまいで、軍事基地だけでなく相手国の政府機関も含まれます。防衛予算の国民総生産(GDP)比2%への倍増も明記されました。安保法制以降、南西諸島を中心に自衛隊基地の建設が進んでいます。16年には与那国駐屯地(沖縄県)、19年には宮古島(同)、奄美大島(鹿児島県)、23年には石垣島(沖縄県)にミサイル部隊を配備した駐屯地が建設されました。馬毛島(鹿児島県)では30年までに滑走路2本を備えた基地が整備され、米軍の空母着艦訓練(FCLP)にも使用されます。すでに今年度予算で1兆円以上の整備費がついています。佐賀駐屯地(佐賀県)が25年7月に開設され、南西諸島に近いとの理由で、自衛隊のオスプレイ17機が木更津駐屯地から移駐。呉市(広島県)では自衛隊だけでなく、無人機などの製造を担う民間企業も誘致した複合防衛拠点の計画が進んでいます。『特定利用空港・港湾』の指定が全国で進み、平時は自衛隊が訓練で使用し、有事に部隊を展開します。21年に制定された土地利用規正法では、防衛上の理由から防衛施設周辺1㌔が注視区域・特別注視区域に指定され、土地や建物の利用状況が調査されます。自衛隊に対する機能阻害行為には勧告・命令が発動され、所有権移転には事前届け出が必要です。自治体が決定する従来の都市計画とは異なり、内閣総理大臣に権限があります。国は有事を想定した避難計画を策定しており、沖縄県の先島諸島(宮古市、石垣市など)では、住民・観光客12万人を6日間で九州や山口県に避難させる計画が進行中です。県外避難まで待機する特定臨時避難施設(避難シェルター)の整備もすでに進んでいて、国の補助率90%というから驚きです。」
記事の内容に沿うと、県内では、山口宇部空港が特定利用空港の指定を知事が受け入れました。
また、特別注視区域に、県内では、岩国基地などに続いて、山陽小野田市の宇宙監視レーダーが新たに指定されました。
有事を想定した避難計画では、石垣市の住民の避難場所として山口県が指定されています。
その上で、今日は、記事の最後にある有事を想定した避難施設について、これまでに分かったことを報告します。
昨年6月18日付の内閣官房副長官補が「武力攻撃を想定した避難施設(シェルター)の確保等の取組について」という資料に、避難施設の内訳が書かれています。
避難施設には、①緊急一時避難施設に指定されていない避難所等②緊急一時避難施設③特定臨時避難施設ーがあります。
緊急一時避難施設とは、「爆風等からの直接の被害を軽減するための一時的な避難に活用する観点からの、コンクリート造り等の堅ろうな建築物や地下街、地下駅舎等の地下施設」と規定されています。
特定臨時避難施設とは、「武力攻撃災害から人の生命及び身体を保護するために必要な機能を備えた一定期間避難可能で堅ろうな避難施設」と規定されています。
尚、特定臨時避難施設は、新規とされています。
内閣府などの資料に、昨年4月1日現在の各都道府県ごとの避難施設の内訳があります。
これによると、県内に緊急一時避難施設が920カ所(この内、地下施設134カ所)あり、緊急一時避難施設に指定されていない避難所等が405カ所あります。
宇部市では、市内の小中学校やふれあいセンターや一部公共施設が緊急一時避難施設に指定されています。
特定臨時避難施設を県内でどのように検討しているかは、昨日付けで、県総務部に照会を行いました。回答が届き次第、報告します。
調べれば、調べるほど、県内で「戦争できる国づくり」の具体化が進んでいることに驚がくします。
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