議員日誌

小公女

 昨日の国吉先生のお話の中で、先生は「小公女」を推薦されました。

 書店に行きましたらポプラポケット文庫版の小公女があり、先ほど読了しました。

 「小公女」はアニメ「小公女セーラ」でも有名ですが、どちらも出会う機会がなく、新鮮な気持ちで読みました。

 読み終わって主人公のセーラ(ポプラ版ではセアラ)の生き方に「品格」を感じました。

 城山三郎の本に「粗にして野だが卑ではない」という元国鉄総裁の石田禮助氏の生涯を描いた作品があるのを思い出しました。

 ポプラ版の訳者である秋川久美子さんはあとがきで、「お金持ちだったころにも、自慢したりせず、(中略)ひどくつらい目にあっているときに、かわらずやさしく礼儀正しく」とセアラを評しています。

 このセアラの姿が胸を打ちました。作者のバーネットも、イギリスで生まれ、父が亡くなりアメリカに移り、母も亡くなるという経験の持ち主のようです。

 物語は19世紀の終わりころです。エンゲルスが「イギリスにおける労働者階級の状態」を書いたのが1845年ですので、この物語は、マルクスやエンゲルスが生きたイギリスを描きだしています。

 物語では、召使いのベッキーやパン屋に雇われたアンなど、セアラの悲劇とは比べようが出来ないほどの極貧を生きる少女の姿が写し出されています。

 19世紀の終わり頃は、資本主義が発展し、恐慌がヨーロッパ各国で広がった時期です。この中で、階級の格差が確固としたものになった時代です。

 その頃の時代背景を感じることが出来ることも「小公女」を読む、もう一つの醍醐味でしょうか。

 バーネットの作品を読んでみることにします。

 インターネットで調べていますと、「カラマーゾフの兄弟」で一躍有名になった光文社古典新訳文庫にバーネットの「秘密の花園」があることを見つけました。

 次はこの本を読んでみようと思います。

 皆さん、バーネットの作品についての感想などをお聞かせください。

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