山口県保険医協会山口支部主催の県民公開講座に今日は参加しました。この土日は、医療問題を考えるいい機会になりました。
講師は、「朝日訴訟」の朝日家へ養子縁組された朝日健二さんです。自らも「あと二才で後期高齢者だ」と言われていましたが、はつらつとした講演でした。
様々なことを学んだ学習会でした。一つは、前期高齢者の方々に、特定保険料を徴収するという問題です。その中身は、①前期高齢者納付金②後期高齢者支援金③退職者給付拠出金④病床転換支援金です。特に最後の「病床転換支援金」は、病床の削減にかかる費用です。その費用を高齢者の方々に拠出させる制度を作った厚生労働省の官僚の発想に首を傾げます。さすがに、後期高齢者医療制度の中には、病床転換支援金は含められなくなったようですが。
また、後期高齢者医療制度を設けた国の考え方の文章を見ると「いずれ避けることのできない死を迎える」「高齢者自らが医療サービスを自分の生活に合わせて選べるという選択の余地を拡大」などと書かれてあるそうです。この考え方は、「非情冷徹、病理解剖学的な視点と発想」であると朝日氏は批判しました。「人間回復への生命力、精神力をいかに支援するかといった視点が微塵も感じられない」とも述べました。
この考え方を元に今回の診療報酬の改定で、6000円の「後期高齢者の継続的な管理」という項目が設けられました。この中に、総合的評価(年1回程度)があります。基本的な日常生活能力、認知能力、意欲、情緒や気分等を見るというものです。これこそ、先ほどの厚生労働省の考え方を具現化したものです。後期高齢者へは、必要充分な治療を行うことより、経過を見ること重要だと言わんばかりの診療報酬だと言えます。
更に、境界層減免制度について学びました。標準負担額の軽減を受けてもなを手元に残るお金が保護基準を下回る場合は、「境界層減免制度」を利用する方法があるそうです。このような場合は、市町の国保課を通じ、保護課に行って「減免が適用されれば保護の必要がない」として保護を却下してもらいます。そして、保護課で「減免適用該当」の証明書を交付を受け、国保課で減免申請の手続きをすすめるという方法らしいのです。
様々な問題点や新しい視点をいただきました。講演の後のディスカッションでは、会場の高齢者の方々から熱烈な意見が相次いで出されました。後期高齢者医療制度は、やはり、再度の大幅見直しを行うか、やっぱり、中止・撤回するしかないことを痛感した学習会でした。
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ありがとうございました。
by 朝日健二 — 2008年3月9日 21:12 PM
お忙しい中おいでいただいていたとは存じませんでした。的確な紹介記事を載せていただきありがとうございました。山口県保険医協会から参加者の感想文をいただきましたが、皆さんの真剣な受け止め方に私は感激しました。これからも国民医療を守るため、皆様と共に努力して参りたいと思います。朝日健二
by 朝日健二 — 2008年3月9日 21:16 PM