滝本智行監督の映画「去年の冬、きみと別れ」を観ました。
原作は中村文則さんの同名作です。
原作を読んでいたんですが、原作の全体像を掴みきれないまま、映画館に向かいました。
原作の文庫本には、映画の紹介があり、大文字で「すべての人がこの罠にハマる」とありましたが、映画後半は、「そうだったのか」とスクリーンに向かって小さな声を出してしまいました。
映画のパンフレットで滝本監督がインタビューの最後に「結果がわかった上でもう一度観ていただくと、また別の楽しみ方ができる作品だと思います。是非もう一度劇場でご覧になってみて下さい。」と語っていますが、映画はもう一度観に行けないと思いますが、「結果がわかった上でもう一度」中村文則さんの原作を読んでみたくなりました、
同じく映画のパンフレットに原作者の中村文則さんが「個人的に驚いたのは、この作品って王道のメジャー映画なのに深さを失っていないのがすごいなということ。僕の小説は純文学ですが、純文学が大手配給映画になることってあまりないような気がするんです。僕自身映画ファンだからこそ、これまでの日本映画にあまりなかったような作品がリリースされていくのは喜びです。」と語っています。
中村文則さんの原作が映画化されるのは、この作品を入れて、今年だけで後二つあるようです。
中村哲平監督による「悪と仮面のルール」。武正晴監督による「銃」。
これらの作品も観てみたいと思います。
「僕はきみから別れを告げられてても、まだ別れた気がしなかった。本当にきみと別れたのは去年の冬だ。あの日、僕は僕であることをやめた。」
この言葉にこの映画のすべてが凝縮されています。
主役の岩田剛典さんは、「きみと別れ」る前と後を見事に演じ切っていました。
今後が大いに期待されます。
スクリーンから目を離せない見応えのある映画でした。
滝本監督と原作者の中村文則さんに感謝いたします。
やっぱり映画はいいですね。
映画館でスティーヴン・スピルバーグ監督の映画「ペンタゴン・ペーパーズ」のチラシを観ました。
3月30日からロードショーです。今度は「ペンタゴン・ペーパーズ」を観たいと思います。
滝本監督ファン、中村文則ファンの皆さんお勧めの作品をお教え下さい。
HNKラジオ「すっぴん」でパーソナリティーの高橋源一郎さんが奥野修司著「魂でもいいから、そばにいて 3・11後の霊体験を聞く」という本を紹介していました。
今、その本を読んでいます。
私は、霊を信じない方です。真宗門徒ですが、真宗は、縁起の良し悪しなどを問題にしない宗派なので、取り分け、霊のことはよくわかりません。
作者の奥野さんは、宮城県の医師・岡部健さんから震災で家族を亡くした遺族の霊体験を聞き「近代科学は、再現性があることが原則でしょう?幽霊話はどうも・・・」と感じたと書いています。
その上で、遺族に取材を重ねた奥野さんは、次のように書いています。
「これから僕が書こうとしているのは、こうした『不思議な』としか形容できない物語ばかりである。誰にでもわかるという普遍性がないから、それを信じまいと僕はかまわない。再現性もないから、それは正しいかどうかを証明することもできない。ただ僕なりにその人の体験がたしかであろうと判断したものをここでご紹介するだけだ。事実であるかもしれないいが、確実なのは、不思議な体験をした当事者にとってそれは『事実』であるということである。」
妻と次女を震災で亡くした宮城県の亀井繁さんは、こう語っています。
「私にとって何が希望かといえば、自分が死んだときに妻や娘に逢えるということだけです。それには魂があってほしい。暗闇の向こうに光があるとすれば、魂があってこそ逢えると思うのです。それがなかったら、何を目標に生きていけばいいのですか」
これからどう生きていけばいいのか悩んでいた繁さん。
妻が夢の中でこう語ります。「いまは何もしてあげられないよ。「でも信頼している」「急がないから」「待っている」
繁さんはこの時の体験を次のように語ります。
「妻が言ったその言葉の一つ一つがすごくわかるし、何よりも『信頼している』と言われたのがすごく嬉しいんです。とくに『待っている』というのは、私にとっては究極の希望です。みなさんの言う希望は、この世の希望ですよね。私の希望は、自分が死んだときに最愛の妻と娘に逢えることなんです。死んだ先でも私を待っていてくれるという妻の言葉こそ、私には本当の希望なんです。いつか再開できるんだという一縷の希望が持てたからこそ生きてこられたと思います。」
作者の奥野さんは、「東日本大震災の死者・行方不明者1万8千余ー。」「死者・行方不明者1万8千人という数字も、縁のない人間には、やがて時間とともに無機質な記号になっていくことだろう。妻や子供はいたのだろうか、最愛の人はいたのか、どんな音楽を聴いていたのか、なにもわからないまま記号だけが人から人へと伝えられていく。生きていた1万8千人には1万8千通りの物語があったはずだ。遺された人にも1万8千通りの、いやそれ以上の物語があったはずだ。不思議な体験も、この物語とつながっている。この不思議な体験を聞き取ると同時に、生き残った者が、彼岸に逝った大切な人との物語をどうやって紡ぎなおそうとしたのか、できるだけ多くの記録しておきたい。」と書いています。
私は、東日本大震災発災の三か月後に、岩手県に災害ボランティアに行った経験があります。
一面に瓦礫が散乱した被災地を歩いた体験をこの本を読みながら思い返しています。
「生き残った者が、彼岸に逝った大切なあの人との物語を紡ぎ直している。」
亀井繁さんの体験を始め、この本から一つでも多くの物語を読み、東日本大震災の記憶を私の中に留めたいと思います。
東日本大震災と東京電力福島原発事故から7年が経過したこの日を迎え、あらためて犠牲となられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災者の皆さんにお見舞いを申し上げます。
復興に向けて件名の努力を続けておられる被災者のみなさん、自治体のみなさん、そして、被災地への支援を続けておられるみなさんに心からの敬意を表します。
今日、東日本大震災から7年を迎えます。みなさんの想いをお教えください。
昨日の毎日新聞は、「米軍厚木基地(神奈川県)の空母艦載機部隊の岩国基地(山口県岩国市)への移駐が本格化した昨年12月~今年2月、岩国市が基地滑走路の南北2カ所に設置した測定器が70デシベル以上記録した回数が4066回に上り、前年度同期(1756回)の2・3倍となったことが分かった。騒音対策で滑走路を沖合約1キロに移設した2010年度以降の同期比で最多で、住民が懸念する移転による騒音悪化が裏付けられた形だ。」「70デシベル以上は日常生活でうるさいと感じる『騒々しい街頭』レベルに当たり、17年度同期は北側1930回、南側2136回の計4066回記録した。過去の測定回数は、騒音軽減のため滑走路を沖合に移設した10年度以降では、同年度の計2875回が最多で、11年度から16年度は1000~2000回台と減少傾向だった。沖合移設前は08年度計5363回、09年度計6201回。17年度は4000回台だったため、沖合移設前の状況に近くなっている。」「住民から、山口県や岩国市、岩国基地で構成する『岩国日米協議会』で騒音問題を協議するよう求める声が出ている。しかし行政側は『(米軍とは)さまざまな機会に必要な情報交換をしている』(村岡嗣政山口県知事)などとして、協議会の開催に消極的だ。」と報じました。
山口県は、艦載機部隊の移駐に関して、基本姿勢として「今以上の機能強化は容認できない」とし。基本スタンツとして「これ以上の負担増は認められない」と県民に説明してきました。県は、「防衛省作成の騒音予測コンター(分布図)によっても、生活環境は全体として現状より悪化するとはいえない。よって機能強化ではない」「国からは『米軍再編について、これ以上の負担増をお願いする考えはない』と回答をもらった」などとして艦載機部隊の移住を容認しました。
しかし、現状では、艦載機部隊の移駐が始まった17年度、沖合移設後最大の騒音を記録しているのです。
これは、防衛省の「生活環境は全体として現状より悪化するとはいえない。」としてきた説明が間違っていたことを意味します。
つまり、艦載機部隊の移駐により基地機能の強化が起こったという結果は明らかです。
防衛省は、騒音の現状を認め、空母艦載機部隊の岩国移駐は、「機能強化」であったことを山口県や岩国市に謝罪し説明すべきです。
山口県・岩国市は、機能強化があるのなら空母艦載機部隊の受け入れをしないとしてきた県民市民との約束に立ち返り、今からでも空母艦載機部隊の受け入れを拒否する姿勢を明らかにすべきです。
巨額の交付金を受けているので、山口県も岩国市も国に何も言えないというなら、何のための基本姿勢や基本スタンツだったのかが問われます。
基本姿勢・基本スタンツは、県民・市民の批判をかわすポーズで、県も市も国にただただ押し切られた格好です。
騒音に苦しんでいる住民に寄り添い「生活環境悪化」の騒音を取り除くにはどうしたらいいかを基地・国・県・市が直ちに協議すべきです。
騒音軽減の抜本策は「空母艦載機岩国受け入れ」の撤回にあることは明白ではないでしょうか。
空母艦載機移駐後、騒音が増大しています。皆さんはこの問題はどうお考えですか。お教え下さい。
本日、宇部市内の市立中学校で卒業証書授与式が行われました。
私は、厚南中学校の第71回卒業証書授与式に出席し、PTA会長挨拶を行いました。
私の挨拶の要旨は以下の通りです。
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卒業生の皆さんご卒業おめでとうございます。
宇部市教育委員会の方を始め多くのご来賓の方々のご出席をいただきましたことに感謝申し上げます。
保護者の皆さまに置かれましては、子どもさんの成長を目の当たりにされ、感慨もひとしおのことと存じます。
先生方に置かれましては、卒業生を今日まで指導していただきましたことに感謝を申し上げます。
卒業生の皆さんに、星野道夫著「旅をする木」を紹介します。星野道夫さんは、アラスカに住み、アラスカの自然を写真と文章で発表した方です。
「旅をする木」から「ルース氷河」というエッセイを紹介します。
ルース氷河は、アラスカ山脈南面に延びる氷の河です。ルース氷河にある岩小屋に、星野さんの日本の友人とともに子どもたちがやってきます。岩小屋の周り一面にオーロラが広がります。反抗期の高校生I子は、「どうしていいのかわからないのか、空を見上げながらしきりに雪の上を歩き回って」います。進学校に通う中学生のTは「一人で雪の上に腰をおろし、じっと光を見つめて」います。ガキ大将のKは「オーロラをしっかり見たのか、山小屋の中でせっせとストーブにマキをくべて」います。
星野さんは、子どもたちを見つめながらこう書いています。
「ルース氷河は、岩、氷、雪、星だけの、無機質な高山の世界である。あらゆる情報の海の中で暮らす日本の子どもたちにとって、それは全く逆の世界。しかし何もないかわりに、そこにはシーンとした宇宙の気配があった。氷河の上で過ごす夜の静けさ、風の冷たさ、星の輝き、情報が少ないということはある力を秘めている。それは人間に何かを想像する機会を与えてくれる。」
この文章が書かれたのは1993年です。今から約25年前です。卒業生の皆さんは、この当時よりも更に「情報の海の中に暮らす」日々です。
オーロラを観ることは難しいけれど、スマホを置いて、「想像する機会」を意識して作ってほしいと思います。
卒業の皆さん、あなたの人生の主人公はあなたです。輝かしい未来を切り開いて行ってください。卒業生の未来に幸あれと願い私の挨拶とします。
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宇部市内で中学校を卒業した皆さんおめでとうございます。
卒業生の未来に幸多かれと願います。
日本共産党の志位和夫委員長は7日、談話「南北首脳会談開催合意を歓迎し、米朝対話の開始を求める」を発表しました。
志位委員長の談話は以下の通りです。
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南北首脳会談開催合意を歓迎し、米朝対話の開始を求める
――日本政府は「対話による平和的解決」を促進する立場にたて
2018年3月7日 日本共産党幹部会委員長 志位和夫
一、文在寅・韓国大統領の特使と北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の会談の結果、南北首脳会談を4月末に開催することで合意した。ホットライン開設などその他の合意された措置とあわせ、朝鮮半島の緊張緩和に向けた重要な動きとして歓迎する。
一、韓国側の発表によれば、北朝鮮側は、「朝鮮半島非核化の意思を明確」にし、「北朝鮮に対する軍事的脅威が解消され、北朝鮮の体制の安全が保証されれば、核を保有する理由がない」とのべた。さらに、「非核化は先代(金日成国家主席と金正日国防委員長)の遺訓」と述べ、「非核化問題の協議および米朝関係正常化のために、米国と虚心坦懐な対話を行う用意」があることを表明した。
これに対して、米国のトランプ大統領は、南北の合意について、「非常に前向きだ。それは世界にとって良いことだ」と肯定的に評価した。同時に、米朝対話については、「平和的な道を行きたい」としつつ、「事態を見たい」としている。
日本共産党は、北朝鮮をめぐる危機を打開し、核・ミサイル問題の解決をはかるために、米朝が直接対話に踏み出すことを繰り返し求めてきた。今回の南北の合意を契機に、米国が北朝鮮との直接対話に踏み出すことを強く求めたい。
一、日本政府は、これまでの対話否定・軍事一辺倒の頑なな態度をあらため、いま生まれている北朝鮮問題の「対話による平和的解決」をめざす動きを促進し、それを実らせる立場にたち、あらゆる外交努力をはかるべきである。
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憲法9条を持つ国として、日本政府は、北朝鮮問題の平和解決の先頭に立つべきです。
北朝鮮問題の平和解決は、東アジアの平和構築につながります。
南北首脳会談開催が合意されました。皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
妻の職場のツアーで長崎ランタン祭りに行ってきました。
長崎新聞社に勤務する大学時代の友人から2月24日付の長崎新聞を受け取りました。
24日付長崎新聞には、共同通信の調査結果が次のように掲載されていました。
「大規模病院で違法残業が残業代未払いが相次ぎ発覚している問題で、高度医療を担う全国85の特定機能病院のうち、7割超の64病院で労働基準法違反があったとして労働基準監督署が是正勧告し、少なくとも28病院で複数回の勧告をしていたことが23日、明らかになった。」
「共同通信が2013年~17年の関係資料を入手した。藤田保健衛生大病院(愛知県)など5病院に関しては勧告が4回繰り返され、労使協定(三六協定)の未締結や労基署への無届けを指摘された病院も6病院あった。勤務医らの長時間労働の根深さが裏付けられ、医師の働き方改革の議論に影響がありまそうだ。」
「4回勧告があったのは藤田保健衛生大、奈良県立医大、山口大、愛媛大、長崎大の各病院。長崎大学病院は、時間外労働に関する労使協定の上限時間(月80時間)を超える月95時間の残業をさせたなどとして13年3月に是正勧告を受け、17年6月までほぼ毎年、違法残業か割り増し賃金の未払い勧告を受けた。未払い分は既に支払った。」
山口大学が、どのような違反をして勧告されたのかは分かりませんが、少なくとも4年連続で、労総基準監督署から残業を巡り労基法違反の勧告を受けていることは事実のようです。
医療現場では、過密労働は医療事故に直結する重大問題です。
山口大学では勧告内容が是正され、労働者の働く環境が改善されるように望みます。
同時に、医療従事者の働き方を改善させる国による施策の充実が求められます。
しかし、2月20日に衆議院予算委員会で日本共産党の高橋千鶴子衆議院議員が指摘しているように、安倍政権が今国会に提出しようとしている「働き方改革」関連法案に盛り込まれている時間外労働の上限規制が、医師に5年間が猶予される内容だということは大問題です。
高橋議員は、労働時間が過労死ラインに達する65時間以上の割合が、医師は全職種に比べて際立って高い水準にありことや、医療機関の「36協定」で救急医療対応などを理由に、過労死ラインを超える月200時間、年2000時間などの特別条項が結ばれ、それでも守られていない例を紹介しました。
高橋議員は、「猶予ということは5年以上月200時間や年2000時間の労働がいいことになる。それで許されるのか」と質しました。
高橋議員は、地方に定着しはじめた医師の増員枠を現場よう要望に応えて増員することも必要だと指摘しました。
時間外労働の上限規制を過労死ラインを超える状況であること議案内容を見直し、過労死ライン以下にし、定めた上限規制は医師にも、直ちに適用する。そして、地方の医師を更に増やす対策を強め、全国の病院で働く医師の労働条件を改善していくことが必要です。
医師が劣悪な労働条件で働かされている現状をどうお考えですか。 皆さんのご意見をお聞かせ下さい。