議員日誌

県議会厚生委員会県内視察

 昨日と本日、県議会厚生委員会の県内視察に参加しました。

 昨日は、まず、萩市が運営する 「エコプラザ・萩」を視察しました。ここは、ペットボトル、プラスチック製容器包装、紙製容器包装をそれぞれ、圧縮し梱包する施設でした。梱包後は、全量資源化されていました。資源化の相手は、「容器包装リサイクル協会」で、ペットボトルの中国など海外への流出は萩市ではないということでした。

 次に県立萩看護学校を訪ねました。看護学校では、学生の応募状況が報告されました。第一看護学科は、H16年に183名の応募があったものが、H20年は、121名に、第二看護学科は、H16年に72名の応募があったものが、H20年は48名に減少していることが明らかになりました。

 背景には、少子化の影響もあるでしょうが、介護職と同様、劣悪な看護職場の状況が反映しているのではないかと思います。診療報酬の引き上げや看護体制の充実など、看護師の労働条件の向上が不可欠だと感じました。

 フジミツ株式会社では、「地域連携型廃油リサイクルプロジェクト」が報告されました。フジミツでは、大量に発生する植物性廃油を清浄し、鉱物燃料と混合させた、リサイクル燃料で自社のボイラーを稼動させていました。フジミツは、この取組みを発展させ、長門エリアで、企業や家庭から廃油を回収し、リサイクル燃料を製造し、販売することを提案していました。現在、長門市などへ具体的に提案を行っているそうです。原油高騰の中、この提案は、企業や家庭へのメリットと地球環境保全へのメリットが二重に実現できるプロジェクトであり、私は、興味深く感じました。

 昨年、県議会厚生委員会で山形県を訪ね、ヨコタというトレー製造メーカーを視察しました。この会社は、自社のトレーを会社周辺地域のトレーを集めることで再生し製造するという「トレートウトレー」プロジェクトを提案し、実行していました。

 この事業は、山形県が積極的に関与し、県のモデル事業として推進していました。このような取組みを山口県で出来ないものかと考えていましたが、扱う商品は違うけれども、フジミツの提案は、山形と同じような先駆的取組みにしていくことが出来ると感じました。 フジミツの取組みを山口県としても支援すべきだと感じました。

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植物性廃油を洗浄し、鉱物燃料に混合するシステム

 今日は、特定非営利活動法人ゆや棚田景観保存会を訪ねました。この団体は、H17年に設立された油谷の棚田を維持していく団体です。4年目の今年は、東京都の高校の修学旅行を受け入れるなど活動が充実していました。しかし、活動を維持していくために借りている旧文洋小学校の耐震化など施設や設備の維持が大きな課題だと語られました。NPO活動に対して設立から事業継続まで支援する県制度を更に拡充する必要性を感じました。

 次に、下関市社会福祉協議会菊川支所が運営する地域共同ホーム中村さん家を訪ねました。この施設は、赤ちゃんからお年寄りまで障害の有無に関わらず受け入れる施設として幅広い活動を展開していました。介護保険下のデイサービス事業、子どもの放課後預かり事業、青年の自立支援事業、障害者のデイサービスなど、地域のニーズにほとんど対応できるメニューを持っていました。しかし、運営資金の確保は大変なようで、8名の職員の内、正職員は一人ということでした。

 そこで、施設側から要望が数点だされました。一つは、放課後児童クラブ事業を規模が小さくても補助がされるようにしてほしいというものです。二つ目は、高齢者や障害者がともに生活できる多機能型グループホームへ補助がされるようにしてほしいというものです。三つ目は、県が、「中村さん家」のような取組みを支援してきた「総合・循環型福祉サービス推進モデル事業」が平成19年で終了しているが、後継の事業を創設してほしいというものです。

 地域の人が住んでいる地域で様々な福祉サービスを受けることができるこのような取組みは、極めて重要だと思います。これらの取組みが安定して運営できるようにするために、提案された要望はどれも必要なものだと感じました。これらの願いが山口県で実現できるように、私も早速、9月議会で県に提案していきたいと思います。 

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 中村さん家は、古民家を改築された施設でした

 最後は、社団法人やまぐち食の安心・安全研究センターを視察しました。この施設は、JAとコープやまぐちが中心になり運営しているものです。主な事業は、コープ商品やJAの生産物の自主検査です。私は、事業内容に、「食の安心・安全に係わる調査研究に関する事業」とありましたので、調査研究の実績をお訊ねしたところ、取組みはこれからだということでした。山口県では食の安心・安全に関わる条例が制定されようとしています。この条例に、この研究センターの経験が反映される必要を感じました。更に、今後、条例を推進していく上で、研究センターの調査研究が役立つようになればと感じました。

 二日間でしたが充実した研修となりました。どの問題も今後の県政に生かしていきたいと思いました。

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