テレビ朝日開局60周年記念ドラマスペシャル「白い巨塔」が22日から5夜連続で始まります。
主人公の財前五郎役は、岡田准一さん、メガホンを取ったのは鶴橋康夫監督です。
鶴橋監督が、19日付のしんぶん赤旗日曜版でインタビューに答えています。
鶴橋さんは、この作品のテーマを次のように語ります。
「レームダック(死に体)になった退官寸前の医学部教授と、その後釜を狙う准教授の跡目争いです。仁義なきたたかいで現ナマが飛び交い、カルテの改ざんをする医局員まで出てくる。山崎さんの洞察力は今に置き換えても違和感がない」
この作品は大学病院を描いたものですが、今の政治状況も同質ではないでしょうか。権力を守るために「ウソと忖度」を行う政治状況は、今と共通しています。この辺りが本作品の見どころのようです。
原作である、山崎豊子さんの「白い巨塔」を再読しています。
権力に溺れた財前と患者を救うことだけが生きがいの里見。二人の対比がこの作品の陰影を深くしています。
鶴橋さんは、この点を次のように語っています。
「彼らは何を考えながら生きていたのか。里見はオンリーワンをめざし、財前はベストワンをめざした。その財前が最後にすがったのが里見との友情。人間は一人で生きられない。無私になれ、ということでしょうか。」
山崎豊子さんの「白い巨塔」の一巻で、里見に対して財前がこう諭す場面があります。
「大学の医学部内ではたとえ、教授の診断が間違っていても、それに批判を加えたり、訂正することは禁句にされているじゃないか、たまたま、教授より助教授の方が優れていることが、公に知らされることすら、ここではいけないのだ。」
財前に対して里見が諭す場面もあります。
「君は、せっかく優れた実力をもちながら、学問以外の事に興味を持ち過ぎるよ」
学問以外の事に興味を持ち過ぎた財前は、学問一筋の里見にすがります。
「人間は一人では生きられない。無私になれ」。この事を22日からのドラマで学びたいと思います。
原作を読み返しながら、22日からのドラマを楽しみにしています。
山崎豊子さんの原作は、社会の本質を鋭く描く力が今もあります。
これからも山崎豊子作品から学んでいきたいと思います。
「白い巨塔」は、繰り返し映像化されてきました。皆さんは、いつの「白い巨塔」が印象に残っていますか。
皆さんの「白い巨塔」の思い出についてお話下さい。
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