ここ数日、原田マハさんの小説に癒されています。
WOWOWの連続ドラマの原作となった「本日はお日柄もよく」を読み直し、今、「生きるぼくら」を読んでいます。
この小説の裏表紙からあらすじを紹介します。
「いじめから、ひきこもりとなった24歳の麻生人生。頼りだった母が突然いなくなった。残されていたのは、年賀状の束。その中に一枚だけ記憶にある名前があった。『もう一度会えますように。私の命が、あるうちに』マーサおばあちゃんから?人生は4年ぶりに外へ!祖母のいる蓼科へ向かうと、予想を覆す状況が待っていた-。人の温もりにふれ、米づくりから、大きく人生が変わっていく。」
旭爪あかねさんの「稲の旋律」と同じモチーフの作品です。
人生やつぼみが蓼科のマーサおばあちゃんの住む蓼科の人々と出会い、農業と出会い、自立していく様子を原田さんは次のように書いています。
「さなぎの中の幼虫は、目覚めるタイミングを辛抱強く待っている。長い冬を過ごし、春がくれば、殻を破って透き通った羽を広げる。そうして、大空へ飛び立つのだ。」
「すがすがしい山の風景と澄み切った空気に触れるたびに、体中の細胞が喜んでいるような気がする。それは、たまらなく懐かしい感覚だった。幼い頃、この庭に出るたびに、同じような感覚が体中に満たされたのを覚えている。子供のころは、それが何なのか、うまく表現できなかったけれど、まさに『生きている』という感覚だった。ふつふつと泉のように湧き上がり、血液となって前進を駆け巡る。少年だった人生が感じた、生きていること、ただそのことを無条件に喜ぶ、あの感じ。」
私は、現在の宇部市の北部地域である宇部市吉部荒滝で産まれました。
400年以上続く農家の倅です。大自然を遊び相手として育ちました。
今も母と家族とともに3反の米づくりを続けています。
この小説を読んでいると、人生やつぼみの自立をわが事のように喜ぶ自分が見えてきます。
そして、これからも農業を続けていこうという意欲が湧き上がってきます。
4人とも10代になった子どもたちは、中々、農業を手伝わなくなったけれど、子どもたちの体に、吉部での農業体験を息づいていることでしょう。
そして、毎日我が家で食べる米は、吉部で育てた米なのですから。
過疎・過密の問題の解消とともに、人間性の回復のためにも、中山間地域での農業体験が更に注目されることが大いに期待されます。
今年は、雨続きで年末の田起こしが出来なかったけれど、春の田植えに向けて今年も準備に取り掛かります。
農業体験をしてみたいという方は、私にも一報いただければと思います。
さて、この小説を読んでいて益々、原田マハさんのファンになりました。
現在、選考中の今年の本屋大賞。原田マハさんの「暗幕のゲルニカ」がノミネートされました。
「暗幕のゲルニカ」が本屋大賞になることを願っています。
全国の書店員の皆さん、「暗幕のゲルニカ」をどうかよろしくお願いいたします。
「暗幕のゲルニカ」が本屋大賞になることを期待しつつ、未読の原田マハさんの作品を読み進めていきたいと思います。
最新刊の「サロメ」は今すぐに読みたい作品の一つです。
原田マハファンの皆さん。お勧めの作品をお教え下さい。
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