政府は昨日、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に関し、今年3月に施行された安保法制=戦争法に基づく自衛隊初の任務として「駆け付け警護」を盛り込んだ実施計画の変更を閣議決定しました。
日本共産党の小池晃書記局長は昨日、安倍政権が、南スーダンPKOへの新任務付与を閣議決定したことに対し、以下のような談話を発表しました。
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一、安倍政権は15日、南スーダンPKOに派兵している自衛隊への「駆け付け警護」任務付与を閣議決定した。海外での武力行使を禁止した平和憲法を蹂躙し、自衛隊が「殺し殺される」最初のケースになりかねない今回の決定を断固糾弾し、撤回を強く要求する。
一、内線下にある南スーダンでは、今年7月に首都における大規模戦闘で数百人が死亡した後も戦闘はつづいている。安倍政権は「戦闘ではなく衝突だ」などと詭弁を弄して自衛隊派兵を合理化しているが、国際社会でおよそ通用するものではない。閣議決定は、「PKO参加5原則」は維持されていると強弁している。しかし、国連特別調査報告書(1日発表)が、大統領派と前副大統領派が昨年8月に結んだ和平合意は「崩壊」したと断定するなど、その言い分は完全に破綻している。同報告書は国連施設などへの攻撃に政府軍が関与したことも明確にしており、自衛隊に新任務を付与し、「任務遂行」のための武器使用を認めれば、自衛隊が南スーダン政府軍と戦闘を行うという危険極まる道に足を踏み出すことになる。政府は「駆け付け警護」について、「応急的かつ一時的な措置」とし、他国軍人警護は「想定されない」などとしているが、防衛相も他国軍警護は法律上排除されないと明言しているように、いかなる歯止めにもならない。
一、そもそも今日のPKOは、武力を行使しての「住民保護」を主任務とするものに変質しており、憲法9条を持つ日本がとうてい参加できないものになっている。南スーダンから自衛隊は撤退し、憲法の精神に立って紛争解決のための外交努力、非軍事の人道支援、民生支援の抜本的強化を行うことこそ求められている。
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昨日の朝日新聞で伊勢崎賢治東京外国語大学教授は、「自衛隊が宿営地にじっとしていても問題が起きます。南スーダン政府軍に追われた住民が助けを求めたら、宿営地の門を閉めることはできない。南スーダン政府とPKO部隊の関係は悪化しており、住民を追ってきた政府軍と交戦となるでしょう。自衛隊員が、過って住民を撃ってしまったらどうなるのか。憲法9条は交戦権を認めていませんから、日本には軍人の活動を律する軍法も軍事法廷もありません。自衛隊員の責任をどう問うのか、国際問題になるでしょう。」と述べています。
閣議決定で「他国軍人警護は想定されていない」と述べてはいますが、政府軍と交戦になる可能性があるとする伊勢崎教授の指摘を政府は、真剣に検討しなければなりません。
想定外の戦闘が起こる可能性があるのなら、憲法9条・「PKO参加5原則」の立場から自衛隊に新任務の付与は行わず、自衛隊を南スーダンから撤退させるべきです。
安倍政権は、南スーダンPKOへの忍任務付与を閣議決定しました。
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