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映画「ペリリュー -楽園のゲルニカー」を一人でも多くの皆さんにご覧いただきたいと思います。

 昨年12月23日、東京新聞は、映画「ペリリュー -楽園のゲルニカー」について次のように報じました。
 「先の戦争に思いをめぐらす機会が多かった戦後80年の今年、その掉尾を飾るように、太平洋戦争の現実をありのままに描いたアニメ映画が注目を集めている。『ペリリュー -楽園のゲルニカー』(原作・武田一義、配給・東映)。部隊は日本が敗色濃厚になった1944年、ペリリュー島の戦い。日本軍守備隊がたどった過酷な足跡を、ほのぼのとした3等身キャラクターで描く。本作から、現代人は何を感じることができるのか。主人公で21歳の田丸均は、体力や武器の扱いは他の兵士に劣る。しかし、漫画家志望で物語を作る能力を買われ、戦死した仲間の最期を、遺族に送る手紙に書き記す功績係に任命される。それは兵士の『平凡』な死を、米軍に勇ましく立ち向かった末の名誉の戦死などと創作する仕事だった。米軍の上陸作戦が始まると、圧倒的な戦力差に、日本軍はすぐに劣勢に立たされる。守備隊は破滅し、生き残った数十人が島内で米軍の物資を盗んで食いつなぎながら、潜伏を続ける。戦況など知る由もなかったが、ある日、ごみ箱から拾った英字新聞で『日本の敗戦』を知る。これは、真実か、米軍の謀略かー。物語は田丸と、銃の扱いに長けた吉敷佳助の友情を中心に進む。戦闘シーンでは、目の前の仲間が銃弾に倒れて血の海に沈み、爆弾で四肢が四分五裂に吹き飛ばされ、味方の銃の暴発で胸を撃ち抜かれ、無残な姿で次々と死んでいく、キャラの見た目と相反し、実に生々しい。実写なら正視に耐えないが、絵柄のおかげで見続けることができる。日米両軍の迫真の戦いを見つつ、当たり前の事実に改めて気付かされた。国が掲げる戦争の大義など一兵士には何の役も立たない。なぜ、目の前の敵を殺すのか。殺さないと、こちらが殺されるからだ。そして、どんなに美辞麗句を積み上げても、殺した当人には血肉を伴う人殺しであり、国が『功績』と称揚しても、消せない悪夢として残り続ける・・・。各兵士の性格の描き分けも的確で、南国らしい島の自然描写も美しい。先の戦争について日本人が知るべきことを、子どもでも理解することができる。ぜひ親子で観に行ってほしい。本作は、『火垂るの墓』『この世界の片隅に』など国内で戦災に遭った民間人をテーマにしたアニメと違い、加害者である日本軍を率直に描いている点にも感じ入るところがあった。登場する日本兵の多くも、平穏な日常を希求しながら、盧溝橋事件の報道でゅう語句への敵愾心を煽られ、米ハワイ・真珠湾攻撃の報に万歳をする大人に同調した普通の若者だったのではないだろうか。その後、自分が絶望の島に赴くことになるなど、想像すらせずに。鑑賞後、大切なのは、本作を過去の悲劇と思わないことだと感じた。遺骨の収集は続けられる一方、『次の戦争』を容認するかのような不穏な空気もある。本作の登場人物を自分自身に置き換え、印象に残ったシーンで『自分ならあの時どうしたか』と振り返り、知人と語り合うなどして、現代と接続してみたい。」
 私は、前からこの映画を観たいと思いつつ、宇部市内の映画館で上映中だと知り、正月休みの昨日、ようやく観ることができました。記事にある「加害者である日本軍を率直に描いている」点に私も感じ入りました。
 私が、本作で一番、日本軍の本質を描いていると思ったのは、田丸と吉敷が、米軍に投降するシーンです。投降しようとする二人を島田小隊長らが阻止しようとし、吉敷は島田に撃たれ、命を落とします。
 その背景には、1941年に東条英機が陸軍大臣を務めていた時に全軍へ示達された「戦陣訓」があります。
 「戦陣訓」には、「生きて虜囚の辱めを受けず、死して罪過の汚名を残すことなかれ」という一文がありました。
 ペリリュー島に派兵された1万人の内、生き残った兵士たちは、終戦を知らされることなく、1年半以上、武装を解除せず、潜伏を続けていたのです。投降しようとする兵士を日本軍の兵士が殺した背景には、明らかに「戦陣訓」があったと思います。
 しんぶん赤旗日曜版の新年号に、日本共産党の田村智子委員長と元法政大学総長の田中優子さんとの対談が掲載されています。田中元学長は、対談の中で、「明治憲法は、人間は生まれながらに平等で人権があるという『天賦人権説』を排除しました。『国家が人格を与える』という考え方です。」と述べて
います。投降する兵士を日本軍の兵士が殺害した背景には、国家を最優先させる明治憲法があったと思います。
 田中元学長は「国家が人権を与える」という考え方について「高市さんの頭の中も同じ思想です」と高市首相が、排外主義などを助長しようとする政治姿勢を批判しました。
 東京新聞の記事には、「『次の戦争』を容認するかのような不穏な空気もある」ので、この映画を通して「現在と接続してみたい」と書いています。
 私は、この映画は、80年前の戦争の本質を知る、最良の教材だと思いました。一人でも多くの皆さんがこの作品に触れ、主人公を自分に置き換えて、感じていただきたいと思います。
 この映画をご覧になった皆さんは、感想をお聞かせください。

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