昨日、山口宇部空港に近い宇部市恩田ふれあいセンターで、(仮称)山口宇部空港の特定利用空港指定を考える会の準備会が行われ、約50人が参加しました。参加者で、正式に会の発足が確認されました。
(仮称)宇部空港の特定利用空港指定を考える会の冒頭に、基調報告をする私 参加者は会場一杯の50名でした。
私は、会の始めに、基調報告を行いました。私が、昨日お話した内容は以下の通りです。
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(仮称)山口宇部空港の特定利用空港指定を考える会主催の「特定利用空港」ってなに?と題する集いにお集まりの皆さん、只今、紹介を受けました。県議会議員の藤本です。国が、山口宇部空港を特定利用空港に指定する意思を示していることを県が、ホームページで認めたのは、6月12日でした。私は、地元選出議員として、6月県議会、9月県議会の一般質問でこの問題を取り上げてきました。現在、11月県議会の一般質問の締め切りが27日でした。私は、特定利用空港問題を項目に入れています。質問日は、12月2日の午後です。今日出された皆様からのご意見も一般質問に生かしたいと思います。
それでは、資料に基づき報告していきます。まず、2ページ目の特定利用空港指定までの経緯についてです。国が県へ山口宇部空港を特定利用空港の対象にしていることを説明したのは、昨年の10月11日です。国は、宇部市には、今年1月22日に説明しました。県が、国が示した「山口宇部空港における空港の施設の円滑な利用に関する確認事項」を了解すると特定利用空港受け入れを表明したのは8月7日です。国は、8月29日、青森港、青森空港、仙台空港と山口宇部空港を新たに、特定利用空港・港湾指定を決定しました。
3ページ目です。8月29日時点で、特定利用空港が14、特定利用港湾が26指定されています。特定利用空港・港湾を指定する法律などはなく、根拠は、岸田首相が発表した「安保3文書」の内の「国家保障戦略」です。この文書に「有事の際に展開等を目的とした円滑な利用・配備のため、自衛隊・海上保安庁のニーズに基づき、空港、港湾等の公共インフラの整備や機能を強化する政府横断的な仕組みを創設する」とあり、この具体化が特定利用空港・港湾の指定です。
2ページの県と国が交わした文書に「武力攻撃事態及び武力攻撃事態を除く」とあり、有事の場合を除くことが、特定利用空港・港湾指定の前提のように書かれてありますが、有事が前提です。
そのことは、後でも詳しく見ていきます。
4ページからは、私が山口県に情報公開請求し、開示された文書から分かった内容です。まず、昨年12月25日に、宇部市の篠崎市長が、村岡県知事に回答した文書です。
県は、市として「地元」の考え方を聞いています。これに、宇部市は、「騒音協、地元漁協、岬・恩田・常盤地区の自治会連合会、空港近隣自治会の代表者等を想定している」と答えています。
市は、「地元関係団体への説明については、事業主体あるいは施設管理者である国・県において責任を持って実施していただきたい」と要望しました。しかし、県が、地元に行ったのは、今年6月11日、騒音協執行委員会のみでした。県は、9月県議会の私の質問に、「近隣自治会で構成する騒音協に説明した」と市の要望に従わなかったにもかかわらず、開き直る姿勢を示しています。県が地元に説明したのは、十数人程度だったことが、私たちが、今日の場を開催しようと思った最大の理由です。国や県は、今からでも住民説明会を開催すべきです。
5ページ以降は、私が請求し開示された文書の中の「公共インフラ 正式説明(令6.10.11)説明・確認事項」という資料です。これは、県の質問に国が答えたものです。県は、山口宇部空港でどのような訓練が想定されるか聞いています。これに国が、「離着陸に必要な各種資材」と答えています。その上で、例えば、滑走路上で航空機を安全に停止させるために必要な着陸拘束装置(機動バリア)が想定されると答えています。これは、滑走路にワイアーを横断に配置し、戦闘機を急停止させる装置です。昨年11月、錦帯橋空港で、この訓練が実施され、民間機が20分遅れる事案が発生しました。
更に、国は、「展開訓練」の説明として、16式(ひとろくしき)機動戦闘車やPAC―3等)と答えています。
皆さんに、新聞記事を2枚配っていますが、山口民報の下の写真が、16式機動戦闘車は、重装な戦車であり、PAC-3部隊とは、地対空誘導弾のパトリオットミサイルを展開する部隊です。ミサイルと部隊を、山口宇部空港を経由して輸送することも計画されています。特定利用空港でどのような軍事訓練が想定されるのか、国が認めた内容がリアルに分かったということで、10月9日のしんぶん赤旗に大きく報じられました。ゆっくり読んでください。
6ページです。1999年9月県議会で、私が、山口宇部空港について過去米軍のヘリコプターが着陸したことがあり、軍事目的で使用させないように求める質問を行い、当時の土木建築部長が、「軍事目的での使用は想定していない」と答弁しました。県は、この答弁があることを国に確認しています。
私は、9月県議会で、特定利用空港の指定を受け入れることは、1999年の答弁を撤回するのかと質しました。仙石部長は、撤回しないと答えました。私は、着陸拘束装置の使用やPAC-3部隊を空輸する訓練はまさに軍事目的での使用であるので、特定利用空港の指定を拒否すべきだと質しました。
7ページです。国は、あくまでも、平素における空港・港湾の利用を対象にしたものだと答える一方で、「有事において利用することになった場合の自衛隊による空港の利用をイメージ」などとも述べています。
また、攻撃目標になるのではないかとの指摘に国は「本取組を進めることにより、抑止力を高め、我が国への攻撃の可能性を低下させる」と述べています。これは、抑止力論です。日本の攻撃能力を高める一環としての特定利用空港指定だと認める回答でもあります。
赤旗の1面ですが、住民や「民用物」の保護を定めたジュネーブ条約があります。空港を自衛隊が使えば、「民用物」ではなくなります。
つまり、攻撃対象になることは明らかです。
8ページです。米軍の使用についてです。国は、「日米共同訓練による空港・港湾の調整はあくまでも、自衛隊と米軍それぞれが、インフラ管理者と実施するもの」と、米軍の使用を認めています。実際に、特定利用空港の熊本空港には、昨年だけで、米軍機が88回利用しています。
資料9ページです。10月20日から、31日まで、自衛隊の統合演習が実施されました。自衛隊員5万2300人が参加した、過去最大規模のものでした。40以上の民間空港・港湾が使われ、その内、特定例利用空港が4カ所、港湾が10カ所使われました。その一つが、南紀白浜空港です。今年4月に特定利用空港に指定され、小松基地所属のF15戦闘機のタッチアンドゴーが実施されました。
この度の統合演習ではありませんが、特定利用空港の北九州空港で、11月26日、築城基地のF-2戦闘機などがタッチアンドゴー訓練を実施しました。
先ほど指摘したように、県は、山口宇部空港は「軍事目的での使用は想定していない」との立場を堅持していると言います。ならば、この立場から「山口宇部空港での戦闘機のタッチアンドゴー訓練は受け入れられないことを表明すべきだ」と私は、県議会で質問を行う予定です。
10ページです。社民党の福島参院議員が、質問主意書を政府に提出し、政府の回答書が先日公表されました。今年2月現在、特定利用空港・港湾の自衛隊の利用回数が延べ140回以上に及ぶことが分かりました。空港では、平均13回となります。政府の「年数回」と説明を逸脱する利用実態です。また、山口宇部空港で、今年度4億円の予算を使って、①滑走路、誘導路及び照明施設の改良、空港用地の整備、航空保安無線施設の改修等が行われることが分かりました。
私は、この改修は、戦闘機が着陸するための改修ではないかと質していきたいと思っています。
11ページです。国は、沖縄県営の宮古空港、新石垣空港、中城湾港を特定利用空港・港湾に指定したいと打診しています。
玉城知事は、①施設の整備・拡充等に不明な点が残っている②県議会との意見交換になお時間が必要などを理由に、特定利用空港・港湾の指定受け入れを拒否し続けています。
山口宇部空港は県営空港ですから、知事が拒否すれば、特定利用空港にはならなかった訳です。来年2月には県知事選があります。特定利用空港指定を一つの争点にしていきたいと思います。
残念ながら、今日にも明日にも戦闘機の訓練が山口宇部空港で行われてもおかしくない状況となりました。
私たちは、息の長い運動を続けていかなければならないと感じています。一人でも多くの方にこの問題を回りに広げていきましょう。そして、一人でも多くの方が、今日の会議で、事務局や役員を引き受けていただきますようお願いして、最初の話を終わりたいと思います。
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会では、年内に事務局会議を開き、今後のことについて相談することにしました。
会に関心のある方は、私に連絡下さい。引き続き、皆さんのご意見を藤本にお寄せ下さい。
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