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青森県六ケ所村使用済み核燃料工場は、2026年に完成できるのか

 19日、南日本新聞社は、六ケ所村の使用済み核燃料の再処理工場について次のように報じました。
 「青森県下北半島の付け根に位置する六ケ所村(人口約9500人)の中心部に、周辺を森で囲まれた工場団地がある。原発燃料の生産から再処理、廃棄物の管理まで引き受ける「核燃料サイクル施設」だ。九州電力川内原発(薩摩川内市)はじめ全国で原発再稼働が進み、国は原発回帰を鮮明にするが、核燃料サイクルは行き詰っている。10月下旬、地方新聞エネルギー研究会の一員として現地を訪ねた。『世界的に見てもこれだけの施設が1カ所に集まりのは珍しい』。事業者の日本原燃の岡村泰治・地域本部長兼安全・品質本部長(67)は説明する。施設は主に(1)天然ウランを原発で使えるよう濃縮(2)放射能レベルが低い廃液など低レベル放射性廃棄物の埋蔵(3)使用済み燃料の再処理(4)再処理の過程で出る高レベル放射性廃棄物(核ごみ)の一時管理(5)再処理後の新たな燃料生産ーに分けられる。県と村は1984年、電気事業連合会に施設(濃縮、埋蔵、再処理)立地の申し入れを受けた。翌85年に受け入れを決め、今年で40年たつ。5施設は88~2010年に順次着工したものの、稼働したのはウラン濃縮工場、低レベル廃棄物の埋蔵施設、核のごみの管理施設の三つにとどまり、サイクルは完成して完成していない。敷地は鹿児島空港の4倍近い7.5平方キロに及ぶ。各施設は数カ所に分けられ整備され、バスで回巡った。『核物質の管理上、建物に工場名は一切書いていない。外から見ても分からないようになっている』。岡村氏に説明を受けた。低レベル放射性廃棄物を管理する施設は、稼働や点検で出た廃液や焼却灰、金属片をセメントやモルタルで固めたドラム缶(200リットル)を埋設する。最大300万本を埋められ、約38万本を受け入れた。放射能が安全上問題ないレベルに下がるまで、土をかぶせてから約300年間監視する。核のごみの保管施設がある敷地は特に厳重な管理体制だった。指紋登録され、レコーダーの持ち込みは禁止された。核のごみを地下深い岩盤に埋める『最終処分場』に送るまで30~50年間、冷却して貯蔵する。フランスとイギリスで再処理し、戻ってきたガラス固化体1830本を収める。今年4月に最初の持ち込みから30年を迎えたが、処分場は候補地の選定さえままならない。核燃料サイクルの要となる再処理工場はいまだに稼働していない。試験運転や新規制基準の対応でこれまで完成延期を27回繰り返し、1993年の着工から32年が経過。現在も国の審査は続く。日本原燃は2026年度中の完成を目指している。工場では使用済み燃料から、再処理できるウランとプルトニウムを取り出す。年間最大で、100万キロワット級の原発約40基分の使用済み核燃料を再処理する能力を持つという。隣接地では、再処理で回収するプルトニウムとウランを混ぜた混合酸化物(MOX)燃料へ加工する工場の建設工事が進んでいた。10年に着工し、27年度の完成を見込むが、こちらも新基準対応などで完成延長を8回繰り返している。全国の原発では、使用済み核燃料が原発の敷地内や中間貯蔵施設にたまり続けている。竹内謙介地域・広報副本部長(57)は『燃料をここに持ち込み、サイクルを回す姿を描けるよう、しっかり完成させ操業していきたい』と話した。原発施設が集中する青森県の宮下宗一郎知事に、原発施策への考えを聞いた。-原発施設が多い。昨年、国内初の使用済み燃料の中間貯蔵施設も創業した。『青森県は昔出稼ぎ率も高く、地元に仕事をつくる必要があった。大規模工業団地の開発計画もあったが頓挫した。国のエネルギー背策は特別受け付けないという地域ではなかったから、今のような立地状況になった』『中間貯蔵は、核燃料サイクルの進捗状況を毎年度確認し、搬入量を調整することで最大50年の保管期間を達成したい。(出資した東京電力と日本原子力発電以外の)他社と共同利用する可能性は、現地点ではない』-再処理工場は2026年度の完成を目指している。審査状況への認識は。『スケジュールにとらわれるのではなく、安全性を確認した形でクリアしてほしい。仮に審査が1、2回増えても、今までみたいに工場の完成が1、2年延びることはないと思う』-核のごみの最終処分場の候補地のめどが立たない。『なぜ青森だけ再処理から廃棄物を含めて全部やる必要があるのかという議論は、施設を誘致した時からある。負担を分け合うことが必要で、電気だけ使ってその他は考えなくていいというのはおかしな話。大消費地も含め、みんなで考える問題だ。青森県が最終処分場を受け入れないという方針は、県内の市町村も理解している』」
WEB東奥は、昨日、「日本原燃の増田尚宏社長は27日、青森市内での定例記者会見で、使用済み核燃料再処理工場(六ケ所村)の原子力規制委員会審査に関し、2026年5月までに認可を取得したいとの意向を新たに示した。当初は同3月までを目指していたが、審査説明に遅れが生じたため見通しを微修正。26年度中と掲げる工場完成の目標については「何ら変わらない」と強調した。」と報じました。
 六ケ所村の再処理工場が稼働しなければ、中間貯蔵施設は、最終処分施設になります。六ケ所村の再処理工場の動向を今後とも注視していきたいと思います。

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