中国新聞は、14日、河野副議長が、県の高級公用車「センチュリー」で、福祉施設や企業を移動していたことが分かったと報じました。
「山口県議会の河野亨副議長=光市=が、県の高級公用車『センチュリー』で、自身が理事長や顧問を務める福祉施設や企業に複数回移動していたことが関係者への取材で分かった。車両を管理する県は公務外での使用を禁じている。識者は『公用車の私物化が疑われ適切とは言えない』と指摘する。一方、県から車両を借りる県議会事務局は『公務であり適切な使用』としている。県は2013年に1260万円で購入したセンチュリーを皇族や外国の要人を送迎する貴賓車として運用している。県によると20年度以降に貴賓車として使ったのは今年9月末時点で計17日間だけ。貴賓車として使わない期間は県議会に無償で貸し出し、20年購入分は柳居俊学議長、13年購入分は河野副議長の公用車として使っている。河野氏は今年5月12日の県議会臨時会で初めて副議長に選ばれた。複数の関係者によると、河野氏は同13~15日、自宅や県議会棟からセンチュリーで移動。いずれも光市内にある、自身が理事長の社会福祉法人が運営する複数の施設や顧問の企業などに行った。県は管理規則で公用車は公務以外の目的で使用してはならないと定めている。センチュリーを管理する県物品管理課は『県議会に貸し出しており詳細な使途は把握していない』とする。河野氏は『県議会事務局が代わりに対応する』として取材に応じなかった。県議会事務局総務課は事実を認めた上で『副議長就任のあいさつで立ち寄ったもので全て公務。河野氏も同じ見解だと聞いている』としている。山口大の立山紘毅・元教授(憲法学)は『公用車の目的外流用で私物化が疑われるのではないかと考えて使っていないのは、自覚が足りない。道義的責任は免れない』と指摘。『自身の関連する団体への移動をあえて公務とする必要があるのか疑問』としている。」
山口県庁用自動車管理規則第10条は「庁用自動車は、公務以外の目的に使用してはならない」とあります。副議長の就任あいさつで、自らが理事長や顧問を務める施設や企業を回る行為が公務と言えるのかは、立山山大元教授が言われるように、「道義的責任は免れない」と私も感じます。
物品管理課から、私が照会していた内容について回答が寄せられました。
まず、貴賓車の利用実績ですが、2023年度は4日、2024年度は1日、2025年度は、10月末までに1回となっています。副議長が公用車と利用している集中管理自動車は、そもそも貴賓車です。新年度買い替えを迎えますが、議長が公用車として利用している集中管理自動車も、そもそも貴賓車です。この利用実績で、二台目の貴賓車を県が購入することに県民の理解を得ることは困難だと思います。
次に、集中管理自動車の内、日産ティアナとマツダアテンザの利用実績です。
まず、日産ティアナです。2023年度は延べ10日、2024年度は、延べ17日、2025年度は、10月末までに、延べ7日です。
次に、マツダアテンザです。2023年度は延べ16日、2024年度は、延べ15日、2025年度は、10月末までに22日です。
この2台の総利用日数は、2023年度は、延べ26日、2024年度は、延べ32日、2025年度は、10月末までに、延べ29日です。
年間で1カ月程度しか使わない車が存在しながら、副議長に貸し出す名目で、新しい車を買うことにも県民の理解は得られないと思います。
更に、他の集中管理自動車の使用日数をみます。
知事車(マツダCX-8)は、2023年度は281日、2024年度は270日、2025年度は10月末までに148日でした。
副知事車(トヨタクラウン)は、2023年度は71日、2024年度は73日、2025年は10月末までに50日です。
知事車は、ほぼフル稼働の状況でした。副知事車は、2ヶ月半程度。教育長車は、1ヶ月程度しか利用されていません。
副知事には、日産ティアナかマツダアテンザで、対応する。これらが稼働していた場合は、副知事車か教育長車をやり繰りすれば、対応できるはずです。
副知事に専用車が必要だという議論があれば、議会が持っている議会運営委員長車を副議長車とし、議会運営委員長車は、集中管理自動車である、日産ティアナか、マツダアテンザか、または、副知事車、教育長車で対応するという考え方もあり得ると思います。
繰り返しますが、貴賓車の利用状況から、二台目の貴賓車は買うべきではありません。
その上で、副議長車として新しい自動車の購入を検討する前に、現在の集中管理自動車の利用状況を十二分に精査し、県民の理解が得られる選択を取るべきだと考えます。
No comments yet.
コメント公開は承認制になっています。公開までに時間がかかることがあります。
内容によっては公開されないこともあります。
メールアドレスなどの個人情報は、お問い合せへの返信や、臨時のお知らせ・ご案内などにのみ使用いたします。また、ご意見・ご相談の内容は、HPや宣伝物において匿名でご紹介することがあります。あらかじめご了承ください。