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柚月裕子著「盤上の向日葵」を読んでいます。映画が楽しみです。

 10月11日、朝日新聞は、「盤上の向日葵」が映画化されたことについて、原作者の柚月裕子さんのインタビューを次のように報じています。
 「岩手県出身で山形県在住の作家・柚月裕子さんが将棋をテーマに書いた長編ミステリー『盤上の向日葵』(中央公論新社)が映画化され、10月31日から全国公開される。公開を記念して9月16日に天童市であったトークショーで、将棋のまち・天童との縁や作品に込めた思いを語った。物語は、山中で白骨遺体が見つかるところから始まる。一緒に発見されたのは、7組しか現存しない希少な将棋駒。容疑がかけられ天才棋士の謎めいた人生を二人の刑事がたどる中で、壮絶な過去が明らかになっていく。映画はメインキャストを坂口健太郎さん、渡辺謙さんが務める。柚木さんはもともと、松本清張の『砂の器』、阿佐田哲也の『麻雀放浪記』が好きで、二つを組み合わせた作品を書きたかったという。だが『担当編集者にちょっと苦い顔をされまして。でもこの構想を何とか生かしたいと、選んだのが幅広い世代に親しまれている将棋でした』。40歳でデビューして、今年で17年。いろんな作品を書いてきたが、『人生における光と影の対比』がずっと変わらないテーマだ。そして今作でも、将棋と人生を組み合わせたら面白いものが書けるのでは、と考えた。『将棋は、(盤上で歩兵5枚を振って先手と後手を決める)振り駒や、(棋力の差があるとき、上位者が駒を減らしてハンディをつけて対局する)駒落ちなどがあり、どこまでもフェアであろうとするゲーム。その一方、人生って本当に理不尽で思い通りにならないですよね。その対比で描いたらうまく物語が進むのでは、と思いました』小説を書くとき、舞台選びにいつも心を砕くという。例えば、男たちの死闘を描いた『孤狼の血』は広島が舞台。『小説はうその世界を描くが、そのなかでもどこの土地なら一番リアルに近づけるかと考える。警察と暴力団との争いは東より西日本の方が多く、それで広島になりました。『盤上の向日葵』の場合は、天童という土地が自然と浮かんだ。柚月さんは20代のころ天童市に数年住み、子ども二人を育てた。東日本大震災で亡くした父が将棋好きなことも影響した。話題は、将棋を生かしたまちづくりにも及んだ。映画『国宝』のヒットで昔から続く歌舞伎が再び脚光を浴びていることを例に挙げ、『天童といえば将棋。歴史のあるものをまちの魅力につなげるには、市民がもっと将棋やまちを好きになり、天童にしかないものを発信していくのが大事。きっかけさえあれば人々は集まり、盛り上がる。小説も同じで、自分が自信を持って書けば読者に届く。そう信じて書いていきます。柚月さんは2008年、『臨床真理』で第7回『このミステリーすごい!』大賞を受けて作家デビュー。その後、日本水る作家協会賞の『孤狼の血』や、映画化された『朽ちないサクラ』など重厚なミステリーを数多く手がけてきた。故郷・岩手の南部鉄器職人が主人公の『風に立つ』、東日本大震災に材をとった近著『逃亡者は北へ向かう』など、東北が舞台の作品も多い。」
 私は、文庫版上下巻のうち、上巻を読み終え、下巻の3分の1を読み終えたところです。
 私は、小説を読み始める前は、単なる棋士の半生記を描いたものなのかと想像していましたが、
 冒頭に白骨死体が見つかるシーンから始まる場面から、ページをめくる手が止まらなくなりました。
 石破と佐野という二人の刑事に関する描写、主人公の桂介を囲む人々の描写、東明など棋士たちに関する描写、どの描写もディテールが深く、それぞれが絡み合い大団円に向かいます。
 文庫版の最後の所で、ベテラン刑事の石破が「刑事に一番必要なのは諦めの悪さだ。」というシーンがあります。
 議員に一番必要なのはものは何かと聞かれたら、私は、「諦めの悪さだ」と答えるとそのシーンを読みながら感じました。
 行政資料を読みながら、何かにかかる。それを調べていくと新しい発見がある。
 私は、そんな時に、議員としてのやりがいを感じてきたのだと、このシーンを読んで思い起こしました。
 10月31日から映画「盤上の向日葵」が劇場公開されています。
 私は、まだ、白骨死体の犯人と動機を知りません。文庫版下巻を読み進めながら、市内の映画館で、映画「盤上の向日葵」を観劇したいと思います。
 原作・映画「盤上の向日葵」の感想をお聞かせください。

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