21日、東京新聞は、長生炭鉱犠牲者のDNA鑑定について次のように報じました。
「戦時下の水没事故で朝鮮半島出身者を含む183人が亡くなった長生炭鉱で、収容した遺骨のDNA鑑定に韓国政府が協力する意向を示していることが分かった。収容を進める市民団体『長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会』が18日、記者会見し、韓国政府と面会した内容として、明らかにした。8月下旬に遺骨が発見されて1ヶ月近いが日本政府は鑑定を行うかどうかすら明言していない。刻む会は韓国との共同鑑定を日本政府に働きかける方針だ。面会は15日、韓国国内で行われた。刻む会の井上洋子共同代表や上田慶司事務局長らが韓国行政安全省の高官や韓国の遺族らと会った。韓国政府は遺骨と照合するため、同国内の犠牲者遺族の検体の採取を進め、76人分を集めた。刻む会が日本の一部遺族から採取したものと合わせ、検体の総数は83人分にのぼる。刻む会は当初、韓国政府などから検体の提供を受け、日本政府が遺骨の鑑定や照合を行うことを想定していた。だが、日本政府は9日の刻む会との交渉で鑑定手法について韓国政府側に事前に問い合わせる必要があるとして『DNA鑑定の可否は検討中』と述べるにとどまった。刻む会が面談で韓国政府側に尋ねると、面談の時点でも、日本政府からの問い合わせは来ていなかった。韓国政府側は日本側のこうした状況も踏まえ『遺骨の鑑定に参加したいという意向ははっきり示した』という。刻む会の上田氏は『日本にやる気がないのならこっちでやるということだろう』と代弁。来年2月には、収容作業の中心を担う水中探検家の伊佐治佳孝さんに加え、タイやフィンランドのダイバー有志ら計7人で遺骨の集中捜索を始める。上田氏は『これから大量の遺骨が見つかる。それまでに鑑定の道筋を付けるのが最重要課題だ』と強調した。一方、日本政府は、鑑定に加え、こうした収容作業への協力についても『安全性が確認できない』として事実上、拒んでいる。捜索の際は、海中の坑道への出入り口として沖合の海面に突き出た排気口(ピーヤ)を利用しているが、資金不足でピーヤ内の鉄骨などの残骸の清掃も十分できないままだ。崩れれば進入ルートがふさがれ、ダイバーの命に係わる可能性がある。刻む会はこの日の会見で、骨を発見した8月の調査の直前にも、一部の鉄骨が崩落しているのが見つかったと明らかにした。当日は韓国人ダイバー2人が潜ったが、一時、調査の見合わせも検討したという。伊佐治さんは『崩落場所があと30センチずれていたら、ルートがふさがれていた。坑道を捜索中に起きれば外に出られなくなっただろう』と説明した。長生炭鉱の調査に限っては遺書を用意して臨んでいることも明らかにした。ただピーヤ内の危険は、お金をかけて内部の鉄骨などを撤去すれば解決できる。伊佐治さんらは、この会見の前に厚生労働省の担当者と面会し、資金援助などをあらためて要請した。伊佐治さんは『ふわっと何となく危険を考えているような印象を持った。どこが危険でどこがそうでないのか切り分けて考えてもらえれば』と話した。」
昨日の中国新聞は、朱喜哲さんの「論考2025」が掲載され、テーマは、「遺骨と死者を直視する」で、長生炭鉱の問題が取り上げられました。
朱さんは、この小論を次のように締めくくりました。
「長生炭鉱では、ずっと国から無視されてきた遺骨の存在が確認された。そこにはまだ膨大な遺骨があるはずだ。今私たちは、死者から、そして歴史から問われている。それは私たちの国でかつてうねりを見せた軍国主義という巨大な力の中で、非業の死を遂げた死者たちなのだ。」
昨日、山口朝日放送は、報道特別番組を放映しました。テーマは「遺骨はある 海底炭鉱で待つ183人」。長生炭鉱犠牲者の遺骨収集までの取り組みが詳細に放映されました。
日本は、個人の尊厳を大切にする国かどうかが今、問われていると思います。
政府は、遺骨収集・返還に責任を発揮することは当然だと思います。
26日の一般質問でも長生炭鉱の問題を取り上げます。山口県の責任の発揮を求めたいと思います。
遺骨と思われる人骨のDNA鑑定を政府が行うことは、最低限に取り組むべき当然の課題だと思います。
長生炭鉱に関する皆さんのご意見をお聞かせください。
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