昨年12月31日付、毎日新聞は、日本海側に面する道府県の海底活断層の被害想定について次のように報じました。
「日本海にある複数の海底活断層について、沿岸16道府県のうち6道県で地震と津波の震源の想定に違いがあることが、毎日新聞が各道府県に行ったアンケート調査で判明した。1月の能登半島地震ではこの海底活断層の一つが震源となったが、石川県が想定していたのは津波だけで、この震源が起こす地震は想定しておらず、被害想定が過少になっていた。他の自治体でも想定が食い違っている現状が浮き彫りになった。回答によると、各都道府県が策定する地域防災計画で、日本海の海底活断層が起こす被害について『津波のみ』を想定していると答えたのは、秋田▽富山▽福岡▽長崎ーの4県。北海道は『地震のみ』との回答し、津波の想定は今年度内に公表するとした。石川県は『両方を想定』と答えたが、地震については、津波を想定した活断層とは別の、より遠くにある海底活断層が起こす地震の揺れの被害も含めて地域防災計画に盛り込んだが、5県は地震の揺れは反映していないとした。理由について、秋田県は『プレート境界型の地震を独自に想定している』と説明。長崎県は『過去の調査で活断層であることが確実なものを想定しており、この中に海底活断層は含まれない』などと答えた。能登半島地震の教訓を踏まえ、6道県のうち、石川▽富山▽長崎ーの3県は被害想定を『見直す』と回答。福岡県は『海域活断層の予備調査をしており、結果を踏まえて見直しを検討する』とした。防災に詳しい福和伸夫・名古屋大名誉教授(地震工学)は『想定が違ったり見直しが遅れたりすると、能登半島地震のように被害の過少評価につながりかねない』と指摘する。アンケートは12月に送付し、全16道府県から回答を得た。」
山口県が、毎日新聞のアンケートにどのように答えたのか、この程、県担当課から回答が届きました。
Q1=日本海の海域活断層が起こす地震の揺れ、津波の被害を、道府県の地域防災計画で想定していますか。
A1=揺れ、津波の両方
Q2=何の調査に基づく、どんな地震ですか。
A2=「日本海における大規模地震に関する調査検討会報告」及び県独自調査に基づき、最大クラスの津波を発生させると想定した地震。
Q3=なぜその地震を想定しているのか教えてください。
A3=起きうる最大の被害を想定するため
Q4=具体的に何を想定しているのか(被害規模、震度、人的被害など)を教えてください。
A4=①(想定地震)見島付近整備断層(規模)M7.5(最大震度)6弱(津波・最高津波水位)3.0M(到達時間・分)18分(人的被害・死者)29人(負傷者)23人(建物被害・全壊・棟)69棟(半壊)1576棟(避難者)24648人 ②(想定地震)見島北方沖西部断層(規模)M7.5(最大震度)4(津波・最高津波水位)2.4M(到達時間)59分(人的被害・死者)14人(負傷者)11人(建物被害・全壊)26棟(半壊)876棟(避難者)19594人 ③(想定地震)F60断層(規模)Mw7.6(最大震度)5強(津波・最高津波水位)3.7M(到達時間)43分(人的被害・死者)81人(負傷者)14人(建物被害・全壊)352棟(半壊)3379棟(避難者)34816人
Q5=何の調査に基づく、どんな津波ですか。
A5=「日本海における大規模地震に関する調査検討会報告」及び県独自調査に基づき、最大クラスの津波を発生させると想定した地震。
Q6=なぜ、その津波を想定したのか教えて下さい。
A6=起こりうる最大の被害を想定するため。
Q7=具体的に何を想定しているか(津波高、浸水域、人的被害など)を教えてください。
A7=A4に同じです。
Q8=A2とA5に違いがある道府県にお聞きします。なぜ違うのか、理由を教えて下さい。
A8=震源に違いはありません。
Q9=能登半島地震以降、日本海の海域活断層が起こす地震の揺れ、津波の被害想定を見直す予定はありますか。
A9=見直す
Q10=その理由を教えてください。
A10=能登半島地震を踏まえた防災・減災対策の見直しにあたり、最新の知見による被害想定に基づき実施する必要があるため。
Q11=どんな手続きか、具体的に教えて下さい。
A11=日本海の海域活断層を含む最新のデータを収集・整理し、有識者等で構成する「山口県地震・津波防災対策検討会」において検討の上、実施する。
Q12=日本海の海域活断層は、国土交通省などが2014年に調査結果を公表した一方、政府の地震本部による長期評価は、22年に九州~中国、24年に北陸~新潟沖が公表され、新潟以東は未着手です。国交省に比べて長期評価が遅れていることは、地域防災計画に影響していますか。
A12=影響していない。
Q13=その理由を教えて下さい。
A13=本件が被害想定を実施した際の基礎資料等に変更がないことから、実施した被害想定結果に影響を及ぼさないと判断したため。
山口県は、地震も津波も想定していることは評価できます。
その上で、山口県は、有識者等で構成する「山口県地震・津波防災対策検討委員会」で、日本海の海域活断層を含む最新データを収集・整理し、日本海側の海域活断層が起こす地震の揺れ、津波の被害想定を見直す作業を行っている状況をしっかり見守っていきたいと思います。
「山口県地震・津波防災対策検討委員会」での検討状況を担当課に照会したいと思います。
その結果は、本ブログで報告していきたいと思います。
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