2月9日、毎日新聞は、大阪府警での女性容疑者の留置について次のように報じました。
「大阪府警豊中署に逮捕された60代女性が、胸を覆う下着を計11日間着用できないまま留置場に収容されていたことが女性の弁護士への取材で判明した。府警は、自殺に使われる恐れがあるとしてブラジャーの着用は原則認めていないが、カップ付き肌着『ブラトップ』をTシャツ型なら認めている。府警は『説明が不十分だった』と不適切な対応を認め、改善策を講じるとしている。弁護人の松本亜土弁護士(大阪弁護士会)によると、女性は1月6日、口論の末に夫を刃物で刺したとする殺人未遂容疑で逮捕された(その後に傷害罪で起訴)。豊中署に留置された女性は、肩の部分がひも状になっているタンクトップ型のブラトップを着ていたが、警察官の指示で脱がされた。松本弁護士が7日、署にブラトップの着用を求めたところ、留置管理課の担当者から『着用できない。署内では重ね着で対応している』と断られたという。このため女性は8日、胸に下着を着けない『ノーブラ』の状態で男性検事の取り調べを受けざるを得なかった。その日、松本弁護士と署内で面会した女性は、腕を組んで胸を隠しながら『仕方がない。(警察は)恥ずかしい思いをさせたいんだろう』と諦めたような口調で語ったという。府警拘留管理課によると、タンクトップ型ブラトップは、肩のひも状の部分を首つり自殺に使われる恐れがあるため、身柄拘束中の容疑者には原則使用を認めてないない。ブラジャーも同様の理由で使用不可だが、Tシャツ型はこうしたリスクが低いため着用を認めているという。松本弁護士は府警とのやり取りを重ねるなかで、こうしたルールを確認。Tシャツ型を17日に差し入れ、女性は下着を着られるようになった。一方、府警は勘違いで9日のみタンクトップ型ブラトップの着用を認めたため、下着のない状態は11日間だった。松本弁護士は『下着を着けさせないことは女性に羞恥心を感じさせる不当な対応。憲法で保障された人格権も侵害している』と批判する。府警は取材に対し、今回の対応について『着用可能な下着を説明しないのは不親切であり、教えるべきだった』と釈明した。この問題を受けて、留置されている女性に対し、Tシャツ型であれば着用できることを説明し、要望があれば貸し出しや購入できるようにしたという。こうした改善策は2月7日、大阪弁護士会にも説明した。松本弁護士は『全国の警察でも同様の対応をすべきだ』と話している。容疑者のブラジャー着用を巡っては、これまでも問題になっている。2023年10月に大麻取締法違反容疑で京都府警に逮捕された女性(当時19歳)が『ノーブラを強いられている』と訴え、弁護人の貴谷悠加弁護士(京都弁護士会)がタンクトップ型のブラトップを差し入れたが、許可されなかった。貴谷弁護士によると、府警に改善を申し入れて12日後にTシャツ型を差し入れたところ、一転して認められた。理由の説明はなかったという。警察庁は23年12月、京都府警のケースなどを受け、ブラトップの使用に関する基準を全国の警察に初めて通知。半袖Tシャツ型▽伸縮性がなくや破れにくい素材▽ワイヤなどの金属類を使っていないーなどの条件を示した。半袖Tシャツ型に限定したのは、肩のひもが細いキャミソール型などひも部分を使って自殺を図る恐れがあるからだという。担当者は『容疑者の人権を尊重しつつ、適切に処遇するための基準』と説明し、具体的な対応は警察ごとの判断となるとしている。」
警察庁は、昨年12月19日、各道府県警本部長宛てに「カップ付き女性用肌着の使用について」を通知しています。
山口県警の対応について、来週行われる文教警察委員会の中で取り上げたいと思っています。
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