昨年12月29日付のしんぶん赤旗日刊紙は、新型コロナで入院できず死亡するケースが多数あると次のように報じました。
「新型コロナ感染症の国内死亡者は分かっているだけでも累計約7万5000人にのぼります。死者数が過去最大になった2022年秋から23年初旬の第8波では、判明しているだけで死亡者の2割近くが高齢者入所施設で亡くなっていることが28日までに本誌調査により明らかになりました。政府・厚生労働省は新型コロナの感染症5類移行後(今年5月)も、高齢者施設のコロナ患者は『医師が入院の必要がないと判断した場合を除き原則入院』(同省老健局)としています。施設留め置きによる大規模な死亡者の発生は、人命軽視の自民党政治の責任を鋭く問うものです。日本共産党地方議員団の調査や本誌の取材・公文書開示請求で分かったもの。全都道府県・政令市におおむね22年11月~23年2月の死亡場所別死亡者数をたずね、28日現在「調整中」と回答した北海道を除き集計しました。一部県が保健所設置自治体分を明らかにせず、一部政令市が『把握不可能』(横浜市)など詳細を回答しませんでした。それによると全国平均では死者の16・5%が高齢者施設で死亡しています。香川・宮崎(35%)、大分(32%)、徳島(31%)各県はとりわけ施設内死亡率が高く、3割を超える人が高齢者施設内で亡くなっています。ほかにも岩手・栃木(29%)、秋田・新潟・岡山(25%)、静岡(24%)など14県が2割を超えています。コロナ禍では検査体制の不足やワクチン接種の遅れなど政府の無策のため、たびたび感染が大爆発。医療崩壊が繰り返され高齢者施設ではクラスター(感染者集団)が多発しました。ところが政府・厚労省は、医療崩壊がより深刻になるのを回避するため高齢者施設での療養を認め、補助金も付け事実上進めてきました。そのもとで公然と『原則、施設内療養』を掲げる県(新潟、山形両県など)も現れました。さらに、施設療養中に容態が悪化しても『人工呼吸など延命治療を希望していない施設にいても同じで入院させない』『高齢者は施設で看取ってほしい』など入院調整する自治体が入院を断る例もあとを絶ちませんでした。特養ホームの施設長らでつくる21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会(21・老福連)の第8波の調査では4割が『入院できなかった』と回答。このうち23%が『行政や病院から施設で看取ってほしいと言われた』と回答しています。『命に優先順位をつけるトリアージだ』『高齢者を差別するもの』との批判が広範に起こりました。施設の介護職員は、医療の専門職でないので施設内療養に駆り出され体制が感染しています。歴代自民党政権による医療費抑制政策で医療提供体制が脆弱にされるなか新型コロナ感染症が大爆発し、感染が拡大しやすく重症化リスクの高い施設の高齢者の命が多く失われたものです。」
私が、昨年5月9日のブログで書いたように、21・老福連の調査で、県内3施設が施設内療養があることを明らかにしました。
これに対し、県担当者は「クラスターが施設で発生した場合、医師や看護師等で構成されているクラスター対策チームを派遣している。対策チームの医師等により陽性になった入所者の内、入院が必要だと判断された方は、全て入院していただいている。また、その後の施設内療養の状況は、保健所でフォローしており、新たな入院と判断された方についても、入院していただいていることから、山口県内で入院が必要な方が入院できないケースはないものと考えている。」と答えました。
私は、先日、母校の日本福祉大学山口県地域同窓会に参加しました。
意見交換の中で、県内の特別養護老人ホームの施設長さんは、「入所者がコロナに感染した場合、認知症の方は、入院が受け入れてもらえない状況だ」と話されました。
また、あるデイサービス事業所の責任者の方は、「5類移行後も、施設内で、コロナとのたたかいは続いている」と話されました。
本当に、県内で施設利用者の方が「入院が必要な方が入院できないケースはない」のか甚だ疑問です。
厚労省の2022年の人口動態統計について、厚労省の担当者の方の説明を受け次のことが分かりました。
2022年の1年間で、15万6950人が亡くなっています。その内、老人ホームで17万2727人が亡くなっています。その内、6147人が新型コロナやワクチン接種で亡くなっているという統計結果でした。
老人ホームの死亡者の内、新型コロナで亡くなった方の割合は、3.6%です。
山口県内で、老人ホームで亡くなったかたは、1980人です。
ならば、県内で少なくとも老人ホームで70人の方がコロナ患者だったことが伺えます。
山口県内でも施設内でコロナ患者の方がおられると考えて間違いないと思います。
しっかりとした対策が必要です。
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