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「核リサイクル施設が集積する青森県を視察して分かったこと」報告会

 昨日、上関原発を建てさせない美祢・山陽小野田・宇部連絡会事務局会議で、私は、核燃料サイクル施設が集積する青森県を視察した報告を行いました。

 今回もパワーポイントを使いました。スライドを見たいという方は私に連絡ください。

 報告の趣旨は以下の通りです。

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 上関原発を建てさせない美祢・山陽小野田・宇部連絡会で特別報告をさせていただきます。反戦情報に近く掲載の小論も参照ください。

〇スライド1(青森県の核燃料サイクル施設)
 1枚目が核燃料サイクルの概要図ですが、青森県六ケ所村には、再処理工場だけではなく、高レベル放射性廃棄物貯蔵センター、低レベル放射性廃棄物埋蔵センター、MOX燃料工場、ウラン濃縮工場が集積していました。そして、中間貯蔵施設がむつ市で建設が進められています。
 
〇スライド2(行程)
 行程は、10月17日に三沢空港に降り、三沢市役所で三沢基地について学び、18日、午前に、六ケ所原燃PRセンターを訪ね、午後は、青森県庁を視察し、19日の午前に、むつ市の中間貯蔵施設を見学しました。

〇スライド3(配置図)
 配置図です。

〇スライド4(六ケ所村日本原燃PRセンター)
 まず、六ケ所村にある日本原燃施設には、①再処理工場②高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター③低レベル放射性廃棄物センターがあります。

〇スライド5(再処理工場)
 写真はPRセンターから撮影した再処理工場です。
 会社は、2024年度の上期に竣工すると言っています。
 併設する使用済み核燃料受入貯蔵施設に3000㌧の核燃料が貯蔵されています。はんげんぱつ新聞編集長の末田さんは、日本の原子力施設の中で一番使用済み核燃料が貯蔵されているのが六ケ所村と説明します。
 私が9月の一般質問で指摘しました。9月の原子力規制委員会の議事録を見ると、「年明けから技術的にはじまる」との専門官の発言があり、とても24年9月にしゅん工する見通しはありません。

〇スライド6(再処理工場の問題点)
 末田編集長は、再処理工場で、プルトニウムを取り出しても、プルトニウム過剰の中で、六ケ所再処理工場はフル稼働できないことを指摘しました。小山内孝さんも著書で、プルトニウム余剰を指摘しています。
 小山内さんは、再処理工場直下に、M9近い大地震を起こす活断層があることを指摘しています。しかし、日本原燃はこのこと認めていません。現在、日本原燃の資料には活断層を示すものはなくなりました。

〇スライド7(高レベル放射性廃棄貯蔵管理センター)
 ステンレス鋼の容器 高さ1メートル30センチ、直径40センチのに高レベル放射性廃棄物をガラス固化したものをキャニスターと言います。容量が2880本で、現状、1830本貯蔵され、残り1050本です。フランスから1310本、イギリスから520本です。イギリスには残り2200本分が返還予定です。この施設では、1150本分の埋蔵できない状況です。
 高レベル放射性廃棄津最終処分場が未定の中、六ケ所村が最終処分地にならうとしています。

〇スライド8(高レベル放射性廃棄物管理センターの問題点)
 キャニスターは、外気温が30度を超えると、90度近い熱風が噴き出します。通風菅が数ミリ歪んだだけで、ステンレス容器は、崩壊し、外気に高レベル放射性廃棄物が放出される。アメリカの学者が、50年位で危険な状態になると指摘しています。
 高レベル放射性廃棄物を六ケ所村で貯蔵することを政府や会社は、青森県に伝えていませんでした。国や会社は、50年間の一時貯蔵だよして、青森県は了承しましたが、経済産業大臣が代わるたびに、青森県は、高レベル放射性廃棄物の最終処分場にするなと申し入れています。
〇スライド9(低レベル放射性廃棄物埋蔵センター)
 原発施設から放射能を帯びた様々な物がコンクリート固化されてドラム缶に入れられて埋蔵されています。この施設は最終処分場です。

〇スライド10(青森県庁視察)
 11月になって上関町が国に申請したのが、年1億4千万円交付される電源立地交付金です。知事が同意すれば2年間9億8千万円交付されます。青森県は受け取らず、24億円がむつ市に交付されました。
 この10年間で、149億円の核燃料サイクル交付金が中間貯蔵施設の関係で8市町に149億円が交付されました。
 六ケ所村の再処理工場については、年内には難しいとの認識を示しました。
 有権者数の50分の1を超える住民が直接請求した「住民投票条例制定」を求める運動が行われ、知事は議案を議会に提出しました。

〇スライド11(むつ市の中間貯蔵施設)
 現在3000㌧貯蔵する施設が建設中で、1棟しゅん工の10年後に、2000㌧の2棟をしゅん工させる計画です。
 柏崎刈羽原発において、特定核燃料物質移動禁止措置解除の見通しが立っていないので、現時点で、事業開始のめどはたっていません。
 関根浜港から専用道路1キロ強、元牧草地のなだらかな丘陵地です。
 面積は120㌶、東京ドーム26個分です。
 長島で想像すると、莫大な自然破壊になることは明らかです。

〇スライド12(動画)

〇スライド13(むつ市で分かったこと)
 住民投票条例の制定を求める直接請求運動がありました。有権者数は、約4万です。法定数は約800筆。署名は、法定数の約7倍の5500筆集まりました。有権者の14%が条例制定を求めた。
 むつ市が第6次エネルギー基本計画のパブリックコメントで意見していたことが分かりました。
 「操業が間近に迫っている中間貯蔵施設については、再処理工場が搬出先とされているものの、50年後に搬出先となる再処理工場が、六ケ所再処理工場になるのかどうか明確にされていない。」
 「今後の中間貯蔵事業に係る諸プロセスにおいて中間貯蔵施設に貯蔵した使用済み核燃料の搬出先の明確化が大きな争点」

〇スライド14(青森県核燃料サイクル施設視察まとめ①)
 六ケ所再処理工場は、24年度上期しゅん工の見通しが立っていません。
 再処理工場がしゅん工しても、高レベル放射性廃棄物の最終処分場のめどが立っていません。
 核燃料サイクル施設が集中する青森県を視察して、改めて核燃料サイクルの破綻を実感しました。
 むつ市でも中間貯蔵が恒久貯蔵になる危惧が公に出されています。
 青森県、むつ市で、住民投票条例制定を求める直接請求運動が取り組まれたことは教訓的でした。

〇スライド15(視察まとめ②)
 米軍の三沢基地と六ケ所村は、隣接しています。六ケ所村の真南に自衛隊の地対空射爆場があります。
 戦後200回のトラブルが三沢基地で発生しています。
 岩国基地・自衛隊基地にと上関は隣接しています。
 むつ市では、中間貯蔵施設の裏金疑惑が繰り返されてきました。
 2003年に、市長のおじの建設会社に、西松から融資があるなど、地元のマスコミで大きく報じられてきました。

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 中間貯蔵施設に関する皆さんのご意見をお聞かせください。

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