私は、昨日までに、中国四国各県の高校再編方針を調査しました。
各県の高校再編方針の抜粋は以下の通りです。
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中国四国の高校再編方針について(藤本調べ)
◇広島県
「今後の県立高等学校の在り方に係る基本計画」2014年2月26日
「具体の学校の規模については、1学年6学級を標準とし、今後の生徒数の推移や通学時間の現状などの地域ごとに状況が異なることを考慮し、中山間地域については、1学年2~6学級の範囲内を基本とし、中山間地域以外の地域については、1学年4~8学級の範囲内を基本とします。」
「1学年1学級規模の全日制高校については、各学校が学校関係者、所在する市町及び市町教育委員会等で構成する『学校活性化地域協議会(仮称)』(以下、『協議会』という。)を設置し、その協議会において、教育活動や部活動等において他校に見られない取組の強化等による活性化策を検討します。その検討結果を踏まえ、各学校において、3年間、市町と連携しながら活性化策を実施し、全生徒数が毎年度、収容定員の2/3(80人)以上になることを目指します。以上の協議会の設置及び活性化策の検討・実施に係る3年間が経過した後、全校生徒数が2年連続して収容定員の2/3(80人)未満となった学校については、協議会の意見を聴いた上で、地理的条件を考慮し、次の①から③までのいずれかとします。
① 近隣の県立高等学校のキャンパス校
② 特定の中学校と緊密な連携による一体的な学校運営を行う『中高学園構想(仮称)』への移行
③ 統廃合(市町立学校として存続を含む
ただし、教育活動及び部活動において、充実した活動を行うために、地域の人々が指導者として協力したり、地域の施設・設備が活用できるなど、地域の支援体制が整っており、これらの支援を受けながら、全国トップレベルの特筆すべき実績をあげ、将来も同様の成果が見込まれる学校については別途検討します。
◇岡山県
「県立高等学校における再編整備基準の適用方針」2022年12月16日
1、再編整備基準
① 第1学年の生徒数が100人を下回る状況が、2023年度以降2年続いた場合には、再編整備の対象とする
② 第1学年の生徒数が80人を下回る状況が、2023年度以降2年続いた場合には、翌年度の生徒募集を停止する。
2、地域の状況への配慮に関する基本的な考え方
・周辺部の県立高等学校の更なる再編整備は、地元中学生に対し、通学や進路選択の面で影響を与えるとともに、地元自治体の移住政策等へ影響を及ぼしかねないことから、地方創生の観点からも、地域の状況には、より慎重な配慮が必要である。
・高校進学における最低限の教育機会を保障することが必要である。
3、基準の適用における配慮事項
県教育委員会は、再編整備基準を定めて、魅力化・活性化に取り組んできたが、今後の更なる再編整備が及ぼす影響の大きさに鑑み、県教育委員会の責任として、同一市町に県立高等学校が1校になっている場合は、現在の実施計画の期間中に(2028年度まで)は、当該校への再編整備基準の適用を保留することとする。
◇鳥取県
2019年度から2025年度までの県立高等学校の在り方
「平成31年度以降の生徒数の減少への対応については、分校化や再編等ではなく『原則として学級減で対応する』とともに、『特色ある取組を推進する学校の存続に最大限努力する』こととしています。現時点で、分校化や再編等を行う計画はありません。」
◇島根県
「県立高校魅力化ビジョン」2019年2月
〇全ての高校において、地域と協働しながら「目指す学校像」、「育てたい生徒像」、特色ある教育課程及び「求める生徒像」等の明確化を図る。
〇教職員、生徒・保護者、市町村、小・中学校、大学、社会教育機関、地元企業、地域住民、関係団体等の多様な主体が参画し、魅力ある高校づくりに取り組む協働体制(以下「高校魅力化コンソーシアム」という。)を、全ての高校において構築する。
◇愛媛県
再編整備基準
「地域への配慮」
次の①または②に該当する県立高校等について、市町や地域から学校の存続のために必要と思われる支援が得られる県立高校等を、1市町につき1校に限り、特別の統廃合基準を適用する「魅力化推進校」に認定できる。
① 同一市町内にある県立高校等が1校で。その1校が適正規模を下回る。
② 同一市町内にある県立高校等が複数で、そのうち1校以上が適正規模を下回り、その県立高校等が、次のいずれかに該当する。
・島しょ部にある県立高校等
・教育委員会が特別に認める県立高校等
◇香川県
「魅力あふれる県立高校推進ビジョン」2020年3月
県立高校・学科・コースの配置や整備についての基本的な考え方
〇県立高校において育成すべき、グローバル社会への対応や郷土への理解、イノベーションを創出するために必要な資質・能力は、多様な価値観を持つ集団で共に学ぶことにより育まれることから、高校には一定の規模が必要である。
〇本計画においては、県立高校で学ぶ高校生が主役であり彼らの学びに必要な高校とはどのようなものかということを主眼とし、地方創生の観点も踏まえた上で、今後の県立高校の在り方を考えるものとする。
〇高校の再編整備はマイナス面が強調されることが多いが、計画的に進めることで教育の充実につながる。例えば、いくつかの高校の同じ学科を統合した場合、規模の拡大に伴い可能な教育活動の幅が広がるとともに、新しい学びを取り入れるチャンスとなる。
◇徳島県
「新時代における徳島県公立高等学校の在り方検討会議報告書」2022年2月
「公立高等学校の共同的な学びの確保に向けた方策」についての提言
・将来的な生徒数の減少、とりわけ地域ごとの生徒数の減少状況を見据えて、再編統合による高等学校の特色化・魅力化を図る視点も必要である。また、適正配置、再編統合の方針等を検討する際には、地域振興の核としての高等学校の役割や地元地域等に与える影響を考慮し、様々な意見を聞いて進める必要がある。
◇高知県
県立高等学校再編侵攻計画
学校設置の基準
◇適正規模
・適正規模としては、「1学年4~8学級」が必要です。
・一定の生徒数が見込まれる高知市及びその周辺地域は、より活力あふれる学校づくりができる「1学年6学級以上」の学校規模の維持に努めます。
◇過疎化が著しく、近隣に他の高等学校がない学校
・地域の学びの機会を保障するために、最低規模を「1学年1学級(20人以上)以上」として維持します。
◇学び直しの機能を持った学校
・不登校や中途退学を経験した生徒、発達障害のある生徒等を受け入れる体制を整えた学校の最低規模を「1学年1学級(20人以上)以上」として維持します。
◇分校の最低規模
・「1学年1学級(20人以上)」とし、この規模を下回った際に、募集停止の猶予期間は「入学者数が20人に満たない状況が3年間で2度ある場合」を「2年連続して満たない状況になった場合」に緩和し、2015年度から新たに適用します。
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以上から次のことが分かりました。
①島根県・鳥取県は、現時点で、分校化や再編等を行う計画を持っていない。
中山間地域の多い、島根県・鳥取県では、小規模の高校が多い特徴があると思います。
これ以上の再編等は保留し、各学校の特色や魅力を高めることを模索しています。
島根県は、地域で組織をつくり、ボトムアップで、高校を軸とした地域づくりを模索しています。
②他の中国四国各県では、中山間地域などに独自の基準を設けて対応しています。
広島県は、1学年1学級規模の学校の存立を①キャンパス校、②中高学園構想(仮称)などで認める策を示しています。
岡山県は、周辺部の県立学校の更なる再編整備は、地元自治体の移住政策等への影響を及ぼしかねないとの認識を示し、再編統合基準の適用を留保する措置を取る学校を認めています。
愛媛県は、同一市町内にある県立高校が1校の場合や島しょ部にある学校の統廃合に対する独自基準を設けています。
香川県は、地方創生の観点も踏まえた上で、今後の県立高校の在り方を考えることに言及しています。
徳島県は、地域振興の核としての高等学校の役割や地元地域等に与える影響を考慮することに言及しています。
高知県は、過疎化が著しく、近隣に他の高等学校がない学校などについて独自の基準を示しています。
③山口県は、1学級当たりの生徒数を原則40人とし、1学年4~8学級を望ましい学校規模とする基準しか示していません。
山口県は表記の基準で、2031年度まで高校再編を推し進めようとしています。
現在の前期計画に続いて、後期計画もこの基準を高校再編を推し進めたら中山間地域の高校は皆無となり、市町に一つも高校がない学校が広がります。
山口県は、県立高校が地域創生の核との他の中国四国各県の高校再編方針を学び直し、現在の4学級以上という基準を急いで再検討し、今報じられている、周南・柳井地域の5校を2校にする計画を再検討すべきです。
更に、奈古分校は、阿武町になくてはならない高校として存続させるべきです。
山口県が、3学級以下の高校は認めない方針で次々と再編を進めています。この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。
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