9日、しんぶん赤旗日刊紙は、子どもの医療費助成のペナルティーに対する厚労省の方針について次にように報じました。
「厚生労働省は7日、小学生から18歳未満への医療費助成を独自に行う自治体への『ペナルティー(罰則)」と強いてきた国民健康保険への国庫負担金の減額措置を廃止する方針を社会保障審議会の部会に示し、大筋了承されました。自治体の努力を妨害する国を追及してきた長年の住民運動や日本共産党の議会論戦などに押されたもので今後、省令を改正します。ただ、助成制度の拡充につながると問題視し、医療費抑制策を強化します。子どもの医療費助成は各自治体で年々拡充され、18歳未満までは人口で約9割が助成対象になっています(2022年度厚労省調査)。しかし、厚労省は助成制度が医療費増を無くとして罰則措置を実施。18年度から未就学児への助成に限って罰則を廃止していました。この日の部会で厚労省は、国の少子化対策として18歳未満までの助成への罰則措置を窓口での一部負担金や所得制限の有無を問わず廃止すると提起。廃止の時期については今後、調整するとしました。一方で、窓口無料化や助成対象年齢の拡大につながり、受診患者が増えるなどの『課題』が生じると警戒。子どもの医療を『適正化』する取り組みや医療費抑制の達成を自治体にけしかけるための財政優遇を導入する案を示しました。この医療費抑制策に対し、全国市長会の委員は子育て支援を進めるには『あまり過度なものにしないように』と懸念を表明。地域差を生まないように『全国一律の助成制度の創設を国の責任と財源で早期に実施を』(全国知事会)を求める意見も出ました。」
厚生労働省は、9月7日に行った第167回社会保障審議会医療保険部会に提出した「こどもによってより良い医療の在り方等」という資料で、「こども医療費助成に係る国民健康保険の減額調整措置の廃止」を明記しました。
今年6月13日に閣議決定した「こども未来戦略方針」で「こども医療費について、国民健康保険の国庫負担の減額調整措置を廃止する」ことが示されました。
社会保障審議会の部会で「市町村の助成内容(自己負担や所得制限の有無等)を問わず、18歳未満までの子どもの医療費助成に係る減額調整措置を廃止する」ことが示されました。
山口県保険医協会会報(6月25日)に、子どもの医療費助成制度が3市3町で今年度から拡充したことが報じられれいます。
下関市は、入院の場合、対象年齢を中学3年から高校3年に拡大させました。また、一部負担金を無くしました。いずれも実施は今年10月からです。
周南市は、所得制限を今年10月からなくします。
山陽小野田市も今年8月から所得制限をなくしました。
上関町は、今年8月より、通院・入院とも対象年齢を中学3年から高校3年までに拡大しました。
田布施町は、今年4月より、通院・入院とも対象年齢を中学3年から高校3年までに拡大しました。
平生町も、今年4月より、通院・入院とも対象年齢を中学3年から高校3年までに拡大しました。
防府市は、来年度中に、通院・入院とも対象年齢を小学6年から高校3年までに拡大することを池田市長が明らかにしました。
これによって、対象年齢が小学6年となっているのは、下松市の通院のみで、全ての県内市町で対象年齢が中学3年以上となります。
一部負担金があるのが、萩市と下松市のみ、所得制限があるのは、萩市、光市、長門市のみとなりました。
市町がこれだけ制度を拡充させているのに、県制度は、対象年齢が就学前までで一部負担金と所得制限もあります。
8月1日時点の山口県の推計人口が、前月比2082人減の129万8572人になったことが報じられていました。
昨年5月1日時点の県内の児童生徒数は、小学生が6万1935人(前年度比1891人減)、中学生が3万3333人(同149人減)、高校生が2万9697人(同551人減)となり、1947年の調査開始以降、過去最低となったことが報じられていました。
急激な人口減少、子どもの数の減少を食い止める鍵は、若者の給与を引き上げることと、子育ての財政負担を軽減することです。
急激な人口減少と少子化を食い止めるために、県は、子どもの医療費無料化の制度を拡充させる時です。
子どもの医療費へのペナルティーを国がなくそうとしている今、県の制度を拡充させる好機です。
この点を県議として、今後の議会で大いに発言していきたいと思います。
子どもの医療費助成制度に関する皆さんのご意見をお聞かせください。
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