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福井県知事が、1996年12月13日に、使用済み核燃料の中間貯蔵施設「県外が望ましい」と初めて発言

 3日、中国新聞は、使用済み核燃料の中間貯蔵施設について、次のように報じました。
 「関西電力の全原発が立地する福井県。再稼働が進む一方、構内には使用済み核燃料がたまり続ける。関電は6月、一部をフランスへ搬出する計画を発表。8月には、中国電力と山口県上関町で中間貯蔵施設の建設を検討していることが判明、町長は調査を容認した。関電は施設の県外候補地を示すと約束しており、福井県側は計画の行方を注視している。『推移を冷静に見守りたい』。上関町で調査が始まる見通しを受け、福井県の杉本達治知事は8月31日の記者会見で述べた。将来的に県内で出た使用済み燃料の搬出先になる可能性があるが『県が直接何か申し上げることはない」と静観する姿勢を見せた。同県は25年以上前から、中間貯蔵施設を県外に設けるよう求めてきたが、選定は難航し、関電は候補地の提示期限の延長を繰り返してきた。青森県むつ市の中間貯蔵施設を共同利用する案は頓挫し、関電は2021年、23年末までに示さなければ高浜1、2号機(福井県高浜町)などを運転しないと公言した。今年9月に高浜2号機が再稼働すれば、関電の全原発7基が動いたことになり、約束が運転継続の妨げとなっている。そこで浮上したのが、20年代後半から高浜原発の使用済みプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料など約200㌧をフランスへ搬出し再処理する計画だ。6月中旬、関電の森望社長は福井県庁で、杉本知事に『県外搬出という意味で中間貯蔵と同等』『ひとまず約束は果たせた』と言い放った。資源エネルギー庁の担当者も後日、県や議会に対し、国の見解として同じ文言を繰り返した。県側はより詳細な説明を求めたが、国側の回答はない。関電によると、原発敷地内の燃料プールは5~7年程度で満杯に。フランスへの搬出量は県内にある関電の使用済み燃料の5%程度に過ぎない。元県職員で長年原子力行政に携わった福井工業大の来馬克美客員教授は、フランス搬出は国による水面下の努力の結果と指摘。『曖昧な言い方で県が反発し計画が白紙になったら困るので(約束を守った)と言い切ったのでは』と推し量った。6~7月の県議会では、批判が噴出。『お茶を濁しただけ。中間貯蔵と関係ない実証研究で約束を果たせたと言えるのか』(自民会派の山岸猛夫県議)などと反発した。膠着状態の核燃料サイクルを進める手だてとして評価する見方も。自民会派で、高浜原発がある選挙区の田中宏典県議は『課題であるMOX燃料の再処理に向け進んだ』と評価しつつ『関電は(同等ではないが、何とかこれでお願いしたい)という言い方をすべきだった』と指摘した。さらに持ち上がった上関町での中間貯蔵施設建設をめぐる話題。来馬さんは『国や電力会社は、地元の意向をどのように受け止めて対応するかが肝心だ。住民説明会を開催するなど丁寧に取り組んでほしい』と話した。」
 私は、昨日、福井県防災安全部原子力安全対策課に、福井県が、「中間貯蔵施設の福井県外立地」を言及するに至った経緯を照会しました。昨日夕方に、福井県原子力安全対策課から二つの新聞記事が送られてきました。
 一つは、1996年12月14日の中日新聞です。1996年12月13日に、坂川優議員が原発の使用済み燃料の中間貯蔵施設の在り方を質問したのに対し、栗田幸雄知事が述べたことを次のように報じています。「坂川優議員が原発の使用済み燃料の中間貯蔵施設の在り方について質問したのに対し知事は『2010年までに県外に造るよう国が方向性を示せば、一時的に原発内に貯蔵することにも県民の理解が得られるのではないか』と述べ、中間貯蔵施設の建設場所は県外が望ましい、との考えを明らかにした。」
 二つ目は、1997年4月5日の福井新聞です。1997年4月4日の記者会見で栗田幸雄知事が述べた内容について次のように報じています。
 「栗田知事は、4日、定例記者会見で、プルサーマル実施と使用済み燃料貯蔵施設の増強策とは切り離して対応していくとともに、増強策受入れの前提として、使用済み燃料の県外での中間貯蔵方針が具体化しなければならないとの考えを示した。(中略)28日に関西電力と日本原電が申し入れたプルサーマル計画と貯蔵施設増強策について『たまたま時期は一致したが、違った問題と受け止めている。貯蔵状況からも、ゆっくりはしていられない』と早急な対処が必要との認識を示した。しかし、増強策への同意の前提として『2010年をめどに、原発敷地外で中間貯蔵していく方針を国や、事業者が明確にしていくことが最低限必要だ』とした。中間貯蔵場所は『県内にはない。具体的な場所の位置付けも必要』とした。28日に発足した国の使用済み燃料や貯蔵対策検討会については『決して早い対応ではない』とした上で『場当たり的な対応では困る』と、今後の推移を慎重に見守る考え。」
 1997年3月に関西電力と日本原電が、福井県に貯蔵施設増強策を示しました。その前提として、栗田知事は使用済み燃料は「2010年をめどに、原発施設外で貯蔵していくこと」を求め、県内に中間貯蔵施設を設置する場所はないことも事業者に伝えたことがこの記事から分かります。
 冒頭の記事にある「同県は25年以上前から、中間貯蔵施設を県外に設けるよう求めてきたが、選定は難航し、関電は候補地の提示期限の延長を繰り返してきた。青森県むつ市の中間貯蔵施設を共同利用する案は頓挫し、関電は2021年、23年末までに示さなければ高浜1、2号機(福井県高浜町)などを運転しないと公言した。」は、福井県の中間貯蔵施設県外立地の意思の硬さと、それに対する関電の狼狽ぶりが伺えます。
 四面楚歌に於かれた関西電力を助けたのが、中国電力であり、上関町なのでしょうが、なぜ、福井県が27年間拒み続けた使用済み核燃料を山口県内に持ち込まなければならないのでしょうか。
 福井県が拒否する使用済み核燃料の持ち込みは山口県も拒否すべきです。
 県知事が同意すれば、中間貯蔵施設の交付金は大幅に引きあがる仕組みです。
 村岡知事は、福井県がなぜ、使用済み核燃料の中間貯蔵施設の福井県外立地を求めたのか、よく調査をし、山口県での設置に同意しないよう判断すべきです。
 私は、9月県議会に向けて、この問題を更に調査していきたいと思います。
 使用済み核燃料の中間貯蔵問題について皆さんのご意見をお聞かせください。

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