ブログ

日本共産党山口県委員会が「中間貯蔵施設」建設に反対する声明を発表

 日本共産党山口県委員会は、3日、「上関町への使用済み核燃料『中間貯蔵施設』建設に反対する声明」を発表しました。

 声明文は以下の通りです。

・・・

上関町への使用済み核燃料「中間貯蔵施設」建設に反対する声明

2023年8月3日

日本共産党山口県委員会

 中国電力は8月2日、上関町の西哲夫町長に対し、同町に原子力発電所の使用済み核燃料の「中間貯蔵施設」を建設するための調査を申し入れました。調査は関西電力と共同で行う意向であることも明らかにしました。
 中国電力は、上関町への原発建設を計画していますが、地元住民並びに県民の粘り強い反対運動と、福島第一原発事故により、着工の目途は全く見えません。このため、原発建設予定地に対する国交付金に依存していた上関町は、この間、中国電力に対して新たな地域振興策を要望しており、その答えとして中間貯蔵施設の建設が浮上した形です。
 日本共産党山口県委員会は、上関町への「中間貯蔵施設」建設に断固として反対します。
 第1の理由は、貯蔵される使用済み核燃料の危険性です。
 国内で原発敷地外に建設された中間貯蔵施設は、東京電力と日本原子力発電が共同で設置した「リサイクル燃料貯蔵施設」(青森県むつ市)の1か所のみです。同施設の最終的な貯蔵量は5000トンで、含まれる「死の灰」(核分裂生成物)は、広島型原発の17万発分とも指摘されています(小出裕章・元京都大原子炉実験所助教)。
 第2は、「中間貯蔵」は名ばかりで、「最終貯蔵」となることが避けられないためです。
 「中間貯蔵」は、使用済み核燃料の「再処理」を前提にしたものです。青森県六ケ所村に建設中の「再処理工場」は、運転開始が再三延期され、電力業界が「夢の原子炉」と宣伝して福井県に建設していた高速増殖炉の「もんじゅ」は、事故やトラブル続きで実現の見通しがつかないまま、廃炉が決まるなど、「再処理」の実現の目途は全く立っていません。「中間貯蔵施設」は「最終貯蔵施設」となることは必至です。
 第3は、使用済み核燃料の保存技術が確立されていないことです
 国内で唯一の「リサイクル燃料貯蔵施設」(前出)では、金属製のキャスクと呼ばれる巨大な容器の中に5トンの使用済み核燃料を入れ、それを1000基保管する計画です。しかし、使用済み核燃料の放射能が、もとのウラン鉱石と同じレベルに下がるまでにかかる時間は10万年といわれます。その間は安全に保管する必要がありますが、どのような保管方法でも、その健全性が保障できるのは数十年、どんなに長く見積もっても数百年の単位でしかありません。にもかかわらず、安全に保管できるという主張には、およそ科学的な根拠がありません。
 以上、指摘した理由から、日本共産党山口県委員会は、上関町のみならず、日本国内への使用済み核燃料の「貯蔵施設」の建設に断固として反対を表明します。
 今後は、意を同じくする県民や運動団体と力を合わせて、上関町への「中間貯蔵施設」はもとより、上関原発の建設を断念させ、原発ゼロの日本の実現へ全力をあげる決意を改めて表明するものです。

・・・

 声明文に基づき、9月県議会では、県政との関わりを調査しながら論戦を行う予定です。

 中間貯蔵施設に関する皆さんのご意見をお聞かせください。

トラックバック

コメントはまだありません

No comments yet.

コメント

コメント公開は承認制になっています。公開までに時間がかかることがあります。
内容によっては公開されないこともあります。

メールアドレスなどの個人情報は、お問い合せへの返信や、臨時のお知らせ・ご案内などにのみ使用いたします。また、ご意見・ご相談の内容は、HPや宣伝物において匿名でご紹介することがあります。あらかじめご了承ください。