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2025年度 夜間中学が28都道府県59校に広がる見通し 山口県でも設置を急ぐべき時

 5月8日、教育新聞は、夜間中学校が、再来年度28都道府県59校に広がる見通しだと次のように報じました。
 「2020年の国勢調査によると、最終学歴が小学校卒業の人は全国に約80万4000人。義務教育を十分に受けられなかった人や外国人など、多様な人々の学び直しの場である夜間中学校のニーズが再確認され、全国で設置に向けた動きが加速している。特にここ数年は顕著で、現在17都道府県44校と、4年前の19年度と比べ11校増加。文科省によると24、25年度の開校に向けて動いている自治体も複数あり、不登校生徒の新たな学びの場としても期待が高まっている。各都道府県・政令市に設置を目指す文科省も、自治体のサポートや啓発活動に本腰を入れる。3月末には夜間中学の認知度拡充を図る狙いで、生徒や教員が出演するYou Tube動画を公表した。同省初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室の前田幸宣史室長に、夜間中学の現状を聞いた。夜間中学は現在17都道府県44校ある。同省によると、24年度には8校(福島市、群馬県、大阪府泉佐野市、鳥取県、宮崎市、北九州市、佐賀県、熊本県)、25年度には7校(石川県、愛知県、名古屋市、三重県、滋賀県湖南市、岡山市)がそれぞれ設置予定と、近年急ピッチで開設が進められている。その一方で、東北地方や北陸地方などではいまだに検討すらも始まっていない自治体もあり、地域によってばらつきが見られるのが実情だ。国は各都道府県、政令市に設置を目指す。同省の前田室長は、目標を達成するためには『夜間中学の認知度を高めるための、広報活動を充実させることが重要だ』と強調する。20年の国勢調査によると、未就学者(小中学校どちらにも在学したことがない、小学校を中退した)は約9万4000人、中学校を卒業していない人は約80万4000人に上る。同省ではこの約90万人を潜在的な入学希望者として捉え、ニーズの掘り起こしを図ろうとしている。設置に向けて全国の自治体を飛び回り、説明会などに立ってきた前田室長。夜間中学のニーズが比較的高いと思われる高齢者や外国人など市民の生活圏内に入り込み、広報活動をする必要があると強調する。『例えばポスターを貼る場所。これまでは役所周辺が多かったが。それでは限られた人しか見られず、なかなか夜間中学の存在を知ってもらいづらい。駅やバス、病院、コンビニ、郵便局、市民の生活圏内に積極的に貼ってほしい。』と、自治体の関係者に伝えているという。他にも3月末には、夜間中学の生徒や教員が出演するYou Tube動画を作成した。動画は札幌市立星友館中学校と、京都市立洛友中学校の2パターンがあり、それぞれ見どころを短くまとめたダイジェスト版も用意。年代も国籍もバラバラな生徒たちが、夜間中学に通い始めたきっかけやリアルな学校生活について『夢みたいにうれしかった』と顔をほころばせる。外国人の男性は『電気関係の資格をとって、母国との懸け橋になりたい。今までお世話になった分を、どこかで返せばと思う』と、将来の目標を語る。それぞれの生徒が学ぶことの喜びをかみしめつつ、学びや仲間と真摯に向き合っている姿が印象的だ。前田室長は『ポスターなどの掲示物だけでは、その場所に行かなければ見ることはできない。動画であれば、場所を問わず情報に触れられるはず。再生回数も伸びてほしい』と期待を寄せる。夜間中学は、新たな可能性も模索している。近年増加する、不登校生徒の受け入れ場所としての活用だ。現在ある夜間中学44校のうち、洛友中学校と香川県三豊市高瀬中学校の2校が不登校特例校と併設されており、現役の中学生を受け入れている。動画に登場する洛友中学校は、不登校の中学生のための昼間部と、それ以上の年代が通う夜間部とすみ分けし、お互いが交流しながら学びを深め合っている。さらに文科省は16年に、不登校特例校を併設しない通常の夜間中学も『本人の希望を尊重した上で』中学生を受け入れることもできると通知している。一方、22年1月に同省が公表した『22年度夜間中学等に関する実態調査』をみると、不登校生徒を夜間中学(不登校特例校併設など含む)で受け入れている回答したのは3校のみ、検討開始予定との回答も6校にとどまった。前田室長は『在籍校に籍を置きながら、通常の夜間中学に通って学びを進めるケースも増やしていきたい。例えば起立性調節障害で朝は登校が難しいが、夜間であれば学校に通えるといった生徒など、さまざまなニーズがあるだろう』と、今後の拡大に意欲を見せる。『なくてはならない場所』『家以上に安心できる場所』。動画に登場した夜間中学の生徒は、生き生きとした表情でこう語る。年齢や国籍の違いで線引きせず、誰でも、いつからでも学びにアクセスできる場、夜間中学。その意義について、前田室長は『20年の国勢調査の結果を受けて、全国各地に学び直しのニーズがあることは明らかになった。各自治体には、夜間中学のニーズがある前提で動いてほしい。何歳になっても学び直せる環境を、行政は担保しなければならない。さらに共生社会を踏まえると、日本で暮らしている外国人の学びたい気持ちに応えることも行政の役割だ。国としても、さまざまな補助や支援を用意し、後押ししていきたい』と強調した。」
 私は、2月県議会において、夜間中学を設置するよう求める質問を行い、木村副教育長は「県教委でニーズ調査の結果を踏まえ、今後、各市町教委と協議の場を設け、引き続き夜間中学校の必要性について検討していくこととしている」と答えました。
 文部科学省の今年4月時点の調査によれば、今年4月までに設置されているのが、17道府県、開校を公表したのが11県、開校に向けて検討を進めているとしている地域が3県、合計31都道府県となっています。
 この内県立で夜間中学を開設したのは、静岡、徳島、高知の3県です。開設予定の県立のものは、群馬、愛知、三重、熊本、長崎、佐賀の6県、合計9県です。
 夜間中学の設置の予定がないのは、青森、岩手、秋田、山形、新潟、栃木、山梨、富山、岐阜、福井、和歌山、愛媛、島根、山口、大分、沖縄の16県となっています。
 山口県でも県立での実施の検討も行い、一日も早く夜間中学を設置すべきです。
 私は、不登校特例校についても設置を急ぐべきだと2月県議会で質しました。木村副教育長は「まずは、市町村教委等と連携し、本県の不登校児童生徒の実情やニーズの把握に努めてまいる」と答えました。
 記事にあるように、夜間中学と不登校特例校を併設することも山口県として検討すべきです。
 引き続き、県内への夜間中学校の設置と不登校特例校の設置を県教委に求めていきたいと思います。

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