山口県教育委員会は、10月27日、「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題の現状について(概要)」を発表しました。
年30日以上欠席した不登校児童生徒数は、小学校は、807人で、前年度より196人増でした。1000人当たりの不登校児童数は、12.4人で前年度より3.2人増でした。
中学校及び中等前期課程は、1796人で、前年度より341人増でした。1000人当たりの不登校生徒数は、52.8人で、前年度より10人増でした。
高校及中等後期課程は、348人で、前年度より81人増でした。1000人当たりの不登校生徒数は、11.2人で、前年度より2.9人増でした。
中学校及び中等前期課程の1000人当たりの不登校生徒数の全国平均は、50.0人ですので、山口県の数は、全国平均を2.8人上回っています。
11月7日、山口新聞は、不登校問題について次のように報じました。
「不登校の小中学生が2021年度に24万人を超えて過去最多となったことが文部科学省の調査で判明し、教育現場の大きな課題に浮上している。選択肢として注目されるのが『不登校特例校』。通常より授業時間を減らすことができ、少人数のクラスで子どもがゆとりを持って過ごせるよう配慮されている。設置数は十分とは言えず、国は自治体に導入を促す。『この空欄には何の数字が入りますか』。9月5日、東京都八王子市立高尾山学園の教室。中学3年生の約10人が、黒板の前に立つ数学教員の説明に聞き入った。生徒の周りにはサポート役の教員2人と支援員1人もいて、指導者側は計4人と手厚い。在校生は小4~中3の約100人。主に以前の学校で不登校になった子どもが通う。授業時間を通常より2割削減しているのが特徴で、教室に居づらくなったらカウンセラーが待機する相談室も、卓球台や漫画のある『プレイルーム』で過ごす。黒沢正明校長は『学校が安心できる場所になれば、子どもは自然と前を向く』と話す。文科省によると、不登校特例校は学習指導要領に縛られずに学習内容を調整できる学校として、05年に制度化された。17年施行の教育機会確保法では、不登校特例校の設置が国と自治体の努力義務となった。だが、今春時点で10都道府県に公私立の計21校しかない。費用負担だけでなく、児童生徒側のニーズを予測しづらいのも自治体が二の足を踏む理由とされる。私立鹿児島城西高校(鹿児島県日置市)では、06年から、普通科の中に『ドリームコース』を設け、不登校特例校として認定されている。全校生徒約1300人のうち同コースは約50人。集団が苦手な生徒もいて、昇降口を分けるなど工夫する。開設当初の生徒は7人だったが、近隣の中学で説明会を開くなどして知名度を上げ、今は毎年数十人が入ってくる。鹿児島城西高の神野重徳教諭(71)は『新たな学校を設置する場合の負担が大きいが、空き教室を活用する方法もある。国が運営ノウハウやカリキュラムの実例を周知すれば学校数は増えるのではないか』と話した。」
県教委に、山口県内に不登校特例校があるのか尋ねると「不登校特例校はない」とのことでした。
中学校では、不登校生徒の出現率が全国平均より多い山口県こそ、「不登校特例校」を設置すべきだと思います。
県内で、2951の小中高校生が不登校となっている状況は、現在の山口県教育のあり方に警鐘が鳴らされている事態だと思います。
競争教育偏重の山口県教育の在り方を見直し、どの子どもにもゆきとどいた教育を届ける教育に転換することが山口県教育に求められていると思います。
そのことは、現在、提案されている高校再編計画にも通底している問題があると感じました。
不登校児童生徒数が過去最多を更新する状況になっています。この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。
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