日本共産党中央委員会理論政治誌「前衛」10月号は、長年、統一協会を取材しているジャーナリストの柿田睦夫さんの「統一協会(現・世界平和統一家庭連合)の正体・本質は何か」を掲載しています。
柿田さんは、4つのキーワードで統一協会の実態と本質を指摘しています。
第一は、「祝福」と「万物復帰」です。
「祝福」とは、集団結婚式のことです。柿田さんは次のように解説しています。
「教理解説書である『原理講義』によれば、その教えは、アダムとエバの時代にエバがサタンと不倫をしたことによって、人類は原罪=罪を負うことになりサタンの血統になった、戦争、犯罪やいさかいなどすべての不幸の原因がそこにあるのだから、人類を救済するためにはサタンの血統を転換(血統転換)しなければならない。『血統転換』は、文鮮明によって選ばれ清められた女性が、文鮮明に指定された男性と結婚することによって、初めて原罪のない子どもが生まれることで、人類は救済されるというものです。これが祝福であり、集団結婚はその象徴的な儀式です。」
「万物復帰」は、正体を隠した詐欺的伝道や霊感商法を合理化する教えだと柿田さんは指摘し、次のように解説しています。
「地上にある万物=すべての人や財産は、本来、神のものであり、地上というサタンの世界に置かれている財産を本来の所有者である神のもとに『復帰』させるものだから、それは善行であり、救いであるというわけです。たとえば、霊感商法で相手をだまして財産を文鮮明に授けることは、信者だけでなく、だました相手にとっても救いなのです。それが『万物復帰』の教えです。」
二つ目のキーワードが洗脳とマインドコントロールです。
柿田さんは「信者たちは、マインドコントロールのもとで、文鮮明と韓鶴子を『真(まこと)の御父様、御母様』とよび、救いのために祝福してもらいたい、集団結婚に選ばれたいという強い願いの上に、言われるままやるようになります。そんな状況で霊感商法、街頭伝道、勝共連合など、さまざまな分野で活動します。たとえば午前から午後にかけては勝共連合を名乗って選挙応援、夜は霊感商法の霊能者の役割を果たすなどということもあります。」と解説します。
三つ目のキーワードは「勝共」です。
柿田さんは、日本での勝共連合の発足の経過を次のように解説します。
「1967年7月に、富士山の麓で『本栖湖会談』というものが開かれました。山梨県・本栖湖畔の全国モーターボート競走会連合会の研修所に、韓国側から文鮮明と劉孝之、日本側は日本船舶振興会(現・日本財団)トップで大物右翼の笹川良一や白井為雄ら侵略戦争中の特務機関で活動していたメンバーが集まって談合しました。そして翌68年に、笹川や岸信介元首相らが発起人となって日本の国際勝共連合が発足しました。」
第四のキーワードは「偽装」です。
柿田さんは、「あるときは勝共連合になり、あるときはハッピーワールドになる。同じ統一協会です。勝共連合という組織があっても、その看板となる会長などはいるけれども、実動部隊のない組織で、なにかあれば統一強化のどこかのグループが活動するという形です。」と解説しています。
柿田さんは、なぜこのような詐欺的伝道や霊感商法が野放しにされてきたのかについて二つの理由を挙げています。
第一に柿田さんは、「政権政党=自民党との関係です。それが警察を含む行政への圧力になったことは否定できないと思います。」と指摘します。
第二に柿田さんは、「社会的無関心さです。被害者たちの苦しみは常に他人事としてしか見られてきませんでした。それをつくりだしてきた原因はメディアの『不報の罪』だと思います。」と指摘しています。
引き続き、柿田さんの論文などから統一協会の本質について学んでいきたいと思います。
統一協会の問題や情報を、藤本にお寄せ下さい。
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