18日、県議会が閉幕しました。
私は、日本共産党を代表して反対討論を行いました。
私が行った討論は次の通りです。
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日本共産党県議団を代表して、2月定例会議に付託された議案に対する討論を行います。
反対する議案は、議案1号、16号、33号、36号、41号及び57号です。
議案第1号一般会計予算についてです。
新年度一般会計の歳入は、法人二税が161億円増で、県税収入が前年度比322億円増、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の増額により、国庫支出金は、前年度に比べ222億円増、また、臨時財政対策債は289億円の減額になるなど、県財政の歳入は、近年になく安定したものとなりました。
新年度は、新型コロナ対策に十分な財政を確保しつつ、県民の中に広がっている格差と貧困を解消するために県民の暮らしを支える積極的な財政支出が可能でした。
県が当初予算案の概要の参考資料として作成した「関連事業一覧」を見ると、新型コロナウイルス感染症を防止する「感染拡大防止対策の強化」予算は、昨年度の334億円から498億円に増加しましたが、「県内経済の下支え」予算は、昨年度の329億円から273億円に減っています。
公共事業関係をみると、「産業力強化」の名で推進されている幹線道路網の整備等の推進や瀬戸内沿岸の港湾事業に係る予算は、昨年度の113億円から今年度の110億円と現状が維持される一方、防災、洪水、土砂災害防止に係る予算は174億円から162億円に減少しています。
また、コロナ禍で拡充が求められている急性期病床の削減や廃止を奨励する医療機能分化連携推進事業に5億3600万円計上されています。教育現場の時間外勤務削減のため部活動の顧問に代わって引率や指導を行う部活動指導員を配置する事業の予算は4100万円から2300万円と約半減です。
当初予算(案)について知事は「新たな未来づくりへの挑戦」と言われますが、コロナ禍で未来を見いだせない県民を支援する予算となっていない点を指摘したいと思います。
包括支援交付金や地方創生臨時交付金など県独自施策に活用できる財源が確保されている今だからこそ、積年の県民要望である、子どもの医療費助成の対象年齢の引き上げや30人学級化など、誰ひとり取り残さないための施策実現に取り組むよう強く要望します。
加えて、当初予算に計上されている「クラスノダール地方協定締結5周年記念事業」についてです。約730万円の財源に国庫支出金300万円が充てられています。この支出金は、2016年に安倍晋三元首相とプーチン大統領との直接交渉でつくられた「日ロ経済協力プラン」推進のため、新年度政府予算案に計上されている21億円の一部です。
本会議でも指摘しましたが、ロシアはウクライナ侵略戦争において、民間人を標的とした残虐行為をエスカレートさせています。クラスノダール地方政府はロシア連邦の一員であり、一連の残虐行為に加担している可能性もあります。「ロシアのウクライナ侵略は断固として許せない」の明確なメッセージを発するためにも事業中止を決断するよう強く要望します。
議案第41号は、令和3年度一般会計補正予算です。
財源調整用基金は、今年度当初95億円だったものを106億円積み増して201億円としたうえで、新年度111億円取り崩し、新年度末の基金残高は90億円と見込まれています。
昨年度は、当初111億円だったものを29億円積みまして、年度末140億円としたうえで、45億円取り崩し、今年度末の基金残高を95億円と見込んでいました。
今年度は、45億円の財源不足としながら、106億円、財源調整用基金を積み増すことが出来たのです。財源調整用基金の積み増し額は、昨年度の3倍以上です。
その結果、令和3年度の最終補正である本予算は、157億円の減額となりました。新型コロナ対策などを行う衛生費が28億円、教職員の増員が求められている教育費も18億円の減額です。
差し引き157億円も減額するのなら、コロナ禍で苦しむ県民の命と行き届いた教育の実現に予算に回す必要があったことを指摘したいと思います。
議案第16号は工業用水道事業会計予算に係るものです。
工業用水道事業は、過大投資で大きな損失を生じさせた苦い過去を教訓にして、適切な需要見込を前提とした経営が求められます。
昨年の決算委員会によると、20年度末の未契約水は日量15万9千㎥、前年度より5千㎥増え、未稼働水も14万5千㎥を抱えています。
これに加え、工業用水道事業が抱え込んでいた弥栄ダム未事業化分(先行水源)3万2千㎥は、155億円で一般会計に移管されましたが、残された企業債4億5千万円余は一般会計で負担しているほか、毎年約4千万円のダム分担金の支出が続けられています。一般会計からの支出は膨らむばかりです。
こうした事態を招いた過大な需要予測の誤りを率直に認め、その要因をしっかりと検証して、再発防止策を講じることが不可欠であることを指摘するものです。
議案第33号は、学校職員定数の一部を改正する条例です。
新年度の教職員数は特別支援学校で39人増加するものの、小学校48人、中学校2人、高等学校47人の計97人減少します。一人の子どもも取り残さないためにも、教職員の時間外勤務時間の削減のためにも求められているのは教職員の大幅増であり、反対します。
議案第36号は、県立光丘高等学校を廃止するため、高等学校等条例の一部を改正する条例です。
県教委は2005年から「県立高校再編整備計画」に沿って、高校の統廃合を推進してきました。その結果、同年度の66校4分校は、今年度47校8分校に、すなわち15高校が消滅し、4校は分校化されました。
県教委が統廃合の基準として設けている「望ましい学校規模」では、3つの教育効果が期待できるとうたわれていますが、教育学的な根拠は示されていません。
この間、進められた県立学校の「再編整備」の背景に公共施設の数、延べ面積を削減し、更新費用や維持管理経費を削減することを狙った公共施設等総合管理計画があることは明らかです。
行政コストを削減するために県立高校の統廃合を進める計画は中止すべきことを要望するものです。
議案第57号は、今年度の建設事業に要する経費の一部負担を市町に求めるものです。
負担金総額は36事業で33億4千万円にも上っています。市町が、コロナ対策で大変な苦労をしている最中です。せめて、建設事業に要する経費の一部を市町に負担させる制度は廃止して、市町の財政を側面支援すべきであり、反対します。
次に、本会議に提出された請願第1号及び2号についてです。
両請願とも不採択とした委員長報告に反対します。
請願第1号「人道的見地から沖縄戦戦没者の遺骨等を含む土砂を埋立てに使用しないように求めることについて」です。
請願者のお一人の方から私に手紙がおくられてきました。
「私の伯父は、山口高等商業学校にあった陸軍士官学校からビルマの戦地へ派遣されましたが、77年を経た今日も、日本政府は責任を取らず遺骨を激戦地であったジャングルに放ったままです。このようなご遺骨が100万柱、アジアの戦地に未だに残されたままです。沖縄県南部地区でも同じ事です。南部一帯は沖縄戦の激戦地で、多くの民間人、軍人が亡くなった場所です。未だ家族のもとに帰還できないご遺骨が多く残されたままなのです。日本政府は戦後補償を怠って今日までどこを見続けて国政を司ってきたのでしょうか。それどころか、辺野古基地埋立に使う土砂を、平気で南部地区から採取し使う事が出来る訳とは。ご遺骨混じりの土砂を基地建設に使う事は、戦死者、その御遺族を冒涜する行為ではないでしょうか。御遺族としては二重苦なのです。もし、県議会議員の皆様が同じ立場になられたらいかがでしょうか」という悲痛な訴えです。
同趣旨の請願は、沖縄県を始め、京都府、奈良県、埼玉県でも採択されています。戦死者、御遺族を冒涜することになる、遺骨が含まれた沖縄県南部地区の土砂を辺野古の埋め立てに使われることがないよう、議員各位におかれては、本請願に賛成していただけますようお願いいたします。
請願第2号、「山口県岩国児童相談所の不作為による要保護児童の自殺について」です。
児童虐待とは、①身体的虐待②性的虐待③ネグレクト④心理的虐待の4つがあると規定しています。
厚生労働省の「地方公共団体における児童虐待による死亡事案等の検証について」とする通知に、検証の対象は「虐待による死亡事例」とあります。
県は、これまで御遺族が求めてきた第三者委員会の検証について、この厚生労働省の通知を盾に、本事案は「虐待事案」ではないとして、第三者委員会の検証を拒んできました。
私は、この案件は、ネグレクトや心理的虐待である可能性は否定できないと思います。
県は、第三者委員会を開催し、真摯に女子生徒が亡くなったケースを検証すべきです。
各議員におかれては、御遺族の気持ちに寄り添っていただき、本請願に賛成していただくようお願いいたします。
最後に、今年度末をもって、本会議に出席されている4人の参与員の方々をはじめ、多くの県職員が退職されます。
この間、議場から厳しい言葉を突きつけることもありましたが、県民福祉の向上をめざす立場では共通していたものと思います。日本共産党県議団を代表して、心よりお礼申し上げます。
退職される参与員および職員のみなさん。今後も健康に留意され、新しい分野で末永くご活躍されるよう祈念するものです。
以上で、討論とします。ありがとうございました。
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引き続き、県政全般に対する皆さんのご意見ご要望を藤本にお寄せください。
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