8日付毎日新聞は、東京都教育委員会が全ての都立学校の女子トイレに備品として生理用品を置く取り組みを始めたと次のように報じました。
「東京都教育委員会は2021年秋から、全ての都立学校の女子トイレに備品として生理用品を置く取り組みを始め、生徒らに広く利用されている。『生理の貧困』の問題が注目され、同様の取り組みは全国の学校で広がっているが、都道府県レベルで置いているのは東京、神奈川、群馬、滋賀といった一部の自治体で、千葉や宮崎が実施を決めるなど始まったばかり。『全ての公共施設に置いてほしい』と、さらなる広がりを求める声も上がっている。『使う生徒がこんなに増えるとは思わなかった』。21年5月中旬から生理用品をトイレに置き始めた都立新宿高校(新宿区)の藪田憲正統括校長は驚く。同校では女子トイレ2カ所の手洗い場に『ご自由にお持ちください』と張り紙をして生理用品を置き始めた。約960人の生徒の半数強が女子。1日1個使われるくらいだろうと予測していたところ、1週間で6個▽10日で24個▽1カ月で95個ーと、日を追うごとに増え、今では1日に10個以上使用される。以前は必要な場合に保健室に行けば生理用品がもらえる仕組みで、20年は年間10個程度しか使われていなかった。生徒からは『これまで友達に持っていないか聞いて回っていた』『すごく助かる』といった声が出ているという。薮田さんは『トイレットペーパーのように備品として置いたことで、気軽に手を伸ばせるようになったのでは』と推測する。学習に集中できる環境作りになるとして、生理用品以外にも同様のニーズがないか探る考えだ。新宿高校などでの先行実施を踏まえ、都教委は21年9月から、都立高校や特別支援学校など約250ある都立学校に生理用品を配布した。大学生らによる団体『#みんなの生理』が生理用品に軽減税率の適用を求める署名行動を行ったり、『経済的な理由で生理用品の入手に苦労した経験のある学生が5人に1人いる』という調査を発表したりして、『生理の貧困』という言葉に注目が集まった。世論の高まりを受けて、各地で生理用品の無償配布が始まった。内閣府によると、全国で581の自治体(21年7月20日時点)が同様の取り組みを始めた。しかし、都立学校のように備品として置くのではなく、窓口で希望者に配布する形をとるケースが少なくない。」
21年7月20日時点の内閣府による「『生理の貧困』に係る地方公共団体の取組一覧によると山口県の県立学校では、昨年6月中旬から「必要に応じて個別に生理用品を配布する」とされています。
県教委学校安全・体育課などは、昨年6月15日に、各県立学校長に「保健室等における相談体制の充実及び生理用品の配布に係る対応の工夫について」という文書を発出しています。
文書は「保健室等で個別に対応する際には、生理用品等を自身で用意できない児童生徒の背景になる要因にも着目し、保健室等に備えている生理用品を渡した場合に返却を求めないなどの対応とあわせて適切な支援をお願いいたします。」としています。
山口県社会保障推進協議会が県に提出した「2021年度社会保障・福祉施策の改善を求める要求書」に対し、12月23日、県の各部署から回答が行われました。
山口県社会保障推進協議会は「コロナ禍で大きく浮上した『生理の貧困』についてリプロダクティブ・ヘルス/ライツの観点から全ての学校・大学及び公的施設の女性トイレに無償の生理用品を県費で設置すること」を求めました。
この要望に、県教委は「県教委では、これまでも、生理用品等が必要となった児童生徒に対して、保健室において配布などを行ってきたところです。現時点、学校の女子トイレに常設することは考えていませんが、新型頃案ウイルス感染症の影響が長期化する中、保健室等における相談体制を充実するなど、引き続き、児童生徒一人ひとりの状況に応じた支援を行ってまいります。」と答えました。
冒頭の記事にあるように、東京都では以前は保健室に行けば生理用品がもらえる仕組みはありました。新宿高校で20年は年間10個程度だったものが、女子トイレに常設して以降は1日に10個以上使用される実態を山口県教委は学ぶべきだと思います。
私は、12月23日に行われた山口県社会保障推進協議会の要求に対する回答がされる場において、「県教委は、生理用品を女子トイレに置くことは、教育的なデメリットがあると考えているのか」と質しました。この点について県教委の担当者から明確な答弁はありませんでしたが、とくにかく、東京都の取り組みに学び、県教委は、県立学校の女子トイレに生理用品を一日も早く常設すべきです。
東京都立学校の女子トイレに生理用品が備品として設置されることになりました。この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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