日本基督教団宇部緑橋教会など8団体は、10月3日、村岡知事に対して、「知事等の山口県護国神社例大祭参拝停止を求める要望書(8)を提出しました。
要望書の内容は以下の通りです。
・・・
2021 年 10 月 3 日
山口県知事 村岡嗣政様
日本基督教団 宇部緑橋教会/日本基督教団 宇部教会
日本基督教団 西中国教区 靖国天皇制問題特別委員会
全国一般労働組合全国協議会山口連帯労働組合
憲法を活かす市民の会・やまぐち/被爆二世の会
「合祀いやです」少数者の人権を求める会
念仏者九条の会山口
知事等の山口県護国神社例大祭参拝停止を求める要望書(8)
日頃より県民市民のためにご奉仕下さり感謝申し上げます。
さて、標記の件について、度重ねて要望しているところですが、直近三回のご回答は「2019 年
7 月 17 日付…回答しましたとおり」というご回答のみであることは大変遺憾です。
ご承知の通り、前回の要望書提出以降、この間に「靖国・天皇制問題情報センター」が、全国知事
に対して護国神社参拝に関するアンケート調査を行い、結果、山口県を含む 7 県のみが、今以て公務
参拝を継続していることが判明しました。一方で、参拝依頼があるにも関わらず、「政教分離の観点か
ら」「護国神社の重要な宗教的行事であるため」「宗教行事のため」「政教分離に抵触する」「政教分離
の原則に反する」との理由で参拝を辞退している県は 17 県、その他も加えると 33 もの道府県が公務
参拝はしていないことが判明しました。
村岡知事は、自らの参拝行為を「社会的儀礼」と主張しておられ、上記アンケート調査を踏まえた
記者の質問に対して 9 月 1 日の記者会見でも同様のことを述べておられます。
確かに、各自治体の自治権において知事には裁量権がある訳ですが、本件については憲法理解の問
題であり、この度のように正反対とも言える有り様は、憲法への尊重擁護義務を負う立場として解釈
の域を超えていると言わざるを得ません。言わば、山口県知事は、参拝を拒否している 17 県知事の
憲法理解は間違いだと言っているのに等しいわけです。
「靖国・天皇制問題情報センター」は、アンケート調査について 2 名の憲法学者からのコメントを
得ていますが、いずれにおいても知事等による公務参拝行為は憲法違反との指摘が為されています。
このコメントについては同センターより既に知事にも届けられているところですが、改めて 2 頁目以
降に再掲しておきます。
下記、改めて質問と要望を申し上げますので、本書を受領されてから一ヶ月以内に、回答書の
手交と同時に質疑応答の場を設けて下さい。日程については、追って案を 2,3 ご提示下さい。な
お、感染症状況によってはオンラインでの対応も可能ですので申し添えます。
記
護国神社への公務参拝について、山口県知事の憲法理解は全国的に圧倒的少数であること、も
とより過去の判例を踏まえれば政教分離違反であることは明白であることから、職員、ひいては
県民の信教の自由の侵害行為に当たる公務参拝は、即刻停止とすることを表明されるよう要望し
ます。
停止されないのであれば、憲法学者の指摘を踏まえて、自らの行為の合憲性をご説明下さい。
以上
・・・
昨日、この要望書に対して、田中県健康福祉部長寿社会課長が回答を行いました。
「知事等の山口県護国神社例大祭参拝停止を求める要望書」の回答を受ける小畑宇部緑橋教会牧師(左)
回答は次の通りです。
・・・
県では、平常業務として戦没者遺族等の援護に関する業務を担当しており、この慰霊大祭には多数の御遺族が参列されていることもあり、県遺族連盟等からの案内を受け、戦没者及びご遺族に対して、弔意、哀悼の意を表するために、社会的儀礼として主席しているものです。
今後とも県遺族連盟等から案内があれば、知事や健康福祉部長等が出席し、戦没者及び御遺族に対する慰藉慰霊の意を表してまいりたいと考えています。
なお、最高裁判所の判例として、知事の護国神社慰霊祭への出席が、憲法に禁ずる宗教的活動に当たるとされたものは存在しません。
・・・
参加者から、「例年11月に開催されている秋の大祭について県はどう対応するのか」との質問が出されました。
これに田中課長は「県遺族連盟から秋の大祭について、県には案内しないという連絡が入った」と出席しない意向を表明しました。
参加者から、「来春の大祭について、県はどう対応するのか」との質問が出されました。
これに田中課長は、「県遺族連盟等からの案内があれば、出席することになると考える」と答えました。
私は、「33道府県が護国神社での行事に参加していないとの事実をどう受け止めるか」と質しました。
これに田中課長は「他県ではそのような判断をされたのだろうが、本県では、社会的儀礼として参加している。」と答えました。
私は、「宇部市が、宇部護国神社の大祭に参列していたが、顧問弁護士と相談して参加を取りやめた経緯があるが、県はどう考えるのか」質しました。
これに田中課長は「宇部市ではそのような判断をされたのであろうが、本県では、社会的儀礼として参加している。」と答えました。
私は、「県遺族連盟からの案内ではなくなった場合、県はどう対応するのか」質しました。
これに田中課長は「仮定の質問には答えられない」と答えました。
知事へ要望書を提出した団体は、引き続き、県への働き掛けを継続しようと話し合っています。
全国33道府県が護国神社への自治体からの参加を中止しているのに、山口県は、知事を始め、県関係者が護国神社の大祭等に参加し続けています。
皆さんは、この問題をどのようにお考えですか。ご意見をお聞かせ下さい。
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