ブログ

横浜市長選 市民と野党の勝利 「仕方ない帝国」乗り越えるチャンス

 昨日のしんぶん赤旗日刊紙は、横浜市長選挙の結果について次のように報じました。
 「任期満了に伴う横浜市長選挙が22日投開票されて、市民と野党の共同候補で元横浜市大医学部教授の山中竹春氏(48)=無・新、立憲民主党推薦、日本共産党、社民党、緑の党、新社会党支援=が、横浜市を地盤とする菅義偉首相をはじめ自民・公明党が実質全力で支援した小此木八郎前国家公安委員長らを破り初当選しました。菅政権への厳しい批判を示すとともに、総選挙に向けた市民と野党の共闘前進に大きな弾みをつけました。(中略)山中氏は、コロナ失政を続ける菅政権に対する市民の怒りの受け皿となって支持を広げました。菅政権言いなりの林市長と議会多数派の自民、公明が推進するカジノを中核とする統合型リゾート(IR)誘致を中止し、『カジノよりコロナ対策を』と訴え。IR誘致の是非を問う住民投票を求め市内約20万人の署名を集めた運動を引き継ぐ『カジノ反対の市長を誕生させる横浜市民の会』や、横浜港の港湾輸送事業者でつくる『横浜港ハーバーリゾート協会』などの支援を唯一受けました。コロナ対策では『ワクチン接種スピードアップ』『いつでもどこでもPCR検査』『病床、医療人材の確保、経営支援』などの公約を訴えました。(小池書記局長のコメント)菅義偉首相のおひざ元で、菅政権に対する痛烈な審判が下りました。カジノ誘致をめぐる横浜市政の転換を求める市民の意思が示される結果となり、市民と野党の共闘の力が発揮されました。」
 念仏者9条の会と非戦平和を願う真宗門徒の会は来月9日、高橋純子さん(朝日新聞論説委員)を講師に、「『仕方ない帝国』を終わらせるために(仮題)」との演題で合同全国集会を開きます。
 それに先立って、先日から高橋純子著「仕方ない帝国」を読んでいます。
 この本は、2017年10月に出版されたものです。安倍長期政権真っ只中に書かれたものです。朝日新聞の「政治断簡」に高橋さんが書かれた記事をまとめたものが本書です。
 表題にある「仕方ない帝国」は、2017年2月19日に高橋さんが書かれた記事です。
 事の発端は、1月26日、衆院予算委員会で民進党の議員が質問している最中に、安倍首相が退席した問題です。
 高橋さんは、安倍首相の姿についてこう書いています。
 「戻ってきた首相は、ズボンをずり上げるしぐさに続き、両手を上げて伸びをして、閣僚らからドッと笑いが起きた。国会審議を軽んじている。カリカリと質問する野党議員を見下し、嗤っている―。『真意』はこの際関係ない。権力者の言動はそれ自体がメッセージだからだ。ああ。心がザラザラする。お前は無力だ、お前のやることには何の価値もないというメッセージを、まんまと感受してしまった。嗤われる側はそうやって少しづつ気力がそがれ、政治のダイナミズムは失われる。(中略)嗤われるのは、数を力という『現実』に抗し、理念や理想を語る者。所与の現実から最大限の利益を得ることに腐心する『現実主義者』にとって、理想なんて1円にもならないキレイゴトだから。しかしー。現実ってなんだ?(中略)そのように捉えられた現実は、安易に『仕方がない』に転化する。こうした思考様式がいかに広く戦前戦時の指導者層に食い入り、日本の『現実』を泥沼に追い込んだか。(中略)既成事実への屈服が、さらなる屈服を生む。対米追従は仕方ない。沖縄に米軍基地が集中するのは仕方ない・・・。現状追認の無限ループ、そんな『仕方ない帝国』に生きてて楽しい?嗤われたら笑い返せ。現実は『可能性の束』だ。私もあなたも一筋の可能性を手に、この世に生まれてきたのだ。」
 昨日の読売新聞に菅内閣発足後の主な選挙と結果が掲載されていました。
 山形県知事選挙(1月24日)は敗北、千葉県知事選挙(3月21日)は敗北、衆院北海道2区補選(4月25日)は不戦敗、参院長野選挙区補選(4月25日)は敗北、参院広島選挙区補選(4月25日)は敗北、静岡県知事選(6月20日)は敗北、東京都議選(7月4日)は過去2番目に少ない33人当選にとどまりました。そして、横浜市長選も敗北。
 少しづつ「仕方ない帝国」が崩壊しているのではないと感じます。
 横浜市長選挙では、「IRは仕方ない」の論理が通用しなかったことが明らかになりました。
 「オリンピックは仕方ない」「コロナで入院できないのは仕方ない」の理論も通用しなくなりつつあります。
 この秋には総選挙です。山口県では、10月に参院補選です。「仕方ない帝国」を乗り越え、私たちの声が通る国会を作っていきましょう。

トラックバック

コメントはまだありません

No comments yet.

コメント

コメント公開は承認制になっています。公開までに時間がかかることがあります。
内容によっては公開されないこともあります。

メールアドレスなどの個人情報は、お問い合せへの返信や、臨時のお知らせ・ご案内などにのみ使用いたします。また、ご意見・ご相談の内容は、HPや宣伝物において匿名でご紹介することがあります。あらかじめご了承ください。