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厚労省、軽症患者を「自宅療養を基本」にする方針へ転換

 8月3日、厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部は、都道府県などに「現下の感染拡大を踏まえた患者療養の考え方について(要請)」とする文書を発出しました。
 厚生労働省の要請文は、次のように現状について書いています。
 「東京を中心に医療の現場は大変さを増しつつあります。40代50代の重症者は、都内では増加傾向にあります。熱中症などの救急搬送も増加しており、一般医療への負荷も増える中で、感染者数も急増し、すぐに入院できずに自宅で療養する人が増えています。こうしたことを踏まえ、ワクチン接種の進展に伴う患者像の変化等の中で、患者が急増している地域における対応として、以下のような患者療養の考え方をとることも可能である旨、お示しする」
 厚労省の要請文は、次の4点を示しています。
 ①入院治療は、重症患者や、中等症以下の患者の中で特に重症化リスクの高い者に重点化することも可能であること。その際、宿泊・自宅療養の患者等の症状悪化に備え、空床を確保すること。
 ②入院させる必要がある患者以外は、自宅療養を基本とし、家庭内感染の恐れや自宅療養ができない事情等がある場合に宿泊療養を活用すること。
 ③健康管理体制を強化した宿泊療養施設を増強すること。
 ④地域の医師会等との連携や外部委託を含め、自宅療養者への健康観察を更に強化し、症状悪化の際は速やかに入院できる体制を確保すること。その際、HER-SYSを改善し導入した、スマートフォンでの健康管理・IVR(自動音声応答システム)を活用した自動電話等の機能も活用しつつ健康管理を推進すること。」
 7日付、しんぶん赤旗日刊紙は、「菅政権の新型コロナウイルス感染者の入院制限方針に厳しい批判が出たことを受け、厚生労働省は5日、3日付で自治体向けに出した通知の説明資料を修正しました。入院治療の対象に酸素投与が必要な患者らを加えたものの、中等症を含め入院を制限する方針は変わっていません。3日付通知は、感染が急拡大している地域では入院治療を重傷者や『特に重症化リスクの高い者』に重点化することが可能とし、それ以外の患者は『自宅療養を基本』と明記しました。田村憲久厚労相は同日の会見で、在宅での酸素投与も可能だと発言。軽症・無症状者や、酸素投与に至っていない中等症Ⅱの患者も、在宅で対応することがあり得るとの考えを示しました。田村氏は厳しい批判を受け、4日の国会審議で『呼吸管理されている方が入院しないことはあり得ない』と修正しました。厚労省の修正後の説明資料は、入院の対象に『中等症患者、投与が必要な者、投与が必要でなくても重症化リスクがある者』を追加。『最終的には医師の判断』との記述も盛り込みました。ただ、肺炎の所見があり中等症Ⅰと診断されても、基礎疾患など重症化リスクがないと判断されれば在宅対応となる恐れがあります。中等症患者と重症化リスクがある軽症・無症状者を原則入院としていた従来の方針からの大幅な後退は変わりません。入院制限方針の撤回しかありません。また、入院患者以外は自宅療養が基本としての記述に変更はありません。従来は軽症・無症状者も宿泊療養施設での対応を原則としており、ここでも大幅に後退したままです。」
 菅首相は、3日付の通知は、東京など一部の地域に限られるなどと釈明しましたが、3日付通知は、山口県を含めた全国の都道府県に出されたものです。
 通知では、感染が急拡大している地域との前提がありますが、山口県でも感染が急拡大し、ステージ3になりました。厚労省は、山口県に対しても新方針の対象としていると理解されてもしかたがない状況です。
 赤旗の報道通り、5日に一部修正はしたものの、重症化リスクがある軽症・無症状者を原則入院としていた従来方針からの大幅な後退が放置されたままになっていることは許されません。
 日本共産党県委員会と県議団は、5日、知事に申し入れを行い、この問題では、①新方針の再考を国に求めること②重症化リスクがある軽症・無症状者を原則入院していた従来方針の継続などを要請しました。
 県からは近く文書回答が寄せられる予定です。
 山口県では、重症化リスクがある軽症・無症状者を原則入院との対応が継続されることを強く求めていきたいと思います。
 国が、重症化リスクがある軽症・無症状者を原則入院との従来方針を後退させ、入院制限方針を都道府県に示しました

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