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15年前の上関大橋破損非公表 県、町にも伝えず

 中国新聞は、昨日、上関大橋について次のように報じました。
 「路面に約20センチの段差が生じた上関大橋(上関町)を管理する県が15年前も橋の破損があったことを公表していなかった問題で、県が地元にも情報提供していなかったことが25日、明らかになった。同町では県の姿勢に不信の声が広がり、専門家も『感覚を疑う』と県の情報公開の在り方を問題視する。25日、上関町役場の町長室で柏原重海町長はこう断言した。『過去の損傷は聞いていない』。今回の情報が入ったため県に問い合わせたところ、24日に担当者から説明と謝罪があったという。その上で『これ以上何か求めたり、蒸し返したりする必要はない。現在、復旧を一生懸命やっていただいており、今後も連携していきたい』と述べた。町民は心配を募らせた。同町長島に暮らす無職男性(72)は『町民にとって大事な情報はきちんと公開してほしい。今になって過去の損傷の話が出てくるとますます不安になる。生活に必要な橋だけに今後もこまめな保守点検を願いたい』と顔をしかめた。上関大橋では、昨年11月14日に本土の室津側で段差が発生。原因は橋桁を垂直につなぎ留める鋼材の破断だった。全18本のうち8本の破断が判明し、県は橋の状況から残る10本も破断か抜け出していると推定した。鋼材の破断は対岸の長島側でも2006年2月の超音波探傷試験で判明していた。18本のうち7本が破断し、半数の9本を調べた結果、全てに腐食が広がっていた。この事実を県は公表せず、長島側だけを補強。今回の段差の問題が発生した際も一切公言していない。山口大の立山紘毅教授(憲法・情報法)は『上関大橋は住民の重要な交通手段。上関町に知らせていないなら、あり得ないことだ。適時、正確な情報を出さないと不安と混乱を招く。橋の管理者であるとはいえ、県が情報を抑え込んでいいというものではない』と批判している。」
 日経クロステック(2021年2月22日・橋梁点検の罠『黙殺』された15年前の破断)は、上関大橋の長島側の鋼材の破断判明後の対応について次のように指摘しています。
 「当時、破断が発覚したときにも、その事実を公表していなかった。加えて、交通規制などの措置も取っていない。補強工事が終わる06年10月までの8カ月、機能していると確認できた鉛直PC鋼棒6本だけの状況で供用を続けていた。県は、『残存する鉛直PC鋼棒6本で設計荷重に抵抗できるか照査を行い、当時の通行に支障は生じないと判断した』(道路整備課)と説明する。残る6本の腐食の可能性については、『破断位置付近の橋台全面をはつって状況を確認し、破断している鋼棒の最大の破断欠損率を設計上の破断荷重に乗じた』と付け加えた。最も腐食が進んでいたPC鋼棒の欠損率は20%だった。つまり、18本のうち有効なPC鋼棒が6本しかなく、それらの断面全て80%減っていても、計算上は持ちこたえるという。そうは言っても、計算上は大丈夫なはずの80%以上の断面を持つPC鋼棒が現実に7本も破断しているわけだ。残った6本で少しでも腐食が進んでいれば、相応のリスクがあると考えられる。照査の結果だけでは、十分な説得力がない。幸い、補強が終わるまで事故は起こらなかったが、交通規制しなかった県の対応には疑問が残る。」
 昨年11月室津側で段差が発生し調査した結果、18本の鋼棒の内8本が破断していることが判明しました。
 15年前には、長島側で、18本の鋼棒の内7本が破断していたのです。当時、今回の室津側で生じた段差のような、橋面に異常が発生することを想定すべきだったと思います。
 だからこそ、15年前の調査結果を上関町や県民に公表すべきでした。
 15年前の調査結果を重く受け止めて、室津側のPC鋼材についても超音波探傷調査などを継続していたならば、今回の事故を防ぐことはできたと思います。
 県は、上関大橋で起きた15年前の調査結果と今回の調査結果を記録に残し、今後の橋梁調査に最大限生かす時です。
 昨日、2月県議会の一般質問の通告が締め切られました。その結果、私は、3月3日の5番目に一般質問を行う予定となりました。私は、上関大橋の問題を一般質問で取り上げたいと思っています。

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