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映画「ジョーンの秘密」

 映画「ジョーンの秘密」を観ました。
 映画のチラシから、概要を紹介します。
 「夫に先立たれた、仕事も引退しジョーン・スタンリー(ジュディ・デンチ)は、イギリス郊外で穏やかな一人暮らしを送っていた。ところが、2000年5月、ジョーンは突然訪ねてきた(MI5)に逮捕されてしまう。半世紀以上も前に、核開発の機密情報をソ連に流したというスパイ容疑だった。ジョーンは無実を主張するが、先ごろ死亡した外務事務次官のW・ミッチェル卿が遺した資料から、彼とジョーンがソ連のKGBと共謀していた証拠が出てきたというのだ。彼女の息子で弁護士を務めるニック(ベン・マイルズ)立ち合いのもと、次々と明かされるジョーンの驚くべき真実とは-。」
 この物語のモデルは、2005年6月に93歳で亡くなったメリタ・ノーウッドさんです。
 彼女は生前ソ連の諜報員だった過去について「私は、お金が欲しかったのではない。私の関心があったのは、そこではない。私はソ連が西側と対等な足場に立つことを望んでいたのだ。」と語ったと、この映画の日本語版サイトにあります。
 映画の中で、彼女が、アメリカによる広島・長崎への原爆投下を知り、イギリスの核開発の情報をソ連に流すことを決意する場面があります。
 また、映画の中で、逮捕後彼女が東側に核兵器を保有させ西側と「核抑止力の均衡」を図り「戦後の平和」が維持されたことを語る場面が出てきます。
 この映画は、戦中戦後の世界情勢とソ連の役割を知る上で、重要な映画だと思いました。 
 その上で、ソ連の諜報員だった彼女には、日本のヒバクシャの「核兵器を廃絶してほしい」との願いは届いていなかったことを、この映画を観て痛感しました。
 2017年に国連会議で採択された核兵器禁止条約の批准国が50を超え、今年1月22日に発効する事実を彼女が知ったらどう感じたでしょうか。
 日本政府は、核兵器保有国と非保有国の「橋渡し」をすると繰り返していますが、実際の行動は、核保有国の代弁者であり、お先棒担ぎという恥ずかしい卑劣な役回りを演じています。
 ソ連の諜報員だった彼女は、東側に核開発の情報を流すことで「平和に貢献」できたと映画で語りましたが、私は、唯一の戦争被爆国・日本が、核兵器禁止条約に署名・批准することが、世界の「平和に貢献」する道だと感じます。
 菅政権が、核兵器禁止条約に署名・批准しないのなら、署名・批准する新しい政権をつくることが、総選挙が行われる今年の大きな政治課題だと、この映画を観て痛感しました。
 「ジョーンの秘密」は、「平和」とは何かを根本から考えさせてくれる映画でした。YCOMで上映中です。一人でも多くの皆さんに観ていただきたいと思います。

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