ネットでの誹謗中傷が原因で、若い女性プロレスラーが亡くなった事件を受けて、自らもネットで誹謗中傷を受けた経験のあるお笑い芸人・スマイリーキクチさんが、最近、テレビやラジオによく登場します。
先日、NHKラジオで、スマイリーキクチが、被害者にならないことは当然だが加害者にならないようするための話をしていました。
その番組で、スマイリーキクチさんが、自らのリクエスト曲としてスーパーフライの「愛と感謝」を選曲しました。
私は、スーパーフライのデビュー当時からのファンですが、「愛と感謝」は初めて聞く曲でした。
調べてみると、2008年にリリースされた4番目のシングル曲「愛を込めて花束を」のCDに収録されていた楽曲のようです。
先日、CDショップで、20番目のシングル曲「黒い雫」のCDを購入し、その中にある「愛と感謝」を今、移動中の車の中で聴いています。
「愛と感謝」の中にこのようなフレーズがあります。
「その場しのぎの満足感や悦びが、知らず知らずのうちに 自分の首を締め付けた あぁだこうだ悩んじゃって なんて貧弱な生き物だろう 平凡でいい 毎日に多くは望まない 君といたい」
スマイリーキクチさんが、加害者にならないために、この楽曲をリクエストした理由がこの歌詞にあるのではないかと思いました。
ネットの中で周りを見失い、相手を誹謗中傷する行為は、「その場しのぎの満足感や悦び」に満ちた行為と言えるのだと思います。
この楽曲に、このようなフレーズがあります。
「今日も 明日も 愛と感謝に生きよう 大切なものは忘れがちだけど 愛と感謝に生きよう 大切なものは忘れがちだけど 愛しい人よ 最高の笑顔をありがとう 大地を踏みしめて 共に歩こう」
NHKEテレ 8月の「100分de名著」はミヒャエル・エンデの「モモ」です。
講師は京都大学教授の心理学者の河合俊雄さんです。
第一回を録画で昨日視聴しました。
崩れかけた円形劇場に住むモモ。モモは人の話をじっくり聞くことができます。
彼女の周りに町のみんながやってきます。
友達がみんな帰ってしまった夜、モモが一人で円形劇場跡の一画に座って長い時間を過ごすシーンにこのような場面があります。
「こうしてすわっていると、まるで星の世界の声を聞いている大きな耳たぶの底にいるようです。そして、ひそかな、けれどもとても壮大な、ふしぎと心にしみいる音楽が聞こえてくるように思えるのです。」
講師の河合さんは、この場面を解説しています。
「モモの心はこのように満ち足りていたのです。それこそが、モモが人々にパワーを与えることができた理由ではないでしょうか。つまり、空っぽの心で相手に話を合わせているわけではなく、自分の中に星々や音楽が満ちているからこそ、相手の話をいつまでも聞くことができたのです。」
私は、大学の卒業アルバムに「自立は連帯を生み、孤立は分散を生む」と書きました。
背伸びした当時の自分を思い起こしています。
コロナ禍の中の今こそ、自分を見つめ、心を豊かにしたいと思います。
そして、相手の声にじっくり耳を傾けることができる自分になりたいと願います。
コロナ危機を乗り越えた先に人々が「大地を踏みしめて 共に歩こう」と思えるような社会の到来を希望します。
100分de名著「モモ」からもしっかり学んでいきたいと思います。
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