昨日、山口朝鮮学園(厳潤徹理事長)と山口朝鮮初中級学校(呉栄哲校長)は、村岡嗣政県知事に対して「新型コロナウイルス感染拡大防止対策に伴う学校法人山口朝鮮学園への対応に関する要望書」を提出しました。
朝鮮学校の要望書を県学事文書課が受ける
要望書は「新型コロナウイルス対策として、山口県が6月補正予算案に盛り込んだ幼稚園などの教職員に支給する『応援給付金』の対象に朝鮮幼稚園を外しているが、この間の朝鮮学校幼稚園の実績をみれば、その対象に含むのは当然のこととなる。」としています。
新型コロナウイルス感染症対策に伴い、朝鮮学校付属幼稚園は下関市内の学校・幼稚園に準じ、3月3日から休業措置を行いました。しかし、共働き等の保護者からの要望があり、新型コロナウイルス感染症対策を講じた上で、幼稚園を、3月に5日、4月に2日、5月15日開所し、学童保育は、3月12日、4月は16日、5月は5日開所しました。
県は予算説明資料で、慰労金等支給関連事業の趣旨として「新型コロナウイルス感染症の拡大リスクなど厳しい環境下にあっても、感染症対策を講じながら医療や介護、障害者福祉サービスなどの業務を継続している施設従事者等に対し、慰労金又は応援給付金を支給する。」としています。
県は、学童保育に従事した職員や、幼稚園等の教職員に一人5万円を支給する応援給付金制度を創設しましたが、朝鮮学校及び付属幼稚園関係者に支給しようとしていません。
朝鮮学校及び付属幼稚園は、感染症対策を講じながら、保護者の要望を聞いて、学童保育や幼稚園を開所してきました。開所した実態に応じて、他の施設同様、県は、応援給付金を支給すべきです。
要望書は、朝鮮学校及び付属幼稚園に応援給付金を支給しないことは、「憲法25条(生存権)をはじめ、憲法14条(法の下の平等)・憲法26条(教育を受ける権利)に抵触し、マイノリティーの子どもたちの権利保障を謳う国連『子どもの権利条約』や国連『人種差別撤廃条約』に明確に反する」と指摘しています。
広島県では、休業への協力要請対象施設に「大学・学習塾等」を含め、各種学校である朝鮮学校へ協力金を支給しました。
山口県は、休業への協力要請対象施設に、学校等は、含めておらず、朝鮮学校に協力金は支給していません。
県学事文書課は、幼稚園職員等への応援給付金支給の前提は、今年2月28日、文部科学省初等中等教育局幼児教育課などが各都道府県私立学校主管課などに発出した「新型コロナウイルス感染症防止のための学校の臨時休業に関連しての幼稚園の対応について」との文書を県が送付した幼稚園に限るとしています。
文部科学省初等中等教育局幼児教育課の山村企画係長は「この文書は、幼稚園に対して周知することを都道府県などにお願いした文書である。この文書をどこに送付するか判断するのは都道府県である。文科省は、どこに文書を出してはいけないなどの指示は行っていない。」と答えました。
朝鮮学校付属幼稚園は、未就学児童を預かり、他の幼稚園と同等の役割を発揮しているにも関わらず、文科省の文書を県は朝鮮学校付属幼稚園に送付しませんでした。
文科省の文書を朝鮮学校付属幼稚園に送付しなかったことだけを理由に、朝鮮学校付属幼稚園の教職員に「応援給付金」を給付しない行為は、要望書が指摘する「憲法25条(生存権)をはじめ、憲法14条(法の下の平等)・憲法26条(教育を受ける権利)に抵触し、マイノリティーの子どもたちの権利保障を謳う国連『子どもの権利条約』や国連『人種差別撤廃条約』に明確に反する」ものと言わなければなりません。
広島県では、朝鮮学校に休業協力金を支給しているのです。
山口県は、朝鮮学校及び幼稚園が学童保育や幼稚園を開所していた実態に鑑み教職員に「応援給付金」を支給すべきです。
山口県は、朝鮮学校及び幼稚園の教職員に応援給付金を支払おうとしません。皆さんはこの問題をどうお考えですか。
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