18日、山口新聞は、17日に行われた県の行財政改革統括本部会議について次のように報じました。
「県の行財政改革統括本部(本部長・小松一彦副知事)は17日、県庁で会合を開き、新型コロナウイルスの感染防止や県内経済の早期回復に財政を集中させるため、来年度までを期間として進める行財政構造改革を一時凍結することを改めて確認した。人件費の縮減や事務事業の見直しなど個別の取り組みは、新型コロナ対策の迅速で機動的な対応を最優先として適切に進める。人件費の縮減については、保健所の体制強化など新型コロナ対策に必要な職員配置を優先。優先順位を見極めて事務事業の見直しを進めることで財源を捻出し、新型コロナ対策に重点配分する。市町との協議を中断している県有施設の見直しについては、新型コロナ対策の集中投資が終了した時点で、社会経済情勢を踏まえて新たな見直しの方向性を検討する。新型コロナ対策費の増大により、県の貯金に当たる基金の残高は当初予算ベースで見込んだ111億円を大幅に下回り9億円となった。小松副知事は、会合後、『予期せぬ事態に対応するため100億円の確保に努めてきたが、新型コロナ対策にあらゆる財源を投下することが必要。本当に必要な予算かはしっかりと見極める』と述べた。村岡嗣政知事は4月の県議会臨時議会で、行財政構造改革の一時凍結を表明。市町への移譲を検討している県有施設について、市町との協議を中断していた。」
行財政構造改革の一時凍結の判断は、妥当だと考えます。
その上で、いくつかの指摘をしたいと思います。
まず、総人件費の縮減についてです。来年度末の計画期間までに657人の定員を削減する計画でした。
本部会議資料に「保健所の体制強化など、新型コロナウイルス対策に最優先の職員配置を行う」としています。
この対応は妥当だとした上で意見を述べます。
まず、保健所の体制強化です。
6月16日に、日本共産党県委員会と県議団は、村岡知事に新型コロナ対策の第三弾の要望書を提出しました。
この中で、「保健所の予算を増やし、専門性をもった人員・体制を緊急に補強するとともに、この間、統廃合した7支所(玖珂、大島、阿東、厚狭、美祢、豊田、豊浦)の復活、定員増をすすめる(豊田、豊浦は下関市と合同で)」を要望しました。
この点への対応に今後注目したいと思います。
次に、教職員の体制強化です。
共産党の第三弾要望書の中で、「学校休業による学習の遅れと格差の拡大のゆるやかな解消と、『三密』対策をすすめるため、小中高校における1クラス30人以下の少人数学級化を加速する。そのため県費による教職員の加配、教室の確保などソフト、ハードの対策を講じる」を要望しました。
6月補正予算の概要に「県内の全公立小中学校に学力向上支援員を追加加配し、学校の休業による学習の遅れを取り戻すために必要な体制整備を支援。同様に、私立学校が学習指導員等を配置する場合、その経費を補助。」する予算は計上したとあります。
この対応を評価しつつ、1クラス30人以下の少人数学級化の実現を要望します。
次に、公の施設の見直しについてです。
行革本部会議の資料に「『現行見直しの方向性』に基づいた市町との移管等に関する協議は中止する」とあります。
この対応を評価しつつ、意見を述べます。
私は、2月県議会で、継続して見直しを検討するとした11施設の指定管理について次のように質しました。
「萩ウエルネスパークと片添ヶ浜海浜公園は、現在の業者で指定管理を1年延長する議案が提出された。2021年度以降も県施設として指定管理を継続すべきだが、お尋ねする。」
「来年度末で指定管理が終了する9施設については、指定管理が継続される場合、今秋までに募集要項等が示されると思うが、これらの施設は、2021年度以降も指定管理が継続されるものと考えてよいか。」
この二つの質問に、どちらとも、平屋総務部長は「現時点、指定管理の継続の有無をお示しできる段階にはありません。」と答えました。
6月17日、行財政改革統括本部会議で、「『現行見直しの方向性』に基づいた市町との移譲等に関する協議は中止する」とされた以上、「見直し検討」対象だった11施設について2021年度以降も指定管理が継続されるものと考えます。
ついては、今秋までに募集要項等が示されることになると考えます。
また、「見直し検討」対象11施設は、当面、県有施設として維持される以上、各施設で必要な修繕は行われるべきだと思います。
しっかり、調査をして、6月県議会で必要な発言を行っていきたいと思います。
行財政改革統括本部会議で、行財政構造改革の一部凍結が明らかにされました。
皆さんのご意見をお聞かせください。
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