議員日誌

コロナ禍での高圧ガス製造施設の定期自主検査等について

 今週の日曜日付の山口民報に、県内で行われている高圧ガス製造施設をかかえる事業所で行われている定期自主検査等に関する問題に関するレポートを寄稿しました。

ケミカル工場遠

定期自主検査が行われている宇部興産ケミカル工場

 山口民報に寄稿した文書について、その後分かった事実などを加筆・修正しましたので、以下、掲載します。

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 村岡嗣政知事は、東京など5都道府県や5月25日まで緊急事態宣言下にあった関西3府県や感染者が相次いでいる北九州市への移動自粛を県民に求めています。新型コロナウイルス拡大での移動自粛が完全に解消されない中、県内の高圧ガス製造施設では、今年の定期自主検査や保安検査(以下、定期自主検査等)のための定期修理が行われています。
 宇部市民の方から「県民には移動自粛を求めているのに、他県から高圧ガス製造施設の定期自主検査等のための定期修理に千数百人の労働者の方々が来宇していると聞くが、不安だ」との声が寄せられました。
 高圧ガス製造施設の定期自主検査等は、高圧ガス保安法に基づき実施が義務付けられたものです。新型コロナウイルス拡大を受け、経済産業省は4月10日、高圧ガス保安法の特例措置を決めました。特例措置は、4月10日から9月30日の間までに完了する高圧ガス製造施設の保安検査の期間を4ヶ月延長するものです。
 県消防保安課は、4月15日、関係事業所に、高圧ガス保安法の特例措置を周知し「定期自主検査等の実施に係る作業員等の対象地域からの受け入れの計画に際しては、今回講じられる法令上の延長措置を最大限に活用し、感染拡大防止、周辺地域の健康面、安全面の観点も十分考慮されるよう」要請しました。
 久保田后子宇部市長は、4月17日、定期自主点検等を予定している泉原雅人宇部興産代表取締役に対して「山口県への全ての都道府県を対象とした移動や来訪の自粛要請を改めてご留意頂く」ことと「実施期間中においては、作業員に不用不急の外出を避けることを要請していただくなど、感染拡大防止、周辺地域の健康面や安全面への影響を十分にお考えいただく」ことを要請しました。
 更に、県消防保安課は、関係事業所が延長措置活用の有無と活用しない場合にどのような感染予防対策を行うのか県に文書で連絡するよう要請しました。
 県内に24ある高圧ガス製造施設の保安検査を行う事業所の内、11事業所が、8月までに保安検査を行う計画です。
 事業所から県消防保安課へ寄せられた文書を集約した結果、24事業所の内、保安検査を延期する事業所はありませんでした。
 宇部興産は、4月22日、自社のホームページで、「5月から2ヶ月間、山口県宇部市の工場群において定期検査工事を予定」していることを明らかにした上で「当社グループの定期検査工事の実施にあたっては、山口県・宇部市のご指導に従いながら、従業員及び工事業者の方々の新型コロナウイルス感染症防止に最大級務める」ことを明らかにしました。
 更に、宇部興産は、5月7日、自社のホームページで、「本定期検査工事につきましては、山口県・宇部市にも予め報告した上で進めており、今後も県・市とは密接に連携し、進捗状況についても定期的にご報告していく所存です。なお、新型コロナウイルスの感染防止には上記の通り最大限の対策を講じますが、従業員や工事業者に感染者が発生した場合は、速やかに山口県・宇部市に報告するとともに当社ホームページに公表し、保健所等の指導に従って適切に感染拡大防止策を講じ」ることを明らかにしました。
 私は、衆議院経済産業委員会委員をつとめる日本共産党の笠井亮衆議院議員に、経済産業省が行った延長措置が活用されていない県内の実態を伝え、国において関係事業所に対し延長措置の周知を徹底することと感染症予防対策について住民への説明を徹底するよう求めてほしいと伝えました。
 同時に、県消防保安課には、8月までに保安検査を行う11事業所に対して、新型コロナウイルス拡大防止対策を徹底するよう要請しました。
 第二波が心配されます。引き続き、関係機関への働きかけを強めてまいりたいと思います。

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