議員日誌

林地開発許可制度要綱に太陽光発電施設の運用細則を追加

 太陽光発電施設に係る国の運用細則の追加に伴い、県の「林地開発許可制度の実施に関する要綱」が一部改正されました。

 施行日は、今年の4月1日です。

 私は、今年の3月6日に行った2月県議会一般質問で「林野庁長官は、県知事に対して『太陽光発電施設の設置を目的とした開発行為の許可基準の運用細則』を通知した。県は、この通知を受けて、『林地開発許可制度の実施に関する要綱』を見直すべきと考えるが、見解を示されたい。」と質しました。これに山根農林水産部長(当時)は「通知に関する国の説明会を受け、既に、県要綱の一部見直しについて、検討している」と答えました。

 私は、「要綱見直しの改定時期について」再質問しました。これに山根部長は「今後の見通しについて、申し上げられる段階にない」と答えました。

 国の通知を受け、県の要綱見直し作業が進み、この程の要綱一部改正となりました。

 改定された要綱は、県ホームページの農林水産部「森林整備課」のページに掲載されています。

 改定要綱の概要は以下の通りです。

 申請書に添付する書類として、太陽光発電施設の設置を目的とした場合は「地域住民説明会等概要書」の提出を求めています。

 添付する図面として、太陽光発電施設の場合は、パネル配置図の提出を求めています。

 審査基準の一般的要件として太陽光発電施設の設置を目的とした開発行為の場合以下のように定められてました。

 「防災や景観の観点から、地域住民が懸念する事案があることから、申請者は、林地開発許可の申請の前に住民説明会等の実施を通じて、地域住民の理解を十分に得るための取組を実施することが望ましい。ついては、申請書に説明会等の開催状況を記載した書面を添付すること。なお、説明会等を対象とする地域住民の範囲やその開催頻度等については、関係市町と相談の上判断することとし、説明会等の開催が必要ないとした場合には、その経過を書面に記載すること。」

 「太陽光発電事業終了後の土地利用の計画が立てられており、太陽光発電事業終了後に開発区域について原状回復等の事後措置を行うこととしている場合は、当該申請書の計画説明書に、植栽等、設備撤去後に必要な措置を記載するとともに、土地所有者との間で締結する当該土地使用に関する契約に、太陽光発電事業終了後、原状回復等する旨を盛り込むことが望ましい。以上の措置は、太陽光発電施設に係る開発区域が、太陽光発電事業終了後に原状回復等したときに、当該区域の地域森林計画対象森林への再編入を検討することをあらかじめ考慮して行うものとする。」

 「林地開発許可後に採光を確保すること等を目的として残置森林又は造成森林を適度に伐採することがないよう、あらかじめ、樹高や造成後の樹木の成長を考慮した残置森林又は造成森林及び太陽光パネルの配置計画とすること。

 「開発行為をしようとする森林の区域が、市街地、主要道路等からの良好な景観の維持に相当する悪影響を及ぼす位置にあり、かつ、設置される施設の周辺に森林を残置し又は造成する措置を適切に講じたとしてもなお更に景観の維持のため十分な配慮が求められる場合にあっては、太陽光パネルやフレーム等について地域の景観になじむ色彩等にするよう配慮することが望ましい。」

 「太陽光発電施設を自然斜面に設置する区域の平均斜度が30度以上である場合には、土砂の流出又は崩壊その他の災害防止の観点から、可能な限り森林土壌を残した上で、擁壁又は排水施設等の防災施設を確実に設置することとする。ただし、太陽光発電施設を設置する自然斜面の森林土壌に、崩壊の危険性の高い不安定な層がある場合は、その層を排除した上で、防災施設を確実に設置することとする。なお、自然斜面の平均傾斜度が30度未満である場合でも、土砂の流出又は崩壊その他の災害防止の観点から、必要に応じて、適切な防災施設を設置することとする。」

 森林又は緑地の残置又は造成による環境保全の基準の「開発行為の目的」別の表の中に、「太陽光発電施設の設置」が盛り込まれました。

 「森林率はおおむね25%(残置森林率はおおむね15%)以上とする。」とされた上で次のように明記されました。

 「1、原則として周辺部に残置森林を配置することとし、事業区域内の開発行為に係る森林の面積が20㌶以上の場合は原則として周辺部におおむね幅30メートル以上の残置森林又は造成森林(おおむね30メートル以上の幅のうち一部又は全部は残置森林)を配置する。また、りょう線の一体性を維持するため、尾根部については、原則として残置森林を配置する。2、開発行為に係る1箇所辺りの面積はおおむね20㌶以下とし、事業区域内にこれを複数造成する場合は、その間に幅おおむね30メートル以上の残置森林又は造成森林・緑地を配置する」

 全国の自治体では、要綱を条例にしているところや森林率を上乗せしているところもあり、引き続き、山口県における太陽光発電施設に係る林地開発許可制度については、見直しを求めて引き続き必要な発言を続けていきたいと思います。

 その上で、山口県の林地開発許可制度に太陽光発電施設の運用細則が明記された点については、この問題で一般質問を行った議員として、率直に評価したいと思います。関係者のご努力に感謝します。

 県の林地開発許可要綱に太陽光発電施設の運用細則が追加されました。

 皆さん方のご意見をお聞かせ下さい。

トラックバック

コメントはまだありません

No comments yet.

コメント

コメント公開は承認制になっています。公開までに時間がかかることがあります。
内容によっては公開されないこともあります。

メールアドレスなどの個人情報は、お問い合せへの返信や、臨時のお知らせ・ご案内などにのみ使用いたします。また、ご意見・ご相談の内容は、HPや宣伝物において匿名でご紹介することがあります。あらかじめご了承ください。