議員日誌

「再調査も むつみ『適地』」との報道

 昨日、「イージス・アショア配備計画の撤回を求める住民の会」が萩市で行われ参加しました。

 冒頭、住民の会の森上代表から、防衛省が、再調査の結果等について17日に来庁し、18日から22日まで、萩市議会・阿武町議会全員協議会、住民説明会で説明を行う計画であることが報告されました。

 昨日の各紙は、一斉にそのことを報じました。

 私は、萩市からの帰り、新聞を購入し、朝日、毎日、読売、中国、山口の各紙に目を通しました。

 その中から、山口新聞の報道を引用します。

 「防衛省は地上配備型迎撃システム『イージス・アショア』の山口県配備について、現行計画地のむつみ演習場(萩市、阿武町)が適しているとの内容の再調査結果をまとめ、村岡嗣政知事に伝達する方針を固めた。政府関係者が6日、明らかにした。山本明広副大臣が17日県庁を訪れて説明する。地元に異議があり、理解を得られるかどうかは見通せない。地上イージスを巡っては、秋田と山口両県の配備計画で調査ミスが判明し、防衛省は専門業者に測量を委託して再調査を実施。秋田は候補地とされた陸上自衛隊新屋演習場が住宅地に近いことから佐竹敬久知事が『無理だ』と明言しており、新屋演習場以外も含めて候補地を調べ直している。前回調査では米グーグルの衛星写真を利用したサービス『グーグルアース』を使い、設置予定場所周辺の高台の標高が国土地理院のデータと異なっていた。再調査は航空機によるレーダー測量を実施し、外部専門家の会議で『信頼性の高い分析結果』との意見が出た。これを受け、防衛省はむつみ演習場で問題がないと結論付けた。ただ住民に反対論は根強く、阿武町の花田憲彦町長は反対を表明している。秋田県関連の調査は来年3月ごろに終わる見込みだ。地元説明会で防衛省職員が居眠りしていた経緯があり、地元の不信感が強い。菅義偉官房長官は住宅地との距離を考慮するよう防衛省に指示した。河野太郎防衛相は『ゼロベースで検討する』と述べている。」

 防衛省は、イージス・アショアの配備を山口だけは強行しようとする構えです。

 しかし、いくつかの問題があります。

 最大の問題は、住民の理解についてです。

 阿武町では、「むつみ演習へのイージス・アショアの配備に反対する阿武町民の会」が結成され、有権者の過半数以上が会員となっています。

 9月2日に、住民の会は改めて防衛大臣に、配備候補地の選定の見直し等を要望しています。

 同時に花田阿武町長は、イージス・アショア配備に反対を表明して1年たった9月21日に「今後も反対の姿勢は変わりようがない」との姿勢を鮮明にしています。

 防衛省は、何度も「住民の理解が前提」と述べています。

 ならば、防衛省が、西台の仰角を調べ直した再調査の報告をもってむつみを「適地」としようとするのはあまりにも拙速です。

 次に、佐竹秋田県知事が新屋は「無理だ」との姿勢を示している点です。

 冒頭引用した山口新聞の記事にもありますが、佐竹秋田県知事が住宅密集地に近い新屋演習場は困難との姿勢を示し、防衛大臣も「ゼロベースで検討する」と述べているように、秋田市に配備しようとしているイージス・アショアの配備地に関しては根本的な再検討が行われようとしています。

 防衛省は、秋田と山口の二つのイージス・アショアで日本中をカバーすると説明してきました。

 秋田と山口はセットです。

 秋田の候補地が「ゼロベース」で検討が行われている最中に、山口のイージス・アショアの配備地だけを強行することは認められません。

 また、イージス・アショア配備予定地の近くに住宅が存在するのは、秋田市だけではありません。

 むつみ演習場周辺にも多くの民家があり、そこで暮らす国民がいる、国民の命の重さは同じであることを忘れてはならないと思います。

 最後に、課題は西台の仰角の間違いだけではないということです。

 今年6月に、村岡県知事と藤道萩市長と花田阿武町長が防衛大臣に4回目の照会を行っています。

 この照会は、①電波環境調査について②地質・測量調査について③活断層について④騒音と迎撃ミサイル発射時の噴煙について⑤安全・安心のための具体的措置について、であり、とても詳細なものです。

 防衛省は、こられの照会内容についても詳細な回答を今回行うのでしょうか。

 また、今行われている防衛省の専門家会議では地震への影響と「むつみ演習場に関する水環境への影響に係る各種調査について、その結果と、それを踏まえた対策の妥当性」が協議されている最中です。

 これら課題がある中で、西台の標高の間違いの修正という再説明だけで、イージス・アショアを強行することはできません。

 9日に、防衛省は、山口向けの地元説明資料案を議題に、防衛副大臣を本部長とする「イージス・アショア整備推進本部」を開催する予定です。

 この資料に、どこまでの資料が盛り込まれるのか注目しなければなりません。

 17日の防衛副大臣の来庁と、19日からの説明会の内容にも大いに注目していきたいと思います。

 「再調査も むつみ『適地』」との報道を皆さんはどうお考えですか。

 イージス・アショア配備に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

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