議員日誌

気候ネットが宇部石炭火発への融資に関し3大銀行に質問

 宇部市で進められていた石炭火力発電所「西沖の山発電所(仮称)」建設計画は、大阪ガス株式会社が同計画から撤退することを発表し、電源開発株式会社と宇部興産株式会社は、今年4月24日に環境影響評価手続きを中止しました。

 しかし、共同出資者である電源開発株式会社と宇部興産株式会社は、計画変更を行ったうえで新設計画を継続するとしています。

 今年5月7日付け電気新聞には、「プロジェクトファイナンスはどこの銀行も難しいが、コーポレートファイナンスなら相談できる」とし「石炭ガス化複合発電(IGCC)の商品化を検討していく」という電源開発 渡部肇史社長の発言が掲載されています。

 気候ネットワークは、今年6月11日、みずほフィナンシャルグループ(みずほ銀行)、三井住友フィナンシャルグループ(三井住友銀行)、三菱フィナンシャルグループ(三菱UFJ銀行)の3行に対し「電源開発および宇部興産による石炭火力発電事業への融資に関するお願いとご質問」を送付しました。

 気候ネットワークの3行への質問書には、「私たちは、石炭火力発電所に対して、地域の大気汚染の悪化や地球温暖化に対する影響について大きな懸念を抱いており、いかなる発電技術であろうとその建設に強く反対をしています。電源開発の主要銀行である貴行には融資の相談が来る可能性が高いと考えています。仮にそのような場合でも、パリ協定の下で目指される脱炭素社会の実現に向け、石炭火力発電所の建設に繋がる融資は差し控えるご決断をして下さるよう強くお願いいたします。」との文章が挿入されています。

 気象ネットワークの質問書への回答が、みずほフィナンシャルグループ(みずほ銀行)からは、今年6月24日に、三井住友フィナンシャルグループ(三井住友銀行)からは、今年6月12日、三菱UFJフィナンシャルグループ(三菱UFJ銀行)からは、7月8日に寄せられました。

 みずほ銀行の回答には「ご回答は差し控えさせていただく」とされていました。

 三井住友銀行の回答には「個別の取引につき、回答は差し控えます。」とした上で「石炭火力発電所への新規融資は、国や地域を問わず、超々臨界及びそれ以上の高効率の案件に融資を限定しております。」とありました。

 三菱UFJ銀行の回答は、以下の内容です。

 まず、石炭ガス複合化発電(IGCC)をどう認識しているかの回答には、「『MUFG環境社会ポリシーフームク』において、温室効果ガス排出削減につながる先進的高効率発電技術や二酸化炭素回収・貯留技術などの採用を支持する旨、公表しております。IGCCは先進的効率発電技術の一つと認識しています。」とあります。

 次に、IGCCも原則新規融資禁止の対象となるのかの回答には、「『MUFG環境社会ポリシーフームク』において、新規の石炭火力発電所へのファイナンスは、原則として実行しない旨、公表しており、採用技術の区分は特段、設けておりません。」とあります。

 次に、事業者がコーポレートファイナンスで融資依頼をしてきたらどう判断するのかの回答は、「MUFGは『MUFG環境社会ポリシーフームク』に従って、環境・社会配慮実施状況を確認の上、案件採り上げを判断しています。」「守秘義務の観点から、個別の案件に対する回答は差し控えさえていただきます。」とあります。

 石炭ガス化複合発電(IGCC)は、最新のLNG火力のCO2排出と比べると1.8倍あり、石炭火力としてはCO2排出は抑制されてはいるものの、大量のCO2を排出することは明らかです。

 私は、6月県議会で、宇部市に石炭火力発電所の建設を行わないよう質問を行ってきましたが、9月県議会の環境福祉委員会などの場でもこの問題を取り上げていきたいと思います。

 引き続き、石炭火力発電所に関するご意見をお寄せ下さい。

 

 

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