議員日誌

ヒキコモリ漂流記

 この夏、お笑いコンビ・髭男爵のツッコミ担当の山田ルイ53世さんの「ヒキコモリ漂流記」を読みました。

 山田さんの本「一発芸人列伝」は、「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」を受賞し、私も読みました。

 「一発芸人列伝」での作家としての山田さんの精緻な文章に魅かれ「ヒキコモリ漂流記」を一気に読みました。 

 山田さんは、地元・兵庫県では有名な私立の中高一貫校に進学します。

 学校までは片道約2時間。授業も宿題も手を抜かず、部活のサッカー部ではレギュラー。午前0時を回って就寝し、朝は5時に起きて登校する生活です。

 机の周りも自分にもロール状の粘着テープをコロコロし、文字は定規で書いていました。

 そんな、山田さんは、中学校2年の夏休み明けから不登校になりました。

 20才になり、一念発起して受験勉強して大学に合格します。

 山田さんは、「文庫版のあとがき」にこう書いています。

 「大体、皆が、キラキラした人生を送れるわけではないし、そんな必要も義務もない。全員が何かを成し遂げ、輝かしいゴールを切ることなど不可能である。『人生では、自分が主人公だ!』確かにそうだが、ハリウッドの超大作映画と大学生の自主製作映画では、同じ主演でもギャラは随分違うだろう。『ナンバーワンでなくても良い。オンリーワンであれ!』素晴らしい。しかし反面、『オンリーワン・・・結局、何かしら特別でないと駄目なのか・・・』と恐ろしくもなる。殆どの人間は、ナンバーワンでもオンリーワンでもない。本当は、何も取柄が無い人間だっている。無駄や失敗に塗れた日々を過ごす人間も少なくない。そんな人間が、ただ生きていても、責められることがない社会・・・それこそが正常だと僕は思うのだ。」

 先日のしんぶん赤旗「日刊紙」の本の広告に、大月書店の「この国の不寛容の果てに」がありました。

 雨宮処凛さんの編著で、6人の方の対話集です。

 この本の紹介文としてこうありました。

 「『生産性』『自己責任』『迷惑』『一人で死ね』・・・刺々しい言葉に溢れた国で、男は19人の障害者を殺した。『障害者は不幸しか生まない』という偏見によって。命を線引きする理論に抗する7人の対話集」

 この社会が「命を線引き」する状況が強まっているのでしょうか。

 「人間が、ただ生きていても、責められない社会」

 山田さんのこの言葉は、今、とても大切にしなけらばならい時だと感じます。

 一人ひとりの県民が大切にされる県政を目指して、山田さんの言葉を胸に、一般質問と委員会質疑の準備を進めています。

 皆さんの県政に対する思い、日々の暮らしへの思いをお聞かせ下さい。

 

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