議員日誌

映画「学校」

 「山田洋次 名作映画DVDマガジン」NO5「学校」を久しぶりに観ました。

 この映画は、1993年に公開された作品です。

 私が、20代の後半の頃、映画館で観た映画でもあります。

 映画館で観て、DVDマガジンが発売されて観て、3回目の鑑賞でしたが、今回が一番泣いたのではないかと思います。

 50を過ぎて涙もろくなったのでしょうか。

 マガジンから映画の概要部分を引用します。

 「東京の下町にある夜間中学の教師、黒井文人は7人の生徒を受け持っている。ビル清掃の仕事をしているカズ、不登校児だったえり子、元ツッパリ少女のみどり、在日韓国人のオモニ、中国人青年の張、知的障害のある修、読み書きができなかった中年男イノさん。」

 生徒一人ひとりの人生の描写が、私の心に響きわたり、落涙となりました。

 映画の後半で、「幸福」について語りあうシーンが出てきます。

 昨日、取り上げた「夜間中学と日本の教育の未来」の中で、前川喜平さんが「憲法26条と基本的人権」に関して次のように述べています。

 「私はこの13条の個人の尊厳や幸福追求権というものがすべての人権の根底にあると思っています。その個人の人権、個人の尊厳を実際に実現する、あるいは幸福を本当に追求できるようにするとき、基礎にあるのは教育であるということです。それがなければ、自分の尊厳を守ることもできないし、自分の力で幸福を追求することもできません。その個人の尊厳や幸福追求権の不可欠の基礎をなしているものが教育であると思っています。したがって、やはり教育こそが人権保障の中核にならなければならないと思っています。」

 ツッパリ少女みどりが、夜間中学に出会うまでを語るシーンがあります。

 鑑別所から中学校に戻ったけれど、一日で学校を辞めてしまった。友達と遊んでばかりの暮らしだったが、ある日夜間中学の事を知った。

 夜間中学校の入り口に座り込んでいたら黒井先生に声をかけられた。

 みどりは、自分の居場所を夜間中学の中にみつけました。

 生徒の生い立ちの中で、夜間中学に出会えたことと、前川さんが述べた「個人の尊厳や幸福追求権の基礎をなしているものが教育」という意味を結びつけて考えることが出来ました。

 「個人の尊厳や幸福追求権の基礎をなしているのが教育」で、その究極の場の一つが夜間中学であることが分かりました。

 一人ひとりの県民の幸福追求権を保障するために夜間中学が必要だと思いました。

 映画「学校」。何度観てもいい映画です。山田洋次監督に感謝します。

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