防衛省は、30日、2020年度軍事費の概算要求を決定しました。
昨日のしんぶん赤旗「日刊紙」より、概要と、山口県関連の予算状況を見てみたいと思います。
まず、概要についてしんぶん赤旗はこう報じました。
「総額は5兆3223億円と過去最大になりました。19年度当初予算比で648億円、1.2%増。第二次安倍政権発足後の13年度から8年連続で前年度を上回り、15年度から6年連続で過去最大を更新し、国民の暮らしを犠牲にした大軍拡路線を強行しようとしています。」
山陽小野田市に宇宙監視レーダーが建設されようとしていますが、概算要求の宇宙関連についてしんぶん赤旗は次のように報じています。
「概算要求は、従来の陸海空に宇宙、サイバー、電磁波を加えた『領域横断作戦』を強調。新たな領域まで『戦場』を広げようとしています。計524億円をつけた宇宙分野では、『宇宙利用の優位を確保するため』として、航空自衛隊に約20人の『宇宙作戦隊(仮称)』を新設。能力強化などに向けた費用40億円のなかには、「相手方の指揮統制・情報通信を妨げる能力』に関する調査研究が含まれています。米軍は29日、新たな統合軍として「宇宙軍』を創設。中国やロシアに対して、宇宙空間での軍事的優位性を確保する狙いです。自衛隊の動きは、これを補完するものです。」
「我が国の防衛と予算」(来年度の概算要求の概要)を見ると、「領域横断作戦に必要な能力の強化における優先項目」が最初の項目で、その第一が「宇宙・サイバー・電磁波の領域における能力の獲得・強化」であり、その第一が、宇宙領域における能力強化」です。
新年度、防衛省は並々ならぬ想いで、「宇宙領域における能力強化」に取り組もうとしていることが伺えます。
概算要求の概要書に、「宇宙状況監視(SSA)システムの取得(154億)があります。山陽小野田市に建設されようとしているレーダー基地は、宇宙状況監視システムの重要な施設の一つに位置付けられています。
最後に萩市の陸上自衛隊むつみ演習場を「適地」として秋田市とともに設置を進めようとしているイージス・アショアについてです。
しんぶん赤旗「日刊紙」はこう報じています。
「防衛省は2020年度軍事費の概算要求で、陸上配備型ミサイル迎撃システム『イージス・アショア』導入の関連経費122億円を計上しました。内訳は、ミサイル垂直発射装置(VLS)の取得に103億円、人材育成や調査などのその他の関連経費として19億円となっています。『イージス・アショア』配備をめぐっては、秋田県の陸上自衛隊新屋演習場(秋田市)、山口県の陸自むつみ演習場(萩市)を『適地』とした調査結果の数値に誤りがあるなど、ずさんな対応が明らかになり、防衛省は再調査を余儀なくされました。配備反対の世論は高まり、7月の参院選では、秋田選挙区で配備反対を訴えた野党統一候補の寺田静氏が勝利しました。こうした事態を受け、防衛省は概算要求で『特定の配備地を前提とする経費は計上しない』としました。岩屋防衛相は再調査を『ゼロベース(白紙)で行う』(27日)と述べましたが『秋田、山口ありき』で進めているのは明らかです。生活や健康、環境への影響に対する不安や、『いまの平穏な暮らしを続けたい』といった声を無視し、トランプ米政権の要求最優先の姿勢に、住民らの怒りがさらに強まるのは必至です。」
山陽小野田市に建設されようとしている宇宙監視レーダーは、基本設計が行われているものの、実際のレーダーは決まっておらず、その具体的な電磁波の影響は未定だと防衛省の職員は、住民説明会で述べました。
イージス・アショアは、今年度、ロッキード・マーチン社からレーダーを購入する予算が計上されていると防衛省の職員は、党県議団とのレクチャーで述べました。
更に、防衛省は来年度、ミサイル発射装置や人材育成費なども要求しているのです。
岩屋防衛大臣は、7月3日、山口県庁で「ご理解がないうちに配備先を前提にしたような予算の計上はしないという方針」と述べました。
住民の反対の声の中、「適地調査の再調査」がこれから行われようとしている中、岩屋大臣が「ゼロベース」で再調査を行うと発言した中、イージス・アショアに係る装備品並びに人材育成費を防衛省が概算要求に入れることは、まさに「秋田、山口ありき」と言わなければなりません。
阿武町で最初にイージス・アショア反対の声を挙げた女性グループの願いは「いまの平穏な暮らしを続けたい」でした。
これらの想いを踏みにじる防衛省によるイージス・アショアに関する予算の概算要求は許されません。
防衛省は、宇宙監視の強化やイージス・アショア配備に向けた予算を概算要求することを決定しました。
皆さんはこのことをどのようにお考えですか。ご意見をお聞かせ下さい。
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