史上初の直木賞と本屋大賞をW受賞した恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」を読んでいます。
恩田陸さんと私は同じ年です。夜のピクニックは、恩田さんの30代の頃の作品だと思います。
その頃から常に書店でチェックしつつ、恩田陸さんの作品を読んだのは数冊というところでしょう。
ほとんど初読の恩田作品ですが、最初の数十ページを読んだ段階で、恩田さんが紡ぐ「芳ヶ江国際ピアノコンクール」の世界に入り込んでいました。
ピアノが奏でる音が文字で延々と綴られています。あたかもコンクールの予選会場にいるようです。
コンクールに参加する栄伝亜夜、高島明石、マサル、風間塵、そして、審査員らの個性を描き出す筆致の精密です。
ピアノの音色とコンクール会場での群像劇を見事に描き切っている恩田陸のさんの筆致は冴えにさえています。
直木賞と本屋大賞のW受賞の快挙に、作品を読み始めたら納得できる私でした。
私がこの時期に、この本を選んだもう一つの理由は、この小説が映画になることです。
10月4日、石川慶監督による映画「蜜蜂と遠雷」が封切られます。
栄伝亜夜役に松岡茉優さん、高島明石役に松坂桃李さん、マサル役に森崎ウィンさん、風間塵役に鈴鹿央士さん。
特に、映画「新聞記者」へ出演以来、一押しの松坂桃李さんが出演していることは嬉しい限りです。
恩田さんの文字が音となり映像となり、「芳ヶ江国際ピアノコンクール」が目の前に現れます。
それだけでワクワクします。
主役の4人の実際のピアノ演奏は、世界を代表する青年演奏家が演じることになっています。
その音を劇場で聴けることも楽しみの一つです。
国際ピアノコンクールを舞台にした恩田陸さんが紡いだ新たなエンターテイメント「蜜蜂と遠雷」。
まずは、この夏、しっかり読み切って、10月上映を待ちたいと思います。
恩田陸ファンの皆さん、皆さんのお勧め作品をお教え下さい。
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