議員日誌

同調圧力

 映画「新聞記者」の中で写されていた東京新聞社会部記者の望月衣塑子さんと元文部省事務次官の前川喜平さんと、元ニューヨークタイムズ東京支局長のマーティン・ファクラーさんの座談会も収録されている「同調圧力」を読んでいます。

 座談会の前に、それぞれの小論が掲載されています。

 望月さんの小論では、菅官房長官会見での望月質問を政府がどう阻もうとしたのか、また、東京新聞などが、これにどう対抗したのか、詳細が書かれてあります。

 上村内閣官房総理大臣官邸報道室長は、昨年12月28日付で、内閣記者会に対して、「12月26日午前の官房長官記者会見における東京新聞の特定の記者による質問について、添付資料にお示しするとおりの事実誤認等がありました。」などとする文書を発出しました。

 12月26日の望月記者の質問は以下の内容です。

 「沖縄辺野古についてお聞きします。民間業者の仕様書には『沖縄産の黒石炭ズリ』とあるのに、埋め立ての現場では赤土が広がっております。(土砂の積み込みを行う)琉球セメントは県の調査を拒否していまして、沖縄防衛局は『実態は把握ができていない』としております。埋め立てが適法に進んでいるのか確認できておりません。これ、政府としてどう対処するおつもりなのでしょうか。」

 

 菅官房長官は「法的に基づいてしっかりやっております。」と答えていますが、望月さんは、こう書いています。

 「なぜ赤土が問題なのかといえば汚濁防止の観点から『赤土などの細かい砂の割合=細粒分含有率をおおむね10%程度にする』という国と県との取り決めがあるからだ。岩石以外が増えれば当然、赤土の比率も高まる可能性がある。赤土の混入の可能性については、沖縄防衛局が岩石以外の割合を『おおむね10%前後』と県に説明しながら、業者へ発注する際の仕様書では『40%以下』と数字を引き上げる変更をしていたことが、取材を重ね、沖縄防衛局が県に提出していた資料を読み解くことで明らかになった。」

 東京新聞は、2月18日社説で次のように書きました。

 「記者会見での記者の質問は、国民の知る権利を守るために、報道機関として当然の行為だ。権力側が、自ら都合の悪い質問をする記者を排除しようとするなら、断じて看過することはできない。」

 東京新聞は、2月19日付で検証記事を掲載しました。この中で臼田編集局長は署名入りでこう書きました。

 「権力が認めた『事実』。それに基づく質問でなければ受け付けないというのなら、すでに取材規制です。」

 「記者会見は民主主義の根幹である国民の『知る権利』に応えるための重要な機会です。」

 「私たちは、これまで同様、可能な限り事実に基づいて質問と取材を続けていきます」

 私は、望月記者の質問に対する政府の攻撃とそれへの反撃の詳細を初めて知りました。

 私はこの事を通じて、国民の『知る権利』を守るためのジャーナリズムの役割の重要性を痛感しました。

 私は、4年ぶりに県議会に戻り、議会内に「同調圧力」が強まっていることを感じます。

 県民の『知る権利』を守るため、県民の福祉向上に寄与するため、県当局へ質問を重ねていく決意を新たにしました。

 望月衣塑子さんから勇気をいただきました。望月記者を同時代を生きる仲間として応援していきたいと思います。

 「同調圧力」を読み進め、前川喜平さんマーティン・ファクラーさんからも多くを学びたいと思います。

 映画「新聞記者」をご覧になった皆さん、「同調圧力」を読まれた皆さん、感想をお聞かせ下さい。

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