議員日誌

タクシー運転手~約束は海を越えて~

 レンタルDVDでチャン・フン監督の映画「タクシー運転手~約束は海を越えて~」を観ました。

 韓国では1200万人突破の記録的にヒットした映画となりましたが、そのことが伺える、まさに今観るべき映画だと感じました。

 この映画は、光州事件に関わる物語です。

 光州事件とは、1980年5月18日から27日にかけて光州市を中心として起きた民衆の反政府蜂起です。デモ参加者は約20万人にまで増え、全実権を握る軍が市民を暴徒とみなし銃弾を浴びせました。少なくとも150名以上の市民が亡くなり3000人以上が負傷しました。

 1980年、私は、高校生でした。当時、隣の国で起きたこの重大事件を十分知りません。

 それには、理由があり、戒厳令で言論統制の中、光州事件の全容が韓国国内ですら、十分報道されていませんでした。

 映画は、光州を取材し、全世界に事件を伝えたドイツ人記者・ユンゲン・ヒンツペーターと彼おタクシーに乗せ、光州中心部に入ったタクシー運転手・キム・サボクに焦点を当てて描かれています。

 戒厳令の中、果敢に取材を続けるドイツ人記者の姿を、最近、開放された安田さんと重ねて観ました。

 当局が隠そうとする真実を世界に知らせる記者の存在の重要性を再認識しました。

 権力者が隠そうとした韓国現代史の重大事件を、今日、映画に仕上げたチャン・フン監督らスタッフの勇気に敬意を表したいと思います。

 この映画が作成され、ヒットした背景には、キャンドル革命で勝利した文大統領を誕生させた韓国民衆の底力を感じます。

 この映画を最後まで観て、ヒットした理由が分かった気がします。一人ひとりの民衆の生きる姿を喜怒哀楽を交えてしっかり描いていることです。

 特に、タクシー運転手を演じたソン・ガンホの演技は最高です。

 反政府蜂起に立ち上がった人びとに敬意を表しつつ、ドラマチックな映画に仕上げた監督とスタッフの皆さんに改めて感謝します。

 この映画は、西京シネクラブ12月例会として12月22日(土)に山口県教育会館で上映されます。

 上映時間は、①10:30~②13:30~③19:00~です。

 第二回目の上映終了後、16時~ 国際ジャーナリストの伊藤千尋さんが「不屈とケンチャナヨ(大丈夫だよ)~独裁を打倒した韓国の現場から」と題してスペシャルトークを行います。

 一人でも多くの方に観ていただきたい映画です。

 力が湧いてくる映画です。

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