議員日誌

ドラマ「バカボンのパパよりバカなパパ」終わる

 NHKドラマ「バカボンのパパよりバカなパパ」が終わりました。

 私にとって今年で一番よかったドラマでした。

 7月29日号しんぶん赤旗「日曜版」に赤塚不二夫さんの娘でフジオ・プロダクション社長の赤塚りえ子さんが取り上げられていました。この中にこう書かれています。

 「赤塚漫画の原点は、生まれ育った満州でした。戦争中、多くの人の死を目の当たりにし、引き揚げの直後には栄養失調で妹を亡くしました。家族離散の貧しい中で差別もされました。悲しみを笑いに-。」

 本ブログでも赤塚りえ子著「バカボンのパパよりバカなパパ」に掲載されていた赤塚不二夫さんの「赤い空とカラス」という文章を紹介しました。

 ドラマの中で、満州の夕焼けの中をカラスが飛ぶ様子を描いた絵が赤塚さんがいつも通うスナックに飾られていました。

 赤塚りえ子さんは、父のこの文章を引用した後にこう書いています。

 「父の人としての座標となったのは、この「赤い空とカラス」に象徴される満州体験だったのかもされない。ハチャメチャにみえる言動もすべてはこの地平から出発しているのだったら、ものの本質とあまり関係のないちっぽけなことなんてどうでもよかったんじゃないか。父はもっと『生きる』という人間の根源的なところでものごとを捉えていたからこそ言えたのだと思う、『これでいいのだ』と。そして、『笑い』が生命に直接的につながっていることを感覚で、また、体験からもわかっていたのだと思う。」

 一言でいえば「悲しみを笑いに」でしょうか。

 このドラマを見ながら、赤塚不二夫さんの生きる源が、満州の夕日だったことを感じながら、自分にとっての生きる源は何かを考えていました。

 私にとっての原体験は、大学1年生の時のスキーバス事故だったなあと思います。

 何度も本ブログでも書いていますが、1985年1月28日、長野県犀川にバスが転落し、学生22名、教員1名、乗員1名の24名が亡くなりました。

 転落したバスは、日本福祉大学の体育の授業としてスキー場に向かう3台のうちの1台でした。

 転落したバスは、3号車で、私は、2号車に乗車していました。

 年を取るとともに、あまり落ち込むことも少なくなった私ですが、ふと「20歳で終わった22名の同級生」の事が頭をよぎります。

 これから書くことも一部、本ブログに書いてこともあると思いますが、事故後、大学で行われた追悼式の時に学生が歌っていた「ケ・サラ」のメロディーと歌詞が私の応援歌となっています。

 「ケ・サラ」には、色々な歌詞がありますが、私たちが歌っていたのは次のような歌詞です。

 「押さえきれない怒り こらえきれない悲しみ こんなことのくり返しだけど 決して負けはしないさ

  ケ・サラ ケ・サラ ケ・サラ 僕たちの人生は 平和と自由 求めて 生きていけばいいのさ

  泣きはらした夜 むかえる朝のまぶしさ そんなことのくり返しだけど決して負けはしないさ

  いつも思い出すのは 自由のために死を選んだ 名もない多くの人々を 決して忘れはしないさ

  広く高く大きく 明日に向かった力づよく 人間のやさしさを うたえ うたえ うたえ うたえ うたえ

  うたえ うたえ うたえ 人間のやさしさを うたえ うたえ 

  明日に向かって力強く 広く高く大きく」

  先日、高校時代の同級生が、「いつも前向きだね」と褒めてくれました。

  その時は、「悩みを翌日に持ち越さない」からと言葉を返したのですが、今、考えてみると、やっぱり、私は、スキーバス事故の生き残りという意識があることが生きる源になっているように思います。

  そして、「ケ・サラ」。「ケ・サラ」の歌詞を写していても実は、涙がにじむのです。

 「泣きはらした夜 むかえる朝のまぶしさ そんなことのくり返しだけど決して負けはしないさ」

 「平和と自由求めて生きていけばいいのさ」

 このブログを書きながら、自分の生きる源を再確認することができました。

 赤塚不二夫さんのドラマを見ながら、原作本を読みながら、自分を再確認することができました。

 「これでいいのだ」赤塚不二夫さんから引き続き学んでいきたいと思います。

 関係者の皆さんいいドラマをありがとうございました。

 私は、今、「バカパパロス」です。

 皆さん、ドラマの感想をお聞かせ下さい。

 

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