議員日誌

ワンダーストラック

 昨日は、田植えに向けて実家の田を鋤く予定でしたが、金曜日が大雨だったので中止しました。

 少し時間が取れたので映画を観に行きました。

 昨日観た作品は、トッド・ヘインズ監督の映画「ワンダーストラック」です。

 この作品は、1927年の物語と1977年の物語がクロスして展開します。

 1927年の主人公は、ニュージャージー州に住む耳の聞こえない少女・ローズ。ローズは母を訪ねてニューヨークへ。

 1977年の主人公は、ミネソタ州に住む耳が聞こえなくなった少年・ベン。ベンは、父を訪ねてニューヨークへ。

 ニューヨークで、ローズとベンが巡り会います。

 1977年に12歳のベン。ベンは、私たちの世代です。

 1927年に12歳のローズは、私の祖父母たちの世代です。

 1927年の場面は、サイレント映画として撮影されています。

 耳が聞こえないローズを演じたのは、聴覚障害を持つミリセント・シモンズさんです。

 1927年は、今から90年以上前、1977年も、今から40年以上前です。

 それぞれの当時の街の風景が見事に再現されていました。

 聴覚を失うというハンディを乗り越えながら、最愛の人を求める少年・少女の心の成長を見事に描き出した作品です。

 原作は、「ユゴーの不思議な発見」でも有名なブライアン・セルズニックさん。

 ローズとベンがどのように出会うのか、ここでは書けませんが、ミステリーとしてもとても興味深い作品です。

 監督のトッド。ヘインズさんは、「キャロル」「エデンより彼方に」で有名です。

 人種差別や同性愛など、現在を生きる私たちにとって重要な問題をテーマにしてきた監督です。

 映画のパンフレットにトッド監督は「1927年と1977年という二つの時代を舞台に、50年の時を隔てマンハッタンを駆け抜ける二人の子どものユニークな物語だ。二人とも聴覚障害者で、ベンの方は、途中で耳が聞こえなくなった。彼らは自分が何者であるのか、どこから来たのかを解き明かそうとする。映画は観客を二人の旅に誘い、彼らが自分自身を発見した時、その答えも明らかになるんだ。」と書いています。

 アメリカ自然史博物館やクイーンズ美術館が舞台になっていることも重要だと思います。

 吉野源三郎の「きみたちはどう生きるか」の問いが、この映画のテーマでもあるように感じました。

 一人ひとりの人間は大きな世界で繋がっている。

 その世界の中で一人一人の役割がきっとある。

 トッド監督は、このような事がこの映画で描きたかったのではないかと私には思えました。

 トッド監督の他の作品からもしっかり学びたいと思いました。

 映画は、心を豊かにしてくれます。トッド監督いい作品をありがとうございました。

 

トラックバック

コメントはまだありません

No comments yet.

コメント

コメント公開は承認制になっています。公開までに時間がかかることがあります。
内容によっては公開されないこともあります。

メールアドレスなどの個人情報は、お問い合せへの返信や、臨時のお知らせ・ご案内などにのみ使用いたします。また、ご意見・ご相談の内容は、HPや宣伝物において匿名でご紹介することがあります。あらかじめご了承ください。